虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

暗算って必要? 学校では教えない計算法も算数を学ぶ上で大事 3

2016-10-17 16:42:55 | 算数

暗算について、自分が感じていることを言葉にしようとして、

「上手く説明できない。どう書いても誤解が生じそう」と壁にぶつかって悩んでいました。

そもそも、「暗算」という言葉を使ったのが、よくなかったのかもしれません。

 

最初に取りあげた

 

100-1とか10+10+10のような

見ると自動的に答えが浮かぶような問題を

「100のくらいから10借りてきて……」とか「1のくらいの0と0と0を足したら……」と解いていくこと

 

って結局、何がいけないのでしょう?

 

『まなびを学ぶ』 (苅宿俊文  佐伯 胖  高木光太郎 編   東京大学出版会)

という著書に、こんな話が載っています。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

赤ちゃんは新生児模倣の時期を過ぎると、しばらく模倣しなくなり、むしろ、他者の行為から

対象物の物理特性に気づいて、あとは「自分で」工夫することで目的行為を達成するという

学習がはじまります。

対象世界の因果関係や「アフォーダンス特性」(対象がある主の行為を誘発する特性)の把握に

もとづいて、道具や装置の使い方を学んでいきます。

 

でもマニュアルのような「教示的指示」が示されると、対象物の道具的機能特性を自由に活用するという

思考を停止させて、いわば「この道具はこのことのために、こう使うもの」

というように、機能的固着を生み出します。

 

実験によると、チンパンジーが、すぐに「自分で」やり方を工夫して問題解決できることを、

人間は、「教示」されてしまうと、明らかにそれが無意味であることが「考えればわかる」はずのことでも、

「盲目的模倣」をしてしまうことを示している。

 

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算数の世界も、教わってできるようになることも大事なのですが、同時に、

 

「対象物の物理特性に気づいて、あとは自分で工夫することで目的行為を達成する」

「対象世界の因果関係やアフォーダンス特性対象がある主の行為を誘発する特性)の把握に

もとづいて、道具や装置の使い方を学んでいく」

 

に近い学び方をしていく一面もあります。

 

他者から教えてもらうだけでなく、

自分で対象と向き合って自分の内部にある力を目覚めさせていくことや

磨いていくという学び方も

算数に含まれているのです。

 

兄弟姉妹がたくさんいた時代、

物を分けあったり、お手伝いをしたり、花いちもんめやおはじきや陣取りのような

数や量への気づきをうながす伝承遊びがどこでも行われていたような時代なら、

算数においても、自分で直接、対象物の特性に気づいて学びとっていくということが、

いちいち意識しないでも行われていたのだと思います。

 

でも現在は、

「幼い子にまでマニュアルのように言葉で教えていく。自分で学ばせず、教示する」ことが、

流行しています。

 

そうして「教わる」ことが増えて、「自分で考える」機会が減ったためか、

 

問題を見ると、「自分で考える」スイッチを停止して、大人の言っていたことを再現するのに一生懸命

 

というバランスの悪い考え方をする子がいて

気にかかっているのです。

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