超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

THA BLUE HERB「TOTAL RELEASE TOUR」@恵比寿LIQUIDROOM 12.7.3

2012-07-05 20:16:41 | ライブレポ





一昨日の夜、THA BLUE HERBのライブを観に恵比寿まで行って来ました。





何気に生まれて初めてヒップホップのライブに参加した訳ですが
はっきり言って一種のカルチャーショックっていうかヒップホップの本当の凄さ・・・
っていうよりもブルーハーブってグループの偉大さを感じずにはいられないような一夜でした。
だって、BOSSずっと喋ってるって言うかMCですらも全部韻踏んで、しかもストーリー性もあったりするから
ライブ自体は2時間半越えっていうボリュームなのに延々と韻を途絶えさせない水も飲まない
それで最後まで声は枯れない、言葉も尽きない、興奮も終わらない、って・・・
「プロの凄み」を感じざるを得ないような内容で
不思議と観ていて涙腺が刺激される感覚は
eastern youthやbloodthirsty butchersのライブを観てるかのような手に汗握る感動がしっかりとありました。
他のお客さんが演劇みたいって口に出してましたけど正にもう芸術と言っていいレベルのライブで
巷に溢れる軽いノリのヒップホップとは一線も二線も画したオルタナティブで
それでいて心にグッと来るシーンばかりだった印象の・・・
素晴らしいライブだったと思います。
今までブルーハーブのライブ初めて来た方も自分と同じような感慨だったかと思うと、
正直なんでもっと早く行かなかったんだろ?って気持ちもありますけど(笑)。でも、行けて良かった。
本当は言葉になんてならないくらいの内容だったのでレポを書くのも躊躇いましたが
それでもこの興奮と感動を伝えよう
そして少しでもブルーハーブ好きな方は是非ライブで彼らの真価を味わって欲しいですね。
私は昔からミュージシャンに対する尊敬がアスリート等の尊敬を遥か上回るくらいにあるのですが
はっきり言ってこの夜でそんな想いを更に確かに出来た気がします。本気の言葉だけが詰まってた夜でした。

ツアー中なのでセトリのネタバレには要注意ですよ。では以下。





ブルーハーブを聴き始めて10年以上経ちます。
10年来のリスナーなのにライブ未体験っていうのもどうなんだろう?って思うんですが(笑
無事スケジューリングもOKの上で今回遂に行けたライブは想像以上の熱気と完成度を保っていて
BOSSの言葉を聴いてるだけで快感っていうか、気持ちが揺さぶられる感覚が続いてて
それが本当にTHBのライブの醍醐味だって思ったんですよね。
言葉を吸収する感覚と言いますか
一つ一つの言葉やフレーズに重みがあって、決してなあなあで聴けないっていうか
集中するしないって話じゃなくて自然とその言葉に耳を傾けてしかも耳を閉じる事が出来ない
自分自身と向き合わざるを得ないシリアスさがどの楽曲にも満ちていて
いちいちその言葉の意味や意志を
聴くたびに自分の中で噛み砕いたり考えてしまうんですよね。だから最後まで逃れられない
最後まで浸るしかない、でもそれがすっごく気持ち良くもあるっていう・・・相当の中毒性に満ちてました。

決して聴き手を励ましてるつもりはないんだろうけど
自分自身を伊達や酔狂ではなく本気で誇って信じてる感覚だったり
自分から考えてダメだと思う思想や事実を本気で指摘して回復を願う気持ち
それと、まだまだ全然満たされてないっていう上昇志向だったり
そういう想いの欠片の数々が自分の胸にも飛び込んで来て
結果的に大きく励まされるような感覚
存在を信じたくなる感覚
嘘偽り無くそんな思想の数々に感化される感覚・・・が個人的には素晴らしいと思えて
その上で聴き手のケツを引っ叩くフレーズの数々に自戒の念が浮かんだりと
正に聴き手との真剣勝負
安易な言い方かもしれませんが人生そのもののような音楽、リリックの数々には何度も震えて
そんな言葉と興奮のマンツーマンのやりとりは普段のライブとは違うスリルがあって
こういうのもこういうのでまた良いもんだよなあ、と素直に思えた
それはひとえにボスの態度が真剣そのもの
何一つの雑念を感じさせないステージングにストイックの極みを垣間見た気になって感動もしたのですが。

今となってはアレですが
もし中学生の頃にこのライブを観てたらもしかして本気でヒップホップに憧れて
ラップの練習でもしてたんだろうなー、って思うくらい聴き手に対する作用が半端ではなくて
ヒップホッパーは目指さずともBOSSっていう男の信念には憧れざるを得ない
自分よりも何段も何段も先を往く人生の先輩として
その言葉を聴けるだけで嬉しかったような・・・
ってここまで絶賛してると「ホントかよ」って思われそうですけど、実際行くとそう思っちゃうんだって(笑)。
自分を曲げずに捨てずに、馴れ合いも妥協も許さない限りないプライドの高さと
その実行力に深い感銘を受けつつ、
今この時代に生きてる我々だからこそ、未来がこの手の中に確実に入っているという事実―
この世界で生きたいなら生き抜きたいなら自分から楽しく面白くしていかなきゃいけないんだって思想
そんなシンプルで、でも大切な思想を教えてもらった渡された気がして・・・
ここまでガチンコでぶつかって来るミュージシャンもいないよね。
はっきり言って、心底男らしいと思ったわ。
まるで転がる岩のようにあがきながらラップする姿はヒップホップって概念すら飛び越えて
正にロックンロールやパンクって形容してもおかしくないくらいの熱量とオルタナ感が存在していて
それ即ちヒップホップってジャンルの本当の奥深さの一部を確実に知れたような。
というか、ジャンルはブルーハーブだな。
それくらいの強烈なオリジナリティを鮮烈に目にしてしまった聴けてしまった、衝撃の一夜でもありました。
サブカル層で鬼のように支持されるのも当然のレベル。音源だけでなく、ライブも観にいかなくちゃ。
だってブルーハーブのようなライブはブルーハーブでしかあり得ないのだから。





セトリ(曖昧です。すいません 多分もう数曲は演ってる)
WE CAN...
EVERY NEW DAWN
RUN 2 YOU
MAINLINE
STILL RAINING, STILL WINNING
AMENIMO MAKEZ
SATURDAY NIGHT,SUNDAY MORNING&AFTERNOON
THE NORTH FACE
STOCIZM
UNFORGIVEN
STILL STANDING IN THE BOG
SUPA STUPID
LOST IN MUSIC BUSINESS
GET READY
あかり
MAINTAIN
HEADS UP
TENDERLY
BROTHER
THE WAY HOPE GOES
MOTIVATION
BRIGHTER
未来は俺等の手の中

RIGHT ON





今回はとにかく初めてヒップホップのライブに行ってカルチャーショックを受けた事
初めて観るライブスタイルに完全に魂を持ってかれた事が大きかったので
敢えて全体の感想を書かずに、総括を本編にしてみました。
で、個々の楽曲について触れますと
まず序盤の「MAINLINE」の音源とは全然違う必死なサビのフレーズに大いに心を打たれたのと
「STILL STANDING IN THE BOG」の切迫感溢れる叫びとパフォーマンスに更に心を打たれてました。
そして「THE NORTH FACE」の「坊や」ってフレーズからはベテランのプライドと凄みをしっかり感じて
「TENDERLY」の迫真のメッセージの数々にもしっかりと浸りつつ
「BRIGHTER」の「待ってるよ」って言葉を聴いてたら思わず泣きそうになってしまいました・・・。
ライブが人に与えるのはその場限りの快楽なんかじゃないんだ、って信じきれるような夜でした。
大好きな「未来は俺等の手の中」も聴けて嬉しかったです!
ブルーハーブ、マジヤバい!!
最高でした。





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2 コメント

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ブルーハーブの曲を教えて下さい。 (ふじも)
2012-09-09 11:17:37
はじめまして、ふじもと申します。
ブルーハーブのセットリストを検索で辿りつきました。
私も先日、岡山であったツアーライブに参加しました。
BOSSのMCもですが、二人あのステージのパフォーマンスは最高に感動でした!
ただ、私はブルーハーブ素人なので曲の事はあまり詳しくありません、ですのでもし分かるようでしたら教えて頂きたいのですが(岡山で行われたセットリストが同じなら)
確かライブの後半だと思うですがBOSSが少しMCをはさんで『フューチャー!』と叫んで曲が始まった曲が、何という曲かお分かりでしたら教えて頂けるとありがたいです。
いきなりのメッセージ、質問でご迷惑かもしれませんがよろしくお願いします。
すいません・・・ (西京BOY)
2012-09-10 00:10:27
セットリストは毎回変えてるっぽいので、ちょっと分からないですね・・・
多分その掛け声始まりなら「未来は俺等の手の中」っぽいですけど。

ヒップホップのライブはアドリブも多いので、余計に歌詞を調べても分かりませんでした。
その上で恐らくは上記の曲じゃないかな・・・と。もし間違ってたらすいません。


>BOSSのMCもですが、二人あのステージのパフォーマンスは最高に感動でした!
いや~、思い出すだけで興奮して来ますね(笑
あそこまで芸術性に溢れたライブも中々ないです。
岡山も盛り上がったようで、嬉しいですね。

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