にいや徒然エッセイ

「あめつち」に響く歌声の持ち主、シンガー・ソングライター「にいや」こと「新屋まり」が奮闘の日々を綴る。

愛犬ふてくされる。の巻き

2017-07-13 | 半径30メートルの事件

眼科で手術という当日の朝。

正午までに来て下さいとのことだった。

妹が病院へ送ってくれると言う。

起床から4時間。

どうしたわけか午前10時に猛烈な睡魔に襲われる。

寝るから起こしてと妹に声を掛けた。

足元に毛深い我が子が来て、一緒に昏睡状態に陥る。

起こされたのは11時。

病院まで高速て45分くらい。

11時には自宅を出ている予定だった。

出かける準備をしていたら11時15分になってしまった。

行く前に手術費の現金101万円を下ろして

持参しなくてはいけないことを思い出した。

このタイトさ。

そして緊張感のなさ!

その余裕はどこから来るのでしょう・・。

 

もっと早く起こして欲しかった、

ねえちゃんのトイレがあまりに長い、

どうして前もってお金を用意しておかないんだ・・

等々のなすりあいをしつつ家を出ることになった。

ばーあちゃんも一緒に行くことにしたので

おいてけぼりを察した愛犬が不安げにつきまとう。

「麻呂はお留守番。おうちでいい子!」

きっぱり言う。

察した彼は寂しげなあきらめ顔で

我々の車を見送っていた。

 

正午と正午5分過ぎに病院から着信があったと気づいたのは

無事に手術も終わり、支払いを終えた時。

この日は私を入れて7人が手術をしたそう。

薬局から出て迎えを待つ間に

私と同じ眼帯をした男性が2人病院から出て来た。

流れ作業のよう。

私の開始が13時始だったが、

正確にその時間から始まった。

最初の私が遅刻したら全体がずれこむので困るわけだ。

 

麻呂を気にしつつも

ランチをして帰宅した。

インターを下りたら雨だった。

自宅近くは相当降ったらしかった。

裏口が10センチ開いていた。

麻呂~!

呼んでも出てこない。

一時期雷雨だったはず。

彼は雷が大嫌いで雨になりそうだと落ち着かないほど。

階段を駆け上がりふるえていることがあるが、

どこにも居ない。

 

車にひかれたかもしれないと、

少し覚悟しながら探しに出る。

山道を探してから反対側の道路の歩道へ。

100メーター先に白黒の小さな物体を見つけた。

「居た!」

「麻呂~ぉ!」と呼ぶと

気づいてトコトコっと歩いてくるが、

あまり喜んでいる雰囲気はない。

立ち止まったまま呼ぶと、

方向を変えて道路の真ん中に飛び出した。

両方向から車がやって来るのが見えたが、

道路のセンターラインの上で捕まえて

抱きかかえた。

大変なことになるところだった。

雨で濡れている彼に

ごめんね、おうち帰ろうと何度も声を掛けた。

出かける前はあれほど甘えていたのに

「無表情」な彼は

私に背中を向けて外を見ている。

おいてけぼりの後の雷雨で

心が傷つきすねてしまった。

ずぶ濡れの彼をタオルで拭きながら

はっとした。

昨年亡くなられた前川さんの命日だ。

麻呂が我が家に来たのは前川さんのおかげ。

「麻呂ちゃん元気?」と

生前よく聞いて下さったものだ。

前川さんに彼の命を救ってもらったのかもしれない。

「ありがとうございました。」と言えば

前川さんの柔らかなほほえみを

ありありと思い出してこみ上げた。

ご法事には歌いに参りますと約束した。

 

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3 コメント

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新屋劇場 (前田誠子)
2017-07-14 09:21:42
目の手術を無事になさった裏には
このような出来事があったのですね。

いつも事あるごとに
😍💓ハラハラドキドキ。
「新屋劇場」と名付けさせていただきました。

これからも楽しい「新屋劇場」をお続けください。
楽しんだもの勝ち (にいや)
2017-07-14 10:16:59
毎度ご愛読頂きありがとうございます。
そしてバタバタにお付き合い下さり
バタバタし甲斐がございます。

日常は笑えないことも多く
見たり聞いたり感じたりすることは
ため息が出るようなことばかりです。

けれど、どんなことの中にも感動があるはずで
できれば笑い飛ばしたり、
好意的に解釈しようと思います。

それが人としては上等ではなかろうかと、
思っているのでございます。

「新屋劇場」と命名ありがとうございます。
案外地味な日常、そして地味なキャラなのでありますが、
引き続き小さな事件をみつけながら書きなぐっていきます。
楽しんで頂けますように。
毎回楽しみ (前田誠子)
2017-07-14 21:04:16
これからも「新屋劇場」から
目が離せませんね。
期待しています。

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