キネカ大森では、この二本立てを[幸せな生・満足な死]というキャッチフレーズでくくっていました。
『木漏れ日の家で』は、撮影時91歳になるダヌタ・シャフラルスカ演じるアニェラと、同居する愛犬のフィラデルフィアがスクリーンの8割以上を占めるモノクロ作品
もうひとつの主役は、彼女が暮らしている家でしょうか。
アニェラは冒頭部分で交通量の多い街にあるクリニックへ出掛ける以外、ワルシャワ郊外に建つ緑に囲まれたこの家で多くの時間を過ごし、双眼鏡で近所の様子を見ながら、愛犬フィラと雑談をして一日を過ごします。
彼女のほとんどの台詞が、独り言か愛犬との会話で成り立っているせいでしょうか、映画の中ではゆっくりと時間が過ぎていきます。
彼女は残された時間をどう過ごすか、両親が遺してくれたこの家の権利を誰に譲るかを、一人芝居で演じています。
ボクはこの映画がどこへ向かっているのか、それに気づくまで多くの時間を割きました。
なので、観る人によっては退屈に感じるかも知れません。
それを感じさせないのが、古いガラス越しに撮影された二重に映るキャラクターたちや小物、そして静寂を破る突然の電話のベル。
この家の権利を目論む息子、金持ちの隣人、それに対して自分の死後に家をこのままで使うという条件で孫娘に譲ろうと考えたアニェラ。
全てに失望した彼女、結末は意外な方向で解決します。
『ジュリエットからの手紙』は、『マンマ・ミーア!』でキュートな娘役ソフィーを演じたアマンダ・セルフライドが主演を務める。。。まてよ、マンマ~でもお母さん(メリル・ストリープ)がある意味主役だったことを考えると、ジュリエット~も、50年前にジュリエットに手紙を書いた女性クレアがある意味主役といえるかも。
「ロミオとジュリエット」で有名なジュリエットの生家がイタリア・ヴェローナにあり、永遠の愛を貫いた彼女宛に、今でも年間5000通もの恋の悩みを打ち明ける手紙が届くとか。
そんな<ジュリエット・レター>一通ずつに“ジュリエットの秘書”と呼ばれる女性たちが、全てに返信をしているそうです。
そこへ婚約者と婚前旅行に来たソフィ(わお、ここでも彼女はソフィか~)。
NYにイタ飯屋を開店間近な婚約者は、彼女そっちのけでチーズやワイン、食材や新しい料理に興味津々。
暇を持て余した彼女は、ジュリエットの生家の壁に貼り付けられたジュリエット・レターを回収している女性を発見。
後をつけて行くと、ジュリエットの秘書たちがまさに返信を書いている部屋に到着。
時間がある彼女は、流れでその秘書をやることに(スタッフはイタリア語が堪能だけど、英語が堪能なスタッフを丁度募集中でした)。
そんな中、イギリスに住むクレアという女性が、50年前に書いた手紙が壁から出てきて、その返信をソフィが書いたら、数日後、その手紙に感動したクレアと、それを快く思わない孫のチャーリーが来日。
そのクレアの恋のお相手“ロレンツォ・バルトリーニ”を、今この土地にいるのか、生きているのかさえも分からず、名前だけを頼りにクレアとソフィ、チャーリーの凸凹トリオ三人で探しに行くという、終わりの見えない旅をする物語です。
真実の相手がどの男性か、分からないところもマンマ~に似てますね
作品終盤に登場する髭の紳士フランコ・ネロは、クレア役のヴァネッサ・レッドグレイヴと実の夫婦。
この二人の出演しているシーンは、とてもいぃ~味出てまっせ
作品としては、木漏れ日~⇒ジュリエット~の順に観たので、テンポよく進んだ感があります。
中盤あたりがダブついてるので、このあたりの無駄なシーンをカットすれば、もっとテンポがよく進むかな?
生意気言ってスイマセ~ン