リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

漁が始まっている

2006-05-07 20:46:58 | サツキマス研究会/長良川調査会
今年のサツキマス漁はいつ始まるのか。
それは、毎年この季節になるとボクの最大の関心事となる。五月、まさにサツキの季節だが、ボクの時間割はサツキマス漁によって動き始めるからだ。

 サツキマス漁は、時期が来たから始まるというものでない。また、そのときにすぐに始められるというものでもない。
その前に漁師さんには、過酷な労働が待っている。河床のゴミ掃除である。
長良川の河口から38kmの漁場には上流から様々なものが流れてくる。それは、空き缶1ヶであっても、網が引っかかるとサツキマスはたちまち逃げる。
 大きなものは100kgを超えるような切り株が、河床の埋まっている。そんなものを、船上からノコギリで挽き、船上に持ち上げ、岸まで運ぶのだ。
 掃除の終盤には、試験的に網を流す。どこか、不具合がないのか、その場所を見るためだが、そのときにもサツキマスは掛かる。でも、漁師さんはそんなマスの漁獲を漁の開始とはしていなかった。

 彼らはサツキマス漁の漁師なのだった。
1本、2本のマスで生計を立てているわけではない、ボクが現認した限りでも、一月弱の漁期で1000匹近くを採補する、長良の大漁師だった。

ただ、ここ2,3年というもの、一番最初の漁に立ち会うという、幸運な時に出会えないでいる。つまり、漁師さんが今日から漁をすると宣言して(といってもボクに対してだが)それから最初にサツキマスを採る瞬間に会えない、ということだ。

 いつから漁が始まるのか、毎晩電話して聞くのはつらいものだ。もし、漁があれば、真っ先に電話をくれる。そういった関係を続けてきた。
こちらから電話するでね。そう聞いて、待っていたが、待ちかねて、電話をした。5月4日のことである。

どうですか、とボク。

もう。マスが捕れて、捕れてまってしようがありません。 大橋亮一さんがいった。

そんな、具合ですか。 あー。今年もだめなんだなぁ。たぶんそう感じたボクの気持ちが伝わってしまったようで。亮一さんが言った。

毎日(漁に)でとるよ。こまいのがちょこちょこ揚がっとる。まー、今日は仕舞いだで…。

時間は午後8時。この時間に漁を終えると言うことは、捕れていないということでもあった。

とりあえず、明日 伺います。 そう言ってボクは電話を切った。


 翌、5月5日。
夜の漁場に向かった。午後8時を過ぎ、船着き場に二人の姿は無かった。

今日は漁があったのかもしれない。しばらくして、下流から明かりが上ってきた。ボクは船に乗せてもらおうと、カメラやらの用意をして待つことにした。

 あんたも、熱心やなぁ。暗闇から声がして二人が帰ってきた。
 あかん、今日はおしまい。

 夕方、3回流して、1匹だけだという。

 ニイムラさんに持たせてやれ、大橋修さんがそう言った。

 今年、5匹目のサツキマス。そして、一番大きなマスだと、修さんは言った。
 
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3 コメント

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揖斐川でサツキ豊漁 (木曽三川奉行)
2006-05-08 02:16:44
長良川におけるサツキマスの遡上データーは、3年前に体験的調査で激減していることが報告されている(アングラー調べ)しかも、長良川に遡上するサツキマスの内、70%が身が白く小形で海に下っていないことも報告されている。翻って揖斐川には支線の根尾川を含め、大量なマスが上っている。アングラーがとっくに長良川のマスを諦めているその現実を知るべし。長良川の漁師さんには悪いが、サツキマスは人間のロマンでは行動しないのが現実。
Unknown (koko)
2007-01-06 15:07:46
とても面白い記事ですね

サツキマス2007 (ニイムラ)
2007-01-07 20:26:57
 昨年は、漁の後半に琵琶湖の仕事が入って長良川について十分なフォローが出来ませんでした。
 申し訳ありません。
 今年は、長良川に注力するつもりです。

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 お世話になっているリバーサバイバル研究所のニイムラさんがサツキマス漁の記事を書