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太刀 古波平 Ko-Naminohira Tachi

2017-07-14 | 太刀
太刀 古波平


太刀 古波平

 鎌倉時代初期の、生ぶのままの波平鍛冶の太刀。綺麗に揃った杢目交じりの板目肌で、地鉄の本質にねっとりとした感があり、刃文も匂口が潤んで柔軟な鋼の様子を映し出している。これが波平派の古作の作だ。薩摩の古鍛冶は大和鍛冶の流れを汲んでいる。とはいえ、素材そのものは大和鍛冶とは異なる九州産を用いているのであろう、ここに波平派の特質がある。にもかかわらず、これを、田舎臭いと評する方がいるのは嘆かわしい。とある刀剣鑑定の書籍には、他の地方刀工についても似たような表現がされているのだが、「波平が都を遠く離れた僻地であることから…傑出した作者も出ず…平凡な一定化した大和伝系の伝法の一流派にすぎません。…どこか垢ぬけしない物足りなさを覚えるものです」と記している。絶句するひどい評価のしようだが、こんな説明で読者は理解し納得しているのだろうか。このような書き方は、この本の著者だけでなく、また他の刀工集団についても、度々述べているように、初代が最も優れていて、あとは品位が劣る、出来が悪い、力がない等々、比較評価するに値しない言葉の羅列でそれぞれを説明しようとしている。書籍を利用することは簡単だが、現物を手に取って鑑賞していただきたい。自ずと初、二代の違いが明確になり、自分の好みが何であるのかが判ってくる。他人の評価に自分の好みを合わせる必要はない。刀剣研究家は、多くの人に影響を与える立場にあるのだから、判断を誤りかねない説明をするべきではない。特に初心者に向けては。
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