日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI    刀剣女子のためにも

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

太刀 波平安久 Yasuhisa Tachi

2017-07-18 | 太刀
太刀 波平安久


太刀 波平安久

 南北朝後期の波平安久の、時代観が良く現れている太刀。茎の身幅が広く、焼幅が鋒まで均一であることから研ぎ減りを考慮すると、元先の身幅が広く反りの深い太刀であったことが判る。鎌倉時代に大和鍛冶からの影響を受けたことにより地鉄に大和風の板目流れの肌合いが強く現れるようになる。鎌倉初期の地鉄とは趣も違ってくる。それでも、綾杉風に揺れる肌合いを含んでおり、ちょっと面白い。もちろん波平鍛冶の本質でもあるねっとりとした質感は残されている。

 『刀剣美術』の726号で、鎌倉時代後期から南北朝時代後期までの時代による太刀の姿の変遷に関して、定例鑑賞会で詳しい説明が為されたことが記されていた。筆者を含めて多くの方々は、わずか数十年の間であっても、微妙に造り込みが変化して行くその過程を、現物を見ながら詳しく比較する機会がない。そのようなこの鑑賞会は頗る有意義であったと思う。今後も、各時代について、また、中央と薩摩のような遠隔地など、地域による違いもあろうかと思うので、それらを詳細に比較し、目で見てわかるように提示していただけるとありがたい。山城刀工と、備前刀工という地域の違いすら存在するわけだから、全国すべての刀工がいっせいに姿格好を変化させたはずがないのだ。また、戦法の変化による微妙な変化が、あるいは刀工群を抱えていた為政者の動向がどのように刀を変化させたのかという点も面白いテーマだと思う。公益財団法人日本美術刀剣保存協会が新たな場所に移り、今後、研究などに関しても多方面へと目を向け、変わってゆくだろうと、大きな期待を寄せているところである。
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