日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

脇差 平安城國次 Kunitsugu Wakizashi

2016-10-05 | 脇差
脇差 平安城國次


脇差 平安城國次

平安城國次は國路の高弟。師に紛れる作品を遺している。この脇差は一尺四寸強の反りの深い作で、重ね厚くがっしりとした、慶長から寛永頃に流行した造込み。地鉄は特に細かに詰んで地沸が付き、子細に観察すると、流れるような肌合いが感じられ、國路一門の高い技術力が良く分かる。刃文は互の目。大きく小さく浅くと抑揚があり、帽子は美濃物を思わせる地蔵風弥乱、先わずかに掃き掛けを伴って返る。焼刃は粒子の揃った小沸を主体とし、適度に匂が付き、刃中にほつれ掛かり、それが砂流しとなって互の目の足に流れ掛かる。姿に武骨と言い得る力があり、対して刃中には穏やかな力が感じられる作となっている。






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