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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

ご近所の底力

2008-07-10 10:00:07 | Weblog
 夫の休日を利用して婆婆家の荷物の整理をすることにした。
早くやらなければと焦りながらつい先延ばししていた重要懸案事項である。

 婆婆の愛用品のいくつかは義妹や孫たちが既に持ち帰っている。
大型家電・家具は欲しいという人たちに差し上げたし、美術・歴史・文学全集等は然るべきところに寄贈した。
しかしまだまだ処理しきれないモノが溢れている。
何から手をつけたらよいか全くわからない。

 私たちの様子が気になるのか、ご近所のおばちゃんが覗きにきた。
夫が
「今から母の荷物を片付けるところです。がらくたばかりですがまだ使えるものもあります。もしよろしかったら何でも持っていって結構ですよ。」
と声をかけたところ.......
あっという間に7・8人のご近所の方々が集まった。
そしてその後、信じられない光景が繰り広げられた。

 食器や布団や座布団、爺爺の描いた水彩画、二人の写真、こけしや三春駒のような民芸品、流行遅れの靴・草履・バッグ、使い残しの洗剤類、古着や使い古しのシーツやタオル類、下着が入ったままの衣装ケースにいたるまであっという間になくなった。
あっ!嘘?そんなモノまで?

 おばちゃんたちは...私が嫁に来たときから既におばちゃんだった。
皆もう相当な年齢で、今から荷物を増やすよりは減らす生活を心がけるべきではないかと思ったが、群集心理というのは、ゴミの山も宝の山に錯覚させるだけの力があるから恐ろしい。
後で我に返って返品に来ても絶対に受けつけないからね!!

 それにしてもおばちゃんたちのパワーは凄い。
呆然と立ちつくす私たちを尻目に、すべての棚という棚から荷物を引っ張り出し、箱という箱をひっくり返し、価値のあるものとないものを瞬時に分別する。
そして最後は猛然と、自治会の廃品回収に出す袋とゴミの日に出す袋の山を築いていった。
おばちゃんたちはゴミの鑑定と整理と掃除を同時進行で成し遂げてくれたのである。

 おじちゃんが(いつの間にかおじちゃんも二人いた)
「家の鍵、オレさ預けてけたら全部処分してけっから。」
と言ってくれたので喜んで預けることにした。
「神棚も神社で納めてきてけるし、庭木のこともしんぺぇすんな!」
感謝感激で言葉も出ない。
 
 私たち夫婦は何もしなかった。
ただご近所の底力に圧倒されていただけである。



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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
よかったですね! (ゆっかりん)
2008-07-10 19:59:29
ご近所の底力、私も体験した一人です。
農家だった実家の父が亡くなった後、家の処分をする時、たくさん持っていってもらいました。
当時は、まだ温暖化とか、ダイオキシンとか、消防署もうるさくなかったので、どんどん燃やす事ができて・・・。

でも、これからの家の中の処分って、最近じゃゴミはお金がかかることだから、中々難しくなる一方ですよねー。

きっと、婆婆様宅の処分がすんなりいったのは、生前婆婆様が、ご近所の付き合いを上手にしていたおかげですよねー。
そして、nihaoさん夫婦が、物よりも心を大事にする大人だからですねー。

私は今頃になって、父の家で見つけた石臼を投げた事、少し後悔してます。ぐすっ。

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ゆっかりんさんへ (nihao)
2008-07-10 20:22:20
ゆっかりんさん、嬉しいことを言ってくださってありがとうございます。
皆さんが一生懸命やってくださったのは婆婆の人徳とは、身内の私からはちょっと言えなかったわ。

ところで「石臼を投げる」って、「石臼を捨てる」ことでしょう?
いやあ!懐かしい方言。
私は北海道出身だから、「ゴミを投げる」は常識だけれど、ずいぶんみんなにヘンな顔をされました。
それにしても「石臼を投げる」というのは.....なんと物騒なと感じる人がたくさんいそうですね。
まさかゆっかりんさんも北海道出身?
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Unknown (HUZU)
2008-07-11 08:06:01
婆婆の使ってたものが叉再利用できる人が見つかって
好かったですね。昔の人は何でももったいないと言って有効に活用してくれますものね。そういうご近所付き合いが出来たのでしょうね。助かって何よりだと思います。
ただし、鍵を預けるのはちょっと疑問かな?やっぱり他人は他人って気がしますが・・・
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HUZUさんへ (nihao)
2008-07-11 09:38:57
少し整理して掃除して帰ってこようと思っていただけでしたが、ご近所の方々のおかげで、これからの作業がかなり楽になりました。
婆婆の品を再利用して貰えるのは本当にありがたい。
使い古しのシーツやタオルは雑巾にして、学校や介護施設などに寄付するそうです。
大切なものは何もなくなったので鍵を預けました。
私は全然心配していないんだけれど......。
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ごくろうさまです (京こまめ)
2008-07-11 13:32:32
近頃、近所の人が様子を見に来るなんてこと
ありませんよね。ご近所付き合いが円滑でなによりです。なんだかほのぼのしますね。
おばちゃんパワーもすごいもので何人も集まれば
それはそれは怖いものなしですね。それも微笑ましい光景です。(違う?)
とにかくうまく片付いてよかったですね!
はは・・おじいちゃんの方は大丈夫かな~~
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後始末 でいいのかな? (umi)
2008-07-11 16:02:30
亡くなった人の生活してた物をかたずける事を
近所の方たちがそういう風にしてくれたら捨てるより
いいですよね
妹の舅が先日亡くなってやはり生活してたいろんな物を
妹がかたずけないとって話てました
近所に声かけて来た人に好きな物どうぞ~で上げるのも
中には喜ぶ人もいるでしょから教えてあげようかな
男(舅)では良い物無いかな

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こまめさんへ (nihao)
2008-07-11 17:15:12
ほのぼのとかほほえましいとか、そんな感じではなかったですね。
家中が無料のフリマという活気溢れる戦場?
がらくたしかなかったんだけれど、なぜか燃えていたおばちゃんたちでした。
気がついたことは、食器と着物が案外人気がない。
確かに、食器は人数分あれば充分だし、着物なんかあまり着ることないし....。
世相を反映していますよね。
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umiさんへ (nihao)
2008-07-11 17:33:58
人間には、人がいらなくなったモノに興味を持つ人がたくさんいます。
私たちがフリマやリサイクルショップに関心を持つのは、安いからだけの理由ではないと思います。
使い古しのモノには、どこか懐かしい郷愁のようなものがありますよね。
だから.....妹さんのお舅さんの遺品もきっと喜んでもらえると思いますよ。
嫁さんとご近所の方の感覚では、絶対に温度差ありますから。
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Unknown (HUZU)
2008-07-11 19:37:28
余計な心配してしまいました。こちらの地域では考えられない事だったので、大丈夫かな?と思いましたが大事な物も何も無くなった空き家は心配する事ないですものね(^^)
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HUZUさんへ (nihao)
2008-07-11 20:57:04
そう、そう!
おかげさまでもうゴミしかありません。
近日中に廃品回収があるって言っていたし、地域活動に熱心なご近所様にとっては、婆婆の家は資源ゴミの山なんですよ。
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