さて、これは何でしょう。
我が家の老犬ももちゃんの背中?
それとも迷子の子ダヌキが、化けそこなったぶんぶく茶釜?
いいえ、これはシャプカというロシアの毛皮の帽子です。
このあまりにも有名な民族衣装も、厳寒の地ロシアでは、最近は人気薄だと聞いています。
何の毛皮かは分かりませんが、毛並みも毛艶も大変きれい。
ロシアを旅行した知人からのお土産ですが、このままかぶるには勇気がいります。
なんとか生かして使う方法はないだろうか?
つぶしてみたり、ひっくり返したり、じっとにらみ続けて考えること30分。
ついにgood・ideaが浮かびました。
変身しました。バッグです。
横につぶして市販の持ち手をつけただけなので、制作時間は10分です。
けっこう可愛らしくおしゃれな仕上がりで、我が手作り史の中でも、独創性と意外性と安直性にかけて、この作品の右に出るものはありません。
さっそくこのバッグを持ってお出かけしました。
行き先は、あえてカバン屋さんに直行です。
店内に並んでいる、どのファーバッグよりもいい感じ。
.....勝った!..... じわじわと満足感が滲み出てきます。
それもその筈。広大なロシアの野山を駆け回っていたホンモノの獣の毛皮であることは確かですから、強烈な存在感がただよいます。
店員さんが、私の隣にスーッと寄ってきたのでどきどきしました。
「奥様、ステキなバッグをお持ちですね。とてもいい毛皮ですね。」
と声をかけてきたのでビックリ!
プロの方からも誉めていただいたので、これで自信を持って愛用できます。
「これは何の毛皮でしょうか?」と尋ねたところ
「それは当然ミンクですよ!」
う~ん、この店員さんは勉強不足かもしれません。
思わず種明かしをしたくなりましたが我慢、我慢。
真冬限定のバッグなので、この時期せっせと使わなければなりません。
でも実はこのバッグ、ぶ厚い上に容量が少なく、モノが入らないのが欠点です。
頂きものの(韓国製なんちゃってプラダ)のお財布を無理矢理押し込んだら、後はキーホルダーぐらいしか入りません。
よってハンカチ・チリ紙・老眼鏡すら持つことあたわず、携帯電話は不携帯となり、不便この上ないのです。
でも寒い時には、帽子に戻ることもできるのですが.......。
私の手作り史に完璧という文字は、残念ながら常にありません。
専門店の店員さんをも感心するほどの出来栄えだったのですね!いいなぁー。
実は、私、前に祖母が亡くなった後で、叔母さんから、祖母の形見のべっちんの黒のショールを何か使える物に変えてと頼まれたのです。
でも、べっちんの布の扱いを知らなかった為に、ショルダーバックにする事に失敗してしまって、今だに渡せないでいます。
叔母さんが何も言わないのをいい事にこのまま、闇に葬ってしまいたい暗い私の過去であります。
さすがだねぇ・・・。
毛並みを一定方向にしなければならないし、縫い直しがきかないし、細心の注意が必要なんですよ。
かく言う私も、4枚はぎフレアースカートをべっちんで作って大失敗したことがあります。
でも失敗することは大切なことです。
ゆっかりんさん、もし叔母さまがショールのことを思い出されたら、ショルダーバッグのサイズを縮小して、ポーチに変身させてみたらどうでしょうか。
それがだめなら眼鏡ケースとか。
あらっ?どんどん小さくなってしまう。
手作りの作品を、世界にたったひとつの『マイブランド』と胸をはって愛用出来るならいいのですが、私は、いまだかって満点の仕事をしたことがありません。いつも帯に短し襷に長し........。
マイブランドより、高級ブランドのバッグが欲しい!