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北京での熟年留学を目指すnihaoのフレッシュ搾りたてブログ

東北六魂祭 in 盛岡

2012-05-28 13:30:00 | Weblog
              


 盛岡駅から市内中心部に行くためには必ず通らなければならない『開運橋』
この橋は別名「二度泣き橋」とも呼ばれている。
首都圏からの転勤族が、初めて盛岡へ訪れ開運橋を渡る際「遠く離れた所まで来てしまった」と泣き、転勤期間を終えて盛岡を去る時再びこの橋の上で、離れるのが辛くて泣くという。
今日は泣いている人は一人もいない。 みんなにこにこ笑顔、笑顔。


 5月26・27日、盛岡市中央通りにおいて【東北六魂祭(とうほくろっこんさい)】が開催された。
東北六魂祭は、東北6県の各県庁所在地の代表的な6つの夏祭りを一同に集めた祭りで、2011年3月11日に発生した東日本大震災の鎮魂と復興を願って、昨年宮城県仙台市で初開催された。
第二回の盛岡開催は、好天に恵まれ約24万人の人手で賑わった。




       『青森ねぶた祭り』               『福島わらじ祭り

              

        『秋田竿灯祭り』             『盛岡さんさ踊り』



 東北の六大祭りとは『青森ねぶた祭り』『秋田竿灯(かんとう)祭り』『山形花笠祭り』『仙台七夕祭り』『福島わらじ祭り』『盛岡さんさ踊り

 昨年の仙台開催は、収容力を遙かに超える見物人が押し寄せ大変な騒ぎになり警備の不備が露呈した。
安全を考慮して一部イベントが中止になったりしたので、今回の盛岡開催の成功が『東北六魂祭』継続の鍵となる筈だ。


 それにしても六県を代表する祭りが一堂に会するとは、なんともゴージャスなイベントではないか!
いくら近隣の地域に住んでいても、これら全部の祭りを見に行くのはなかなか難しい。
物見高いウチのオットーは「これを見逃す手はない!」と、一ヶ月も前からそわそわしていた。
しかしオットーが熱くなるとなぜか冷え始めるnihao。
私は混雑している場所が大の苦手なので、今回は留守番をしていると言ったのだが、オットーは全然聞き入れてくれない。
数日前から「行く!」「行かない!」で険悪な雰囲気になっていた。
オットーは夫唱婦随を当然のことと捉えているが、私にだって譲ることの出来ない夫唱不随(夫が唱えても随わない)の信念がある。

 「あのね、トルストイの『戦争と平和』をダイジェスト版で読んで、登場人物の名前や歴史や内容を覚えても、ダイジェスト版はダイジェスト版でしかないのよ!
たとえ何度読んだって本物を読んだことにはならないし、絶対に自慢はできないでしょ?
東北六魂祭も、いわば東北の祭りのダイジェスト版みたいなもの。
ねぶたの山車をひとつだけ見たからと言って、本物の『ねぶた祭り』を見たことになる?ならないでしょ?!
私は行かない。ダイジェストではなく、いつか本当のお祭りの方に連れて行って!!」

 考え抜いた屁理屈を並べて居残りを主張したが

おまえ、何言ってるの? 馬ッ鹿じゃないの?

 即座に否定され無視された。
おそらく私の反論はレベルが高すぎて(?)理解されなかった。
行きたくなかった訳ではない。すごく面倒だっただけなのだが...
今回も賢い妻の方が身を引いた。私はいつも負けている。

 
 お祭は、仙台での反省をふまえ、過去最大規模の警戒態勢の中で開催されたので大きなトラブルはなかった。
各県の出演者たちに寄せる沿道の観客たちの応援や声援の温かさが感動的だった。

 まだ私は『福島わらじ祭り』と『山形花笠祭り』を見たことがない。
ダイジェスト版ではなく本編の方をぜひ見に行こうと思った。









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ランドルト環

2012-05-22 14:00:00 | Weblog
 昨日は、太平洋側を中心とした広範囲の地域で金環日食が見られるというので、朝からお祭騒ぎだった。
岩手は部分日食だったが晴れていたので、はっきりと観察できた。

 世紀の天体ショーを見るために、私も日食グラスを求めてあちこち走り回った。
ホームセンター、文房具店、薬局、ローソン、ファミリーマート。
セブンイレブンで、幸運にも最後の1個(500円)のグラスを手にした。

 子どもの頃は、黒い下敷きや墨を塗り付けたガラス板で皆既日食の観察をした。
目が潰れた人がいたなどという話は聞いたことがなかったが、今は絶対に専用日食グラスを使用しなければ駄目だという。
他のコンビニでは扱っていなかったから、セブンイレブンはいち早くこの日食ビジネスに参画していたのだろう。かなりの慧眼だと思った。


 全国各地からの金環日食や部分日食の映像を見ているうちに、私の頭の中に突如浮かんだイメージ画像がある。
 これだ↓


                 

                    『ランドルト環』


 これはフランスの眼科医ランドルト先生が考案した視力検査のための視標だ。
輪っかの空いている方向を上下左右で答えてください
誰もがお世話になったことがあるお馴染みのデザインだ。
この図、大小さまざまな部分日食が並んでいるように見えないか?
実はこの『ランドルト環』には、忘れられない体験をさせてもらった。
言うまでもなく超恥ずかしい思い出だ。

 
 前々回の運転免許の更新の時の話だから、私は今よりも確実に若く、もっと溌剌としていた。
それでも初老まっしぐらの身には、視力検査とか聴力検査とか、あと...最重要課題である免許証の「写真写り」とかの心配事項があるので、無意識のうちに緊張していたかもしれない。

 視力検査は機械のレンズの奥を覗き込んで答える方式。
もちろん何度もやったことがあるし、不安感など何もなかった。

 ところが係官は、何の説明もないままに、いきなり「さて、これは?」と質問してきた。
そしてなぜかこの質問が、ワンダーゾーン突入へのスイッチとなった。
もしこの時「さて、これはどっち?」と問われていたら、普通に答えることが出来たかもしれない。
いや、誰からも共感されないことは分かっている。
自分でもどうしてこうなってしまうのか全然分からないのだもの。

 とにかく私は、一体どのような答を要求されているのか、係官の意図が理解出来なかった。
すると突然私のボス(大脳)が「アルファベットを読み込め!」と命令してきたのだ。
そうだったのか。私は迷うことなく「しー(C)です。」と答えた。

 係官は不思議そうな顔をしたものの黙って次の問題を提示してきた。
上の方が少し空いている。ちょっと不自然な形ではあるがこれしかない。
ゆー(U)です。

 次の問題は下の方が空いている。
えっ、そんなアルファベットはない! 何だこれは?

 普通ならここで、何かおかしいと気がついてもよいはずなのだが、私のボスは絶対に立ち止まることはしない。
もっと知恵を働かせろ!突撃!」と命令してきた。
だから必死で考えて答えた。
ゆー(U)が逆さまになりました。

 ここで初めて異常事態に気がついた係官。大笑いしながら
あのね、アルファベットを読む検査ではないからね。空いているのはどっち?

 私の後ろで順番を待っていた人たちも爆笑した。
どんだけアホなおばさんだと思われたことだろう。
恥ずかしくて恥ずかしくて消えてしまいたかった。
せめてわざと呆けて受けを狙った行為だったと勘違いしてほしい...

 世紀の金環日食を眺めながら、こんなに悲しいことを思い出してしまった。
これが本当のことであるとは、自分でも信じたくない。

 





 
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不思議マダムX

2012-05-10 21:01:00 | Weblog

             

              ローズマリー&バジル


 ♪Are you going to Scarborough Fair?
  Parsley, sage, rosemary and thyme♪

 サイモン&ガーファンクル『スカボロー・フェア』の有名すぎる冒頭部分。
歌詞の中では呪文のように何度も「パセリ・セージ・ローズマリー・タイム」と繰り返される。
ハーブ栽培初心者にとっては、実にありがたい指南書のような歌だ。
私もこの春、これらのハーブにバジルを加えた五種類の苗を買ってきた。
パセリとセージとタイムは裏庭に植えた。早く大きくなるといいな...


             ★  ★  ★


 今日はご近所に住む不思議マダムXのお話。
10年来のおつきあいだが話をしたことはまだない。
年齢どころか名前も知らないのでマダムXと呼ぶことにする。
私と同世代の娘さんと二人で暮らしているので、80歳は優に超えていると思う。

 マダムXを年齢不詳にさせているのはそのファッションだ。
一般の80代女性とは異なるセンスなので「お洒落なマダムね」と評する人もいないではない。

 編み込みセーターにチェックのスカート、黒のベレー帽に黒のロングコート。
確かに独特の雰囲気を醸し出してはいるが、衣類はすべてものすごく古い。
私の目には、昔のワードローブ(持ち衣装)だけで着回ししている「時間の止まったお婆さん」のように映る。
あるいは生活感のない「老女流詩人」。または「魔女」のイメージだ。
でもなぜか気になる不思議マダムなので、自分のことしか興味のないあのオットーですら密かに関心を持っているみたいなのだ。

 不思議マダムXは、毎日決まった時間にバスに乗ってどこかに出かけ、決まった時間に帰ってくる。
タクシーに乗って帰って来ることも時々ある。
きっと彼女はパチンコが大好きで、儲かった日だけタクシーに乗って帰ってくるのだろうと想像していた。
しかし先日マダムXの娘さんと立ち話をする機会があり、聞き出さずして真実を知ることになった。
ウチのお婆さん、ちょっと変わっているんですよ。

 なんとマダムXは某バーガーショップに日参し、ひとり静かにコーヒーを飲みハンバーガーを頂きながら数時間を過ごすことを無上の喜びとしているという。
しかもその習慣がすでに20年...えっ、20年! 俄には信じられない話だった。

 来る人去る人のあわただしいカフェで、おそらくマダムXは、ひとり異彩を放つ有名人であろう。
しかし謎の女として目立っていても、彼女に話しかける人がいるとは思えない。

 なぜ彼女は、カフェという現代の冷たく孤独な空間に自分の居場所を見いだしたのか?
そこで何を見聞きし何を感じながら膨大な時間を積み重ねてきたのか?

 きっと彼女が自分らしく生きるためには、カフェの空間が必要だったのだろう。
私のような凡人には、彼女の心境は理解できないけれど、もしかしたら彼女は、ひとりの時間を楽しむ孤独力というものを備えた成熟した女性なのかもしれない。

 毎日我が家の前を飄々と歩いてバス停に向かうマダムX。
パチンコではなくカフェ通いと知ってからは、すごくかっこよく見える。

 この話をオットーにしたら「まさか!」と言ったきり絶句した。
その後例のバーガーショップの傍を通った時
おい!本当にあの婆さんがいるかどうか確かめてきてくれ!
と突然真顔で頼まれた。

 もちろん私も興味があったので、バーガーショップの扉を開け二階への階段を上がって彼女を捜した。
いた! マダムXは本当にいた。
ひとり窓側の席に座り、行儀よく背筋を伸ばしてコーヒーを飲みながらじっと戸外の景色を眺めていた。
その彼女の少し緊張しているかのような後ろ姿が、とても若々しくて美しいと思った。


 



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素晴らしき発酵食品!

2012-04-19 12:30:00 | グルメ
 もうかなり前のことになるが『カスピ海ヨーグルト』なるものが一大センセーションを巻き起こした。
これは、牛乳にヨーグルトの一部を溶かし数時間放置するだけでヨーグルトが簡単に出来上がるという画期的な発酵食品だった。
かなり粘り気の強いヨーグルトだったが、食べ慣れると美味しかった。
何よりも自宅でお手製のフレッシュヨーグルトを毎日頂けるのが嬉しかった。

 種菌を絶やさぬためには毎日作り続けなければならない。
私もせっせとヨーグルト作りに明け暮れていたが、作るのにも食べるのにも追われて段々面倒になってきて止めた。


 そして現在、【塩麹】が空前の大ブームである。
いつの世も発酵食品の人気は変わらない。


 テレビ好きの私なのに、塩麹関連の番組を見たことがなく、ブログ仲間の【すずめさん】【ギズモ。さん】【ポケッと女房さん】たちの記事に触発され、遅蒔きながら塩麹作りに挑戦した次第。
塩麹の作り方はギズモ。さんの記事を参考にした。
室温が低くて発酵しないのではという懸念があったが、コタツホースを利用したらうまくいった。

 塩麹は最強の万能調味料との評判が高い。
食品の保存期間を延ばしたり、酵素の力で固い肉を柔らかくしたり、ビタミンや乳酸菌が豊富なので美肌、整腸、老化防止の効果があると言われている。
なおかつ食品内のグルタミン酸が増量するので、塩麹で作った料理は突然魔法がかかったように美味しくなるのだ。
私もその威力に驚きとりこになったひとりだ。

          

        

 写真上は「三平汁」「アスパラ炒め」
写真下は「卵とトマトの炒め物」「あさりと菜の花のパスタ」
塩のかわりに塩麹を使う。化学調味料を加える必要はない。
シンプルな味付けなのだが深い味わいがある。
 
 ふと考える...私は美味しいものに心惹かれる。
それは取りも直さずグルタミン酸が大好物と言うことだ。
故に塩麹が気に入るのは当たり前のことなのである。
第一弾で作った塩麹はもう全部使い切り、現在は第二弾を仕込み中だ。


 そしてさらに私が最近はまっている発酵食品が【小泉流粕床】を使用した粕漬けである。


 粕漬けが好きである。
しかし今までは一年に一度だけ、お歳暮の新巻鮭の半身を粕漬けにしてお正月のご馳走とするだけだった。
でも東京農大の小泉先生のお話を聞いて粕漬けに関する考え方が変わった。
贅沢で特別な調味料と位置づけていた粕床を、これからはもっと普段使いで利用してみようと思った。
ちょっと大変だったが頑張って粕床作りに挑戦した。
小泉先生のお話をヒントにnihao のアレンジも加え、いろいろな食品を漬けてみた。
小泉先生は「霧吹きで焼酎をかけて管理すれば粕床は腐敗しない」と仰っていたが、私はやはりその点がすごく不安だ。
粕床に漬け込むことはせず食品別に粕を塗り付け、粕は一度きりで使い捨てにしている。


          


 左上からウインナーソーセージ。二段目左からはんぺん、筋子、ゆで卵。
三段目左からかまぼこ、アボカド。

 上記の食品は、酒粕の力でどれも本来の味が変化して新しい味の魅力を出している。
特に私のお薦めはアボカドとはんぺん。どうかお試しあれ!
 
 ふくいくとした酒粕の香りをまとった魚介類や野菜を口にすると、思わず「日本人に生まれてよかった」と呟く。
あまり美味しいので最近私は朝からほろ酔い気分なのであ〜る♪






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形見分け

2012-04-02 15:50:00 | マダムH

         

               [抱き人形]


 Mr.H(マダムHのご主人)とお嬢さんと婿殿の三人が、我が家を訪ねてくれた。
マダムHの思い出話で涙、涙にかき暮れるのではないかと不安だったが、ご家族の皆さんは、マダムHの死を乗り越えて明るい表情を取り戻していた。


 お嬢さんは「今年中に絶対に新しい家族を作る!」と張り切っていたし、
結婚当初研修医だった婿殿は、いろいろ悩み考えた末、近年なり手の少ない産婦人科の医師になることを決断した。
Mr.Hは『男子厨房に入ろう会』や『放送大学』に参加したり、カメラを新たな趣味に加えて忙しそうにしていたし
上海在住の長男さんには、もうすぐ待望の赤ちゃんが生まれる。
すべてマダムHが望んでいたように回っている。
もしここにいたらどんなに喜ぶことだろう。


 お嬢さんからマダムHが製作した抱き人形を頂いた。
形見分けに私にも何かひとつ...できれば彼女の作った人形が欲しいと思っていたのでとても嬉しかった。
全長45センチの存在感のある人形だ。


 生前彼女は、忙しい時間をやり繰りして創作人形教室に通っていた時期があった。
人形教室と彼女の取り合わせが意外だったので驚いたのだが、元来が器用でセンスがよいのであっという間に上達した。
彼女は古布や端布の使い方や小物作りが上手で、いつも楽しそうに工夫していた。
幼い子どもたちをモデルにした彼女の【お迎え】は、ふたりにそっくり!
お母さんの愛情を感じさせるほほ笑ましい作品だ。


 私が頂いた人形は今にも泣き出しそうな憂い顔。
悲しみにじっと耐えているかのようだ。
人形の表情は変化しない。この人形がほほ笑むことは絶対にない。
彼女はどうしてこのような顔の人形を作ったのだろう?


 人形の顔ってながめているうちに不思議と制作者の顔に似てくる。
闘病中、決して泣き言など言わなかったマダムHだが、自身の死をおそらく覚悟していたことだろう。
誰もいない病室で、きっとこの人形のような顔をしていろいろなことを考えていたのではないだろうか。

「心配しないで。だいじょうぶよ。何もかもうまくいっているわよ!」

 思わず人形に向かって声をかけていた。


 私も最近は、知らないうちにこのような顔をしていることがよくある。
怒ったり泣いたり呆然としたり...
薔薇と虹と酒とご馳走だけで出来ている人生などないもの。
でもこれからは私の憂鬱や不愉快を、この人形にぶつけてみよう。
もしかしたら全部吸収してくれるのではないだろうかと、虫のよいことを考えている。
マダムHの形見の人形、特別な力があると信じたい。










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震災から1年

2012-03-11 13:05:00 | 東日本大震災
 あの日から一年。
いまだに震災関連の番組が目に入ると、いろいろなことが思い出されて涙が止まらなくなる。
あの日、底深い闇の中で、ふと見上げた空一面に地上の悲劇とは無縁の如く、無数の星が冷たくきらめいていた夜空の景色を、私は決して忘れない。

  この一年、どれだけ多くの人が「あの日の前の日に戻りたい」と叶わぬ願いを抱きながら暮らしてきたことだろう。
もしあの日の前の日に戻れたら...
3・11の大悲劇が発生することを承知の上であの日の前の日に戻れたら...

 大切な肉親との別れを回避することは出来るのか?
 貴重品や思い出の品々を持ち出すことが出来るのか?
 死者や被害の状況を今よりも抑えることが出来るのか?

 いや...人心は混乱し世の中の秩序は狂い、もっと被害は大きくなってしまうだろう。
自然の摂理の現象は人間が操作できるものではない。
私たちに出来ることは、あの日の教訓を噛みしめながら、これからの一日一日を大切に生きていくことだけだ。


 震災以降という言葉がさかんに使われるようになった。
本来は動物をつないでおく綱の意味だそうだが、この一年は、人と人とのつながりを取り戻すための便利な言葉としてクローズアップされてきた。
を築き育て上げることは簡単なことではない。

 最近は、ひとりよりふたりの方が安心と、災害から学んだ震災婚が増えているらしい。
出産率も上昇し産婦人科医院は近年になく混雑しているというから、みんな競って家族のを模索し始めた。
しかしそれとは逆に、夫婦で原発に関する見解が食い違い、育児やライフスタイルの共通理解を得られないまま離婚を余儀なくされる『原発離婚』も増えている。
は実に脆いものであるから要注意だ。

 被災地の復興にとって最大の障害となっているのが瓦礫処理問題。
好意的に受け入れてくれる市町村もあれば、頑迷に拒否する市町村もある。
この狭い国土の日本では、他県の協力なくして復興はありえないのに、すべての人々が揃って温かい手を差し伸べてくれる訳ではない。
なんて絵に描いた餅のようなものである。

 例年我が家のお歳暮は岩手の美味しいリンゴなのだが、ある友人から
「放射能が心配で孫に食べさせられない。岩手のリンゴはいらない。」
と言われた。

 私は「被災地の野菜を買おう!」と謳った生協の運動の主旨に賛同し、一日も早いふる里の農業の再生の実現を願ってきた。
壊滅的な打撃を受けた東北の農業、漁業の復興のためには、全国の消費者の理解と支援が絶対的に必要だ。
しかし「食品は安全な北海道や九州産を選んで買うようにしている」と言う、家族を守るのは自分だけであるという友人の信念もまた強固で揺るぎがない。
自分の暮らしだけを守れば良いのかと反論したい気持ちがないわけではないのだが...
長年の友情のに亀裂が入ることもあるので、原発問題に関しては本音で語ることはとても難しい。




                ★  ★  ★

  盛岡市民文化ホールで開催中の東日本大震災復興支援企画、100歳の詩人として著名な【柴田トヨさん】の詩を、片岡鶴太郎・コシノヒロコ・佐久間良子・日野原重明・菊池雄星等々の各界の著名人が揮毫(きごう...毛筆で文字や絵を書くこと)した『くじけないで』展に出かけてきた。
100歳の詩人の感覚は大変キュートで新鮮だし、参加者の揮毫も素晴らしく見所満載だった。
私のお気に入りの詩はこれ↓ 


 「先生に」

私をおばあちゃんと呼ばないで       
「今日は何曜日?」
「9+9は幾つ?」
そんなバカな質問もしないでほしい

「柴田さん
西条八十の詩は好きですか?
小泉内閣をどう思いますか?」
こんな質問ならうれしいわ 


 柴田トヨさんにとって、認知症は無縁の事柄だと思われる。
以前から私も、似たようなことを子どもたちに言っていたので笑ってしまった。

「私が本当に惚けたかどうかは医師の判断だけで決めないでね。
日本文学史から難問を出して、その回答の結果如何で判断してほしい。」










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鶴見川ウォーカー

2012-03-03 10:00:00 | Weblog

                 

  
 3月の声を聞くと冷気もさすがに鳴りを潜める。
このまま順調に気温が上昇するとは思えないが春はもう目前。
暖かい陽ざしを浴びて水耕の風信子(ヒヤシンス)が一気に開花、ももちゃんドールは春の夢のなかでまどろむ。                             
        
 さて、どこかに出かける時(買い物、散歩、旅行、映画など)、あなたは以下のどのスタイルを選ぶ?

 (1)夫婦で揃って出かける 
 (2)つれあいに留守番をさせてひとりで出かける 
 (3)つれあいに出かけさせてひとりで留守番をする
 
 もちろん私は(2)...ではなく(3)だ!
留守番が好き。ひとりでいて、誰の為にもならないことをする(もしくは何もしない)ことが一番リラックス出来る時間だから。
時々ひとりにさせてくれるなら、ダイヤも毛皮も着物もいらない。
しかし私のこの趣味はなぜか理解されがたく、何度説明してもオットーは分かろうとしない。
むしろオットーは、自分ひとりで楽しむことに罪悪感を感じていて、何をするにも私と一緒にやることが女房孝行だと考えている節がある。

 ところが今回娘の方から、とても素敵な提案があった。

 「夫婦で四国旅行をするのよ。横浜でココア(犬)の世話をしながら一週間留守番をしてくれると助かるんだけれど...いかがでしょうか?」
 
 ひとりになりたがりの私の性向をよく理解している娘が、どうやら自宅の留守番にかこつけて「解放された一週間」の時間をプレゼントしてくれるらしい。

 「あはっ、最高!! 行く♪行く♪」
 
 この冬の長く厳しい寒さでちょっと鬱気味になっていたから、気晴らしにはちょうど良い。
家事や雑事から解放されることもありがたい。
オットーに留守番を押しつけて出かけようとする我が重症のエゴイズムに関しては、この際目を瞑ってもらうことにする。

 世間一般の常識では、私の年齢なら孫の世話にかり出されるのが大勢を占める。
でも孫よりもうんと気楽で責任のない犬の世話、今回に限っては孫がいないことに感謝、感謝。
「オレの世話より犬の世話の方が大事なのか?」
オットーには嫌な顔をされたが振り切って出かけた。

 で、私は横浜で一週間何をしてきたかと言うと...


          

              『鶴見川』


 娘の住居のすぐ傍を流れる鶴見川の川辺を毎日ココアと、あるいはひとりで黙々と散歩した。
鶴見川は日本で一番汚い川として有名だそうだが、特にヘンな匂いもしなかったし、鳥もいたし、河川敷や遊歩道は広々と整備されていて気持ちがよかった。
早春の遊歩道は、マラソンやウォーキングやサイクリングをする人たち、犬の散歩をする人たちなどが行き交い一日中活気に溢れていた。
鶴見川は、源流から河口までの全長42.5キロの大部分の河畔を歩くことが可能、日本で一番散策者が集まる川としても有名だそうだ。
 
 私は毎日、今日こそはどこまでもどこまでも歩き続けようと決意して家を出るのだが、たいていは3・4キロも行けば疲れてしまって、帰りはいつもバスに乗って戻ってくることになるのだった。

 鶴見河畔以外の道もあちこち歩き、旧東海道を見つけ芭蕉の句碑も発見した。
お腹が空いたら安くて美味しそうなお店を探してひとりご飯。
一週間の滞在中に3回も行った印度カレー屋さんがある。
鶴見川の近辺の風景にすっかり魅せられてしまった私は、住居からあまり遠く離れることなくのんびりと穏やかな時間を過ごし無事留守番の任務をやり遂げた。
もしもう一度留守番をさせてくれるのなら、次回はしっかり体調を整えた上で2・3日かけて鶴見川の全長を歩いてみたい。
 


 
 


                   
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マダムには秘密がある

2012-02-13 10:00:00 | マダムH
 

  



 ローズマリー 生姜 シナモンスティック ブラックペッパー カルダモン クローブ  
これらの薬草や香草などと紅茶の葉をしばらく煮出し、その後砂糖や牛乳を入れ沸騰しないように温める。
インド式ミルクティー『チャイ』の出来あがり。
これはぜひお試しいただきたい。スパイスの力は偉大だ!
部屋中に贅沢な香りが漂って、いつもの居場所が極上の空間に変わることを請けあう(注 幻なので現実に戻るのも早いデス
 
 いろいろなレシピがある。
ハーブやスパイスの種類、茶葉やミルクや砂糖や水の量は自分のお好みの量でよい。

               


                  ★  ★  ★



 
 マダムKは、とても75歳とは思えないほど若々しく美しい素敵な人生の先輩だ。
早くにご主人に先立たれたが、長男夫婦や孫たちに囲まれて賑やかに暮らしている。
彼女は大層な車好きだ。
次から次へと車を乗り換えていたが、先年、トヨタのプリウスを人生最後の車とすると宣言して手に入れたばかりだった。
しかしこの日我が家に...あらら?新発売のハイブリッドカー・アクアで颯爽とやってきた。

 プリウスに乗っているうちに、どうやらもう少し小さい車が欲しくなったらしい。
しかし長男に相談したら
「母さん、少しは落ち着いてほしい。買い換えは控えてよ!」
と猛反対されてしまった。

 確かに子どもというものは、ある時期から親の買い物にうるさく口を挟むようになる。
マダムKにしてみれば、自分のお金を自分が自由に使って何が悪いと言う理屈。
反対されればされるほど欲しくなり、そこでみんなに内緒で購入した。

 色はプリウスと同じ白。
ところがプリウスとアクアは、きちきちのガレージに正面を向けて停めていると、ちょっと区別がつかないほどそっくりなのだ。
「これは私のヒミツなの。まだ家族の誰からも気づかれていないのよ。」
 新車を手に入れた嬉しさだけではなく、自分を指図しようとする家族に対する挑戦でもあるかのように婉然とほほ笑むマダムK。
ああ、ばれたら果たしてどのような騒動になるのだろうか? 頑張れ、マダムK!


 マダムHは生前大変いい女だったから、もしかしたら秘密もたくさんあったかもしれない。
でも秘密をいつまでもじっと胸に潜めておける殊勝なタイプではなかった。
そんな彼女が珍しく
「夫には知られたくないの。絶対に内緒にしてね。」
と打ち明けてきた秘密たるや...いやはや驚くではないか!

 何と夫に黙って土地を購入したと言うのだ。
それも彼女が愛して止まない岩手山の麓の別荘地を。
老後は朝な夕なに岩手山を仰ぎ見て暮らしたいというのが彼女の切なる願いだった。
夫はロマンを決して理解しようとはしない、反対されるのは目に見えているので内緒で決めたと言っていた。

 「いつの日かここに小さなお店を作って、母親の手作りの品物を飾ったり、訪れるライダーたちに美味しいコーヒーを飲ませてあげたい。手料理はnihaoさんの担当よ。手伝ってね。」
と楽しい夢を語っていた人が一番先に逝ってしまうなんて...

 秘密の別荘地の存在を知った時のご主人の驚きはどのようなものだったのだろう。
私はそれを想像する度に快哉を叫びたくなる。
マダムたちの秘密のスケールは大きい。







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三姉妹

2012-01-25 15:05:00 | マダムH
 
    

           ♪スノー・レディ 雪ちゃん♪



 今年の冬は特に寒さが厳しい。
寒さが応えるのは年齢のせいばかりではなく、どうやら26年ぶりの大寒冬になるかもしれないという予報が出た。
一日のうちで暖房を止めている時間は4・5時間だけ。
灯油代のことを考えると頭が痛い。

 長年こたつなしで冬を乗り切ってきたけれど、この冬の寒さにはお手上げだ。
忘れられていた省エネ温風パイプ『コタツホース』が久々の出番を得た。


                    


 太くて長い蛇腹のホースは部屋の美観を損なうことはなはだしいが、背に腹は替えられない。
リビングのテーブルに大きな布をかけて「にわかごたつ」に仕立てたら、足下からぽかぽかの春の陽気が立ち上がる。
気持ちがよくてついまどろみ、一日の大半を無為に過ごす......だからこたつは嫌なんだって!!                  


                    ★ ★ ★



 マダムHが亡くなって半年が過ぎた。
今でもうっかりマダムHの死を忘れていることがあって...
自分の身の回りで面白い事件が持ち上がったりすると
マダムHに教えてあげなくっちゃ!
真っ先に彼女の顔を思い浮かべることがあり、はたと我に返る自分が情けない。

 
 来盛しているマダムHの姉上たちから「一緒にランチでもいかが?」とのお誘いの電話をいただいた。
姉上たちにとってもマダムHの死は早すぎるし辛すぎることである。
しかし自分の知らない妹のことをもっと知りたいと、盛岡に来ると私のことを思い出し誘ってくださる。
私にとってもマダムHにつながる姉上たちとのおしゃべりは嬉しくもあり心和む時間でもある。
忙しい時間を割いてこのような気遣いをしてくださることがありがたい。

 マダムHは三姉妹。三人とも顔も個性も全然似ているところがなく実に面白い。
今回は母親の【テルさん】も一緒に愉快なひとときを過ごした。

 テルさんは数え年で97歳になったそうだ。
何だかテルさんの歳のとり方が早いような気がするのだが...
「もうすぐ百です。」と嬉しそうに何度も仰っていたから、きっと百歳になることが大きな目標なのだろう。

 いまだに手仕事が大好きで、目が疲れたり肩がこることもないというから羨ましい。
週に2回利用しているディサービスで、みんなのお世話をすることが生き甲斐だというスーパーおばあちゃん。
驚くほど元気でしっかりしている。
でも私のことをすっかり忘れていて「どちらさまでしたか?」と言われちょっとショックだった。
「次にお会いした時私はまた忘れています。その時はまた教えてくださいね。」
現実を素直に肯定した自己分析が出来るテルさんは素晴らしい。

 マダムHが健在だったら、いっしょにテルさんからミニチュアの着物の作り方を教わることになっていたのに。
テルさんにはマダムHのぶんまで頑張って長生きしてほしい。









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福引き券

2012-01-11 12:50:00 | Weblog
     
            


 
 今年の冬は雪は少ないけれどとても冷える。 
我が家の玄関先の葉ボタンとビオラ、連日の寒さで夜間にはカチンコチンの冷凍花となるが、日中ポカポカお日様の光を浴びてゆっくりゆっくり解凍されて再生する。
厳しい生育条件をものともしない再生力を見ていると、私も少しだけ背筋が伸びる。


 
 さて下記の数字は何を表しているだろうか?
 
 2010年《81》 2011年《40》
 nihaoついにダイエット大成功!41キロ減!
という話なら凄く愉快なのだが...

 実はこれは当ブログ記事の更新回数。
2010年から比べると11年は半分に減ってしまった。
3月の大震災、及び6月のマダムHの逝去などで諸行無常を感じてしまった後テンションが下がり、なかなか回復できなかった。
「今年は頑張る!」と年頭に誓った筈なのに、明けてすでに11日となってやっとの更新。もはやこの体たらく。元気出せnihao!


 2010年《146》 2011年《137》
 これは年間読み終えた本の冊数。
2010年は国民読書年だった。
誰からも頼まれていないのに読書年に貢献しなければと読書三昧した結果、家事や庭仕事や手仕事などの手抜きが目立って主婦として大いに反省した。
11年はあまり読まないようにしようと思ったのだが、震災ショックを忘れるため途中から物語の世界の中に逃げ込んだので、結果的にそんなに変わらなかった。
今年こそ読書量を減らしてもっと生産的なことをしなくては。


               ★ ★ ★


 隣のスーパーが年末年始に福引き券を発行した。1等賞はデジタルテレビ。
明けて新年抽選会、私の福引き回数はたったの2回だったが長蛇の列の末端に並んで順番を待っていた。
すると見知らぬマダムがにっこりとほほ笑んで私の肩を叩いた。

 「私の福引き券を差し上げます。3回分あるからお使いになって!」 
ビックリしたがもちろん戴く。すごく得したような嬉しい気分。
福引き券は無限の可能性を内包しているので、抽選までの間の幸福感はとても得がたい。
みんなが嫉妬と羨望の眼差しで私を見ているような気がして恥ずかしかった。

 しかし私はくじ運が非常に悪い。
せっかくのマダムの厚意も無駄となり全部6等賞の駄菓子のつかみ取りに化けた。
私はビニール袋にいっぱい入った駄菓子を、近くにいた見知らぬ幼い兄妹に気前よくあげることにした。
兄妹たちが一瞬にして目を輝かせて喜んだのがわかった。
私が福引き券が好きなのと同じくらい子どもたちはお菓子が大好きなのだ。
「ありがとうございます!」
可愛い声で頭を揃えてお辞儀をされた。
何てお行儀の良い子どもたちだろう。

 見知らぬマダムから受けた厚意を見知らぬ子どもたちに分けてあげたことによって、私の幸せな気分は確実に二倍になった。
なんだかわらしべ長者になったような気分。

 今年もこのようなささやかなことを無上の喜びとして生きていくしかないのだろうな、やっぱり...

 

    (ご挨拶が遅くなりましたが、本年もよろしくお願いします)






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