霧の中の羊と石

最近のこと、
イギリスで暮らした日々のことを

セブンシスターズ

2008-05-18 | イギリス
白亜の岸壁、セブンシスターズ。
ここに立ち寄った“時”は、弱い台風のような天候。
でも、どうしても行きたかったので
インフォメーションで岸までの最短の道順を教えて
いただきました。

「こんな時に行くなんて…。
 私だったら行かないわ。」

と案内していただいた方には
呆れられてしまいましたが。


南イングランドを巡る旅の中でここは、
少なからず思い入れがあり
“透き通るような青空の下の白く美しい岸壁”
と想像を膨らませていた場所。
セブンシスターズを訪れた友人のブログやら
見せていただいた写真やらでは、想像通りの
完璧な岸辺。

さらに
何度も読み返した梨木香歩さんの
『春になったら苺を摘みに』でも例に漏れず
天候が良く、静かな情景の描写がありました。

その一方で、私が立ち寄ったこの“時”は…。
まるで修行僧のように伏目がちに
雨風の中を一歩一歩前へ前へ。
途中、同じような格好(上下レインコート)で
すれ違う二人と
「この天候の中、やっぱり行くことにしたのねぇ」
とばつが悪いような、互いに励ましあうような
微笑みを交わし、各自の道を進む。

そんなこんなで
ようやくたどり着いた岸辺。
グレーの空の下の翳りのある白い壁。
これも、まぁ、なかなか良いものです。

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