日本会議唐津支部 事務局ブログ

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【中学歴史教科書8社を比べる】247 「区別と差別」、「人権」について考える -24- ■総まとめ 2/2(人権)

2017年07月21日 | 中学歴史教科書比較(2)h28-令和2年度使用

■独立項:『「区別と差別」、「人権」について考える 』の総まとめ 2/2

 この項が長くなったので、総まとめとして「結論」を再掲します。思考・論証過程を知りたい方は、関係各記事を読んでください。

 

◆人権◆

●現在の「”世界標準”の人権思想」は、欧州で生まれ育った考え。

●現行「日本国憲法」のほとんどは、米国中心の連合国占領軍:GHQが作ったものだから、その「人権思想」も欧米のもの。

 

① 社会を維持する「法」と「〇〇観と道徳」

 

ヒトが《「社会(=群れ→なんらかの統治組織のある集団・自治体・国家)」を作り、かつ、維持していく》には、その社会内の多くの人々が、「自分たちの社会の基本的なありかたや目的」について「おおむね同じ考え」を持つ必要がある。 ここではそれを「規範」と呼ぶ(ぴったりとは言えないが…)。

※「規範」=基本的な自然観・人間観・宗教観・倫理観・社会観など。 おきて(掟)・ルール、道徳、法など。/ 人権思想

 

●近現代の国民主権の国民国家(⇔君主主権の封建国家)では、最高規範は憲法であり各法によって社会組織が維持・統治されている。同時に、個々人の生き方に大きな影響力を持っているのは、基本的〇〇観道徳だ。

 したがって、「人権(思想)」は、今のところ、法と、倫理・道徳の両面をもっている。つまり、現代では、上記定義「規範」の一種となっていると言える。

 

② 法となっている人権思想 ~大日本帝国憲法と日本国憲法~

■日本国憲法における「人権」

●「基本的人権」=「人権」

●「生命、自由及び幸福追求権」・・・日本国憲法に規定されている人権を分類すると、ⅰ「生命」の権利、ⅱ「自由」の権利、ⅲ「幸福追求」の権利になるようだ。

 

ⅰ 「生命」の権利・・・「生存権」

 

ⅱ 「自由」の権利・・・<自由権> 
 
「奴隷的拘束・苦役からの自由」「思想・良心の自由」「信教の自由」「表現の自由」「居住移転の自由・職業選択の自由・国籍離脱の自由」「学問の自由」「家庭生活における個人の尊厳と両性の本質的平等」

 

  「幸福追求」の権利 <社会権?> 
 「
公務員選定罷免権」「請願権」「国家賠償請求権」「教育を受ける権利」「勤労権」「団結権・団体交渉権・団体行動権」「財産権」「適正手続の保障」「裁判を受ける権利」「令状主義」「住居の不可侵」「拷問・残虐刑の禁止」「刑事被告人の諸権利」「自己負罪拒否特権等」「事後法・遡及処罰の禁止・一事不再理」「刑事補償請求権」

 

 

③ 「人権」の定義を試みる 

 

●古代以来の日本における”人権”の特徴

 

 伝統的日本人(≒日本民族系日本人)には、《おとなしい:あまり自己主張をしない:協調的》、《よく助け合う:思いやりが深い》 という特徴(特長)がある。そのような「協調的:共存共栄的(⇔闘争的:自己中心的:利己的)」の傾向が強い日本人になった原因は、

 

 ・農業定住生活・・・数万年前からの縄文時代に、すでに「栗などを栽培する、農業を核とした定住生活」をしていた(最新の発見・研究結果)。<≠放牧、狩猟>

 

・自然災害多発地帯・・・日本列島は《地球上でもっとも自然災害が多い地域(の一つ)》であり、個人や家族の力だけでは対処できず、集落・社会のみんなが助け合わなければ生きていけなかった(今もほぼ同じ)。

 

水田稲作・・・3000年ほどまえ(縄文時代のあとのほう)に始まり、急速に列島内に広がった。水田稲作は多量の水を要し、集落全体で協力して水管理をしなければならなかった。<≠小麦栽培>

 

・共生的な宗教性・・・縄文時代から自然信仰(崇拝)と先祖崇拝のための神社が創られ、6世紀ごろ渡来したインド由来・中国亜大陸経由の仏教と融合しながら発展した。明治以後は「神仏分離」したが、神社とお寺はそれぞれが全国に2万社ほど健在。
 
※「やおよろずの神々」・・・神道は多神教であるだけでなく、自然(物)も人も「神」になり祀(まつ)られる。おおらかで、融和的で、人間的な宗教だ。

 

・天皇(皇室)と国民の関係

 天皇と日本国民の関係は、比喩的に言えば、超巨大家族(≒日本民族)の ”親と子” のようなものだ。

 天皇は、平安時代までは統治王」と「祭祀王」の両面をもたれていたが、それ以後はほとんど「祭祀王」であった。明治維新以後も英国と同じような「立憲君主国」であり、実質的政治権力はなく、やはり祭祀王である。

 今でも、ほとんどの日本人は、政治権力はなくても、《天皇陛下は、総理大臣より ”上” におられる》と思っているだろう。 (※国民の9割が自衛隊を”国と民の護り手” として認めているように)

 

 また、多くの日本人が天皇陛下と皇室を(人それぞれの絆のもちかたで、それなりに)敬愛しているのはまちがいない。

 

 【結論】 日本人(の多く)は、法とは関係なく、《人は平等だ》という、人権思想の基本認識をもっているように思える。

 

【日本人の人権」=日本人の持つ伝統的平等観と、日本国憲法に定められている各種の基本的人権のことである。

・簡単便利な、世界の人権の定義 → 〇〇人の人権=〇〇人の伝統的人間観 + 法的人権

 

~次回から、中断していた「⒅ 日朝関係(戦後)の描き方」を再開する~

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