にっち・自然に囲まれて

多様な生きものといっしょに生きる雑貨店。

春に向かう雪はふかふか、こんもり。

2018-02-20 13:50:44 | 生きものあれこれ
雪が融けて、それが凍って、と繰り返すと
道路の脇は、つるつる。歩くときに気をつけましょう。

春に向かう時期の雪は、ふかふか、もったりと
すべてを覆ってしまうような感じがします。




↑ スギの植林地をぬける谷川も雪の下。
  左手前には、ササの茂みが緑の葉を見せています。




↑ 雪におおわれて緑が見えなくなる季節。貴重な緑の葉につられて
  山小屋を訪れたカモシカ。


「こいつは何者?」と、じっとこちらを見て、耳もこちらに向けています。
「ぼくらのこと、人間は天然記念物にしているんだ」と、
知ってるわけではないでしょうが、たえずハンターに追われるシカとはちがって、
とても落ち着いています。

こちらは、カモシカもシカも大歓迎。
チャの木の生垣をつくって、冬に緑の葉を提供しています。




↑ カモシカは、チャの木の前を素通りして、アオキの葉をむしゃむしゃ。


同じ緑の葉でも、ササよりチャが好き。チャよりアオキが好き、

とわかってきました。ツバキも、アオキと同じくらい好きです。
もちろん、緑が豊富な春から秋にかけては、
これら、常緑樹の葉は食べません。




↑ ちょっとひいてみると、周囲はこんな具合。
  小屋にいちばん近いアオキの葉を食べるために、踏み込んできているとわかります。
  口で咀嚼(そしゃく)しながら、こちらを見ています。


アオキは、カモシカの背の届く範囲は、すっかり食べられてしまいます。
でも、届かない高いところの葉は残りますから、
暖かい季節になって全体が回復していきます。

すっかり葉が食べられてしまった小さな木は、しだいに弱って
いずれは枯れてしまいます。

そこで、肝心なのは、小さなうちは、葉を守ること!


それには、この子↓が大活躍!



↑ カラタチです! とげがすごいですねえ。




↑ カラタチの長い枝を切り取って、腰くらいの高さのツバキを囲みました。




↑ 5月。カラタチに緑の葉を守られて、冬を越したツバキが花をつけました。


ツバキがカモシカの背丈を越して大きくなったら、
カラタチの枝をとりのぞきます。

すると、下のほうの葉は冬にカモシカに提供しても、
上の葉が残っているので、ツバキの木も大丈夫です。


カラタチも、こんなにきれいな花を咲かせますよ♬





     からたちの花が咲いたよ。
     白い白い花が咲いたよ。
 
     からたちのとげはいたいよ。
     青い青い針のとげだよ。


北原白秋の「からたちの花」の詩の一部ですが、
ありのままをすなおに詠んで、心に深く残る歌です・・・


そして、秋。



↑ カラタチの実がたわわにみのりました。
  カラタチの実を拾うのって、楽しいんです!


絞って、果汁を使うこともできます。
種ばかりでおいしくない、と思われがちですが、
個数があれば、けっこう果汁もたまり、いい味わいです。

真冬に残った、カラタチの実↓






そうして、春になると、
落ちた実のところから、小さな葉がぎっしりと出てきます。
でもそのほとんどは、カモシカやシカに小さなトゲごと食べられてしまいます。




↑ 丸い実のなかにある、種の数だけ芽が出てきます。


たまたま薮のなかにあるなど、カモシカから守られて育ったカラタチが、
数年かかって、大きなトゲをつけるまで育ちます。


いろんな植物や動物が、かかわりあって、
命を育んでいるんですね。















この記事についてブログを書く
« 羊いっぱい展、もこもこ開催中♬ | トップ | 五十嵐忠夫写真展、始まります♬ »

生きものあれこれ」カテゴリの最新記事