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朝鮮新報より・経済復興  具体的成果を  技術革新で高品質製品

2012-02-19 | お知らせ・一般資料
〈経済復興 〝具体的成果を〟-上-〉 技術革新で高品質製品  国内原料による生産目指す

【平壌発=鄭茂憲】

 経済復興のために各分野で生産に拍車がかかっている。金日成主席生誕100周年を迎え、強盛国家の扉を開く年と定められた2012年、掲げられた目標値は具体的だ。工業と農業の現場を2回にわたってリポートする。


 国内有数の鉄鋼メーカーである千里馬製鋼連合企業所(平安南道、以下、千里馬)では、無煙炭を用いた高温空気燃焼技術を完成させ、10月までに圧延製品生産工程に導入することを目指している。

圧延とは、2本の回転する円筒状ロールの間に材料を入れて押し延ばし、板・管・型機などを作る工程である。圧延製品を生産するためには高い熱量が必要で、千里馬が持つ現在の技術では重油に頼らざるを得ない。高温空気燃焼技術は、国内に無尽蔵に埋まっている無煙炭をガス化することで約1000度の高温を生み出す。莫大な資金を要して輸入してきた重油を排し、国内燃料による生産を可能にする。経済的利益は大きい。

千里馬では2008年に超高電力電気炉を自前で建設し、従来の電気炉より少ない電力で鋼鉄抽出時間を縮める効果をもたらした。その後、グループ企業である保山製鉄所が輸入コークスを使わず無煙炭に基づく「チュチェ鉄」生産に成功。千里馬でも「チュチェ鉄」による鋼鉄生産を実現した。

哀悼期間中だった昨年12月23日、崔永林総理が千里馬を訪れた。キム・ジョンファン副技師長(45)によると、金正日総書記の遺志を貫徹するための方途について真しな話し合いが持たれたという。

総書記は生涯の最後の時期、国内の緊要課題の一つである電力問題を解決するため、火力発電所の燃料である石炭の増産に関する指針を数度にわたって示し、それに必要な圧延製品生産の大部分を千里馬に指示した。

哀悼期間、千里馬では「供給される全電力を鉄鋼生産に集中」(キム副技師長)し、国内各地の炭鉱で必要とされるレール、ワイヤー、ベアリング素材の生産を同期前年比で150%水準で達成した。

「新技術による生産工程を一日も早く完成させ、要求される鋼鉄量を十二分に満たす」。一日に千里を走る伝説の馬の名を冠した同企業所の決意だ。


 金正淑平壌紡織工場(平壌紡績工場から改称)は、織物生産における国内最大拠点だ。

金日成主席生誕100周年を迎える4月までに、朝鮮全域の小・中学生に新しい制服が供給される予定だが、同工場では制服に必要な生地生産の実に80%を担い、昨年末までに全量を出荷した。当面の目標は4月に向け、平壌の全市民にスーツとシャツをそれぞれ一着ずつ供給するために必要な生地を生産することだ。

国の投資により、2010年末までに5つの生産工程のうち3つを現代化した。そのうちの一つ、「テトロン人絹織物職場」の生産能力は、日産3万メートル、年産1000万メートルだ。テトロンとはポリエステル系の合成繊維で、この人造絹糸で織られた生地は、ワイシャツやチマ・チョゴリに利用される。

テトロン人絹での織物生産ができるのは、国内では同工場だけだ。そのため国家レベルで大きな期待が寄せられ、課される生産目標値も比例して高い。

生産課題遂行と同時進行されているのが、国内産のビナロンをもって生地を大量生産する計画だ。テトロンは輸入に頼っているため、原価が高い。ビナロン人絹がもたらす経済効果は抜群だ。

昨年末、ミン・イルホン支配人(58)をはじめ工場関係者が2・8ビナロン連合企業所がある咸鏡南道咸興市を訪れ、研究者たちとビナロンから人絹を紡ぐための技術協議を行った。

また、東平壌地区に人造絹糸の生産ラインを新たに設け、「分工場」として運営する計画も進む。操業開始は今年中に定められている。ビナロン人絹を実現し、全面導入するための下準備だ。

( 鄭茂憲 2012-02-15 11:22:48 )



〈経済復興 〝具体的成果を〟-下-〉 モデル単位としての誇り  「食」を担う現場の声


【平壌発=鄭茂憲】

 朝鮮では特定の工場や農場が生産のモデル単位となり、そこで蓄積されたノウハウが各現場の実情に合わせて取り入れられるシステムがある。モデル単位のプライドをかけて「結果」を出すために奮闘する「食糧生産」の現場で聞いた。


黄海北道沙里院市・嵋谷協同農場(以下、嵋谷)が掲げる今年のコメの生産目標は、「1ヘクタールあたり11トン」だ。嵋谷は近年、稲作のモデル単位として注目を集めている。

ソン・ユンフィ管理委員長(55)は「1ヘクタールあたり11トンのコメ生産はたやすい目標でないことは知っている。でもやり遂げる自信がある。嵋谷の意地でもある」と言葉に力を込める。

かねてから嵋谷では、1ヘクタールあたり10トンの生産高を目標としてきた。突破したのは2009年。農場員たちはさらなる増産に意欲を燃やし、翌年には10トン220キロ、昨年はさらに10キロをプラスした。

嵋谷では科学者らの協力のもと、地質に適した種子の選択、科学的な農法による「適期適作、適地適作」の原則を徹底的に実践した。3年連続で最高収穫高を記録できたのは、その結果だ。

最高気温すら0度を大きく下回る極寒のこの季節でも、農場員たちの姿は恵みの大地にある。緑を取り戻す春の訪れを前に、農場員たちは地力を高めるために施肥を入念に行う。嵋谷では質の高い肥やし作りを年末年始にかけての大切な作業の一つに位置づけている。

農場が共同で管理する牛、豚、山羊、鶏などに加え、各家庭で飼われている家畜の排せつ物から作られる有機肥料を大地にまき、前年の耕作で弱った大地の力を取り戻すことは、その年の収穫高に大きな影響を及ぼす。

国内の食料問題を第一線で担う嵋谷。農場員たちには、秋風に揺れる黄金の嵋谷の姿が全国の農場での生産増大を導くという高い自覚が浸透している。「わが国の科学技術で、国の実情に合った方法で食の問題を解決できる展望は開かれた。私たちには確固たる土台がある」(ソン管理委員長)。

「おいしいパン」を
2010年に生産ラインのCNC化が実現された平壌小麦粉加工工場

平壌小麦粉加工工場が掲げる目標は、年10万トン以上の小麦粉を加工し5万㌧以上のパン、菓子類、うどんをはじめとした食品を生産することだ。ソ・セチョル支配人(44)は国内最大の小麦粉加工工場の威信にかけて、「従業員一同、必ず達成する覚悟がみなぎっている」と話す。

同工場では1月8日に、平壌市の全世帯に1キロずつ菓子類などの製品を特別供給したのに続き、旧正月(同23日)にも同量を、さらに金正日総書記の生誕日(2月16日)には2キロ、また4月15日の金日成主席生誕日にも2キロずつを配るという。

同工場は2010年に、金策工業総合大学などの研究者らの協力のもと、現代化工事を行い生産ラインのCNC化を実現。原料注入から製品包装までの生産工程が自動化され、生産能力を飛躍的に高めた。

同時に、品質向上のための取り組みにも力を注いでいる。同年12月、ソ支配人はロシアに飛び、パン工場を見て回った。帰国後、ロシアで得た生産ノウハウを導入しながら原材料の配合比率の調整など、「おいしいパン作り」の研究を続けたという。

ソ支配人は「世界市場で競争力を持てるレベルの製品を人民に供給することが、私たちの使命だ」としながら、「生産ラインをフル稼働させ、質の高い小麦粉加工食品を大量に作り出すことで、経済復興の実績を示したい。それこそが総書記の遺志だと肝に銘じている」と話した。



( 鄭茂憲 2012-02-17 14:26:25 )


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