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北朝鮮は米国が先制攻撃をすれば、韓国や日本はもちろん、グアムまで報復攻撃を行うと公言しているが。

2017-10-22 | 世界を知る

[インタビュー]

ガルーチ「トランプ・金正恩、外交・安保をよく知らず不安定」

登録 : 2017.10.20 06:32 修正 : 2017.10.22 09:37

 

米朝ジュネーブ基本合意の主役、ロバート・ガルーチ

1994年にはなかった核、10~20発保有 
第1次北朝鮮核危機の時よりはるかに厳重 
 
状況は日増しに悪化…ここで止めるべき 
条件をつけずに会い、相手の意中確認が必要 
 
米朝交渉の目的は北朝鮮の核廃棄 
関係正常化がなされれば核武装の理由ない 
北朝鮮核問題の解決は長く時間のかかるプロセス

 

1994年の米朝ジュネーブ基本合意締結の主役であるロバート・ガルーチ元米国北核特使が19日午後、ソウル中区のあるホテルでハンギョレとのインタビューを行っている=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 

 「米国と北朝鮮は、相互の関心事項に対する進展がなされることによって両国関係を大使級にまで格上げさせていく」

 

 1993年3月、北朝鮮の一方的な核拡散禁止条約(NPT)脱退に触発された第1次北朝鮮核危機を解決した1994年の米朝ジュネーブ基本合意第2条3項には、このように書かれている。21日で基本合意締結から23周年を迎えるが、北朝鮮の核危機は現在進行形だ。第1次北朝鮮核危機当時に出た「対北朝鮮先制攻撃論」が再登場している危険な状況だ。ジュネーブ基本合意締結の主役であるロバート・ガルーチ元米国務省北朝鮮核特使は19日午後、ソウル中区(チュング)のあるホテルでハンギョレと会い、「1994年の第1次北朝鮮核危機の時よりも、現情勢ははるかに厳重だ」とし、「米朝双方は荒々しい言辞を止めて、緊張を下げなければならない。お互いの意中を把握するためにも対話が急がれる」と強調した。以下は彼と交わした一問一答。

 

-北朝鮮と米国、双方の荒々しい言辞が続く中で、最近、朝鮮半島情勢が尋常ではない。

 

 「実際、非常に厳重だ。明日にでも北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)を最大射程距離で実験発射し、米国が巡航ミサイル攻撃をして、北朝鮮がこれに対して再び対応する状況がきたら、どうするつもりか。この10カ月間、そのような事態に対する警告が続いた。非常に深刻な状況だ」

 

-第1次北朝鮮核危機の時と比較すると?

 

 「1994年には北朝鮮には核兵器がなかった。今は10~20発の核兵器を保有していると評価している。弾道ミサイル能力もはるかに高度化した状態だ。北朝鮮の指導者も米国の指導者も、外交・安保をよく知らず、大変不安定に見える。1994年には北東アジアの安保において韓米同盟が不可欠という点を米国がよく知っていた。しかし、ドナルド・トランプ大統領もそう思っているかは分からない。これらのすべてが状況をさらに不安にさせている」

 

-北朝鮮が米本土に到達できる大陸間弾道ミサイルの開発を完了したら全ての状況が変わる、いわゆる「ゲームチェンジャー」になるだろうか。

 

 「昨年8月、マレーシアのクアラルンプールで北朝鮮側と会ったとき、それを聞いた。北朝鮮側では『当然だ』という反応を見せた。私の考えは違う。『ICBMを完成するのは北朝鮮をさらに危うくさせるだけ』と言ってやった。北朝鮮が米本土はもちろん同盟国を攻撃する手段を確保したことを米国は受け入れないだろうし、したがって北朝鮮を軍事攻撃の目標とするからだ」

 

-北朝鮮は米国が先制攻撃をすれば、韓国や日本はもちろん、グアムまで報復攻撃を行うと公言しているが。

 

 「そう主張しているが、実行に移すことはできないだろう。1950年代、ソ連のニキータ・フルシチョフ共産党書記長が国連総会場で、靴を脱いで(その靴で)テーブルをバンバン叩いたことがある。その時多くの人が『核兵器が狂人の手にある』と懸念した。フルシチョフはわざと『狂人』のように振る舞ったのだ。金正恩委員長も同じだ。いつ、どこで、何をしでかすか分からないというイメージをつくろうとしているだけだ」

 

-北朝鮮が挑発を継続する状況で、対話をしてはならないという主張もある。

 

 「強硬論者たちは、北朝鮮が『悪い行動』をした直後に交渉を提案するのは『弱い姿』を見せることだと主張する。一面、妥当な主張でもある。それでクアラルンプールで北と会ったとき、『米国に新政府ができるやいなや挑発をすれば、少なくとも6カ月は交渉ができなくなる』と話した。すると、北では『新政府が韓米連合軍事訓練を実施すれば、交渉はないだろうと伝えてくれ』と言った。実際そのとおりになり、状況はますます悪化している。ここでいったん止めなければならない。潜在的な軍事的衝突状況から脱しなければならない。条件をつけずに会わなければならない。交渉を継続するために相手がどの程度まで『自制』できるのか、その範囲を確認しなければならない。例えば、北朝鮮が核・ミサイル試験を中止したり、大規模な韓米連合軍事訓練を実施しないなどの、対話を継続するための条件をお互いに確認する『対話に向けた対話』が必要だ」

 

-中国が提案した「双中断」と同じ話に聞こえる。

 

 「中国の提案は『等価交換』だが、同意し難い。北朝鮮の核・ミサイル試験は国連が違法だと規定したものである反面、韓米連合訓練は合法的だ。状況に対する認識は重要だということだ。例えば、米朝対話に向けて米国が一方的に軍事演習の中断を宣言することができる。北朝鮮も交渉に向けて一方的に核・ミサイル試験の中止を宣言することができる。そうなれば、合意による『等価交換』ではないことになる。実際、基本合意の交渉に先立ち、1993年にカン・ソクチュ北朝鮮外務次官とニューヨークで初めて会った時、同じ方式を活用した。交渉のための条件を盛り込んだ共同声明に合意したが、記者会見は別にする方式だった。今いるところから別のところに行くための方式と条件を見つけること、それがまさに交渉だ」

 

-北朝鮮は核兵器を放棄しないという主張もある。

 

 「米朝交渉の目的は北朝鮮の核廃棄だ。北朝鮮は核武装を防衛用だと言う。米朝関係が正常化すれば、核武装をする理由がなくなる。ひとまず北朝鮮の核能力を凍結させ、核兵器を一つずつ除去していかなければならない。その過程で、北朝鮮が嘘をつく可能性もあり、検証が不可能なこともあるだろう。しかし、その程度は甘受しなければならない。米朝関係正常化のためには北朝鮮の人権問題も取り上げられるだろう。北朝鮮の政権交代を推進しない限り、北朝鮮の核問題解決のためには長く時間のかかる漸進的なプロセスを踏んでいくしかない」

 

チョン・インファン、ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )



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