旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

山陰の小京都・津和野を訪ねる 山口線を完乗!

2017-05-21 | 呑み鉄放浪記

 山の緑にひときわ鮮やかに浮かび上がる太皷谷稲成神社(たいこだにいなりじんじゃ)。
津和野藩主が藩の安穏鎮護と領民の安寧を祈願して津和野城の鬼門に祀ったと云う。

      

表参道は、263段の石段に約1,000本もの鳥居、まるで朱塗りのトンネルを上って行く。

 

益田発20:59、最終の津和野行きに乗車する。
本当は津和野で呑むつもりだったのだが、思いがけず石見銀山に寄れたのでこの時間だ。
山陰の小京都・津和野の夜は早く、地酒で一杯やれる小料理屋や居酒屋は仕舞っていた。 

 

早朝、津和野温泉観光ホテルわた屋の露天風呂から町を眺める。
赤茶色の甍の波が朝日にきらめいて美しい。 

 

太皷谷稲成神社から下って小京都の町並みを歩く。 
石畳の通りが続く殿町は、かつて家老屋敷が隣接していたところ。
なまこ塀と掘割りに泳ぐ鯉、津和野の象徴的な情景だ。

 

清純な水と地元の酒米、そして気候に恵まれた津和野。
石畳の通りには華泉酒造、古橋酒造と2軒の酒蔵が並んでいる。
"初陣" の古橋酒造では大女将?にたっぷり試飲をさせていただいて良い気分。
土産に
 "特選大吟醸・津和野" 車中のお供に "初陣ひや生酒" を求めた。

 

津和野は「つわの栗の里」としても売り出そうとしている。
キャッチフレーズは "津和野はイガイにビックリ、栗どころ!" だそうだ。
酒蔵の向かい竹風軒本店で、甘露煮の栗とつぶ餡をカステラで包んだ "栗御門" を仕込む。
出張延泊のエクスキューズに家族への土産も用意しないとね。

 

益田で山陰本線から分岐した山口線、ここ津和野駅までは島根県だ。
10:04発の山口行きは単行ディーゼルカー、エンジンを唸らせてグイグイと勾配を上る。
ピークの白井トンネルを抜けると山口県だ。 

田植えが終わった田圃風景を眺めながら、"初陣ひや生酒" のスクリューキャップを切る。
ようやく冷房が効き始めた車内で冷酒が旨い。車窓にはたくさんの青鷺が遊んでいる。 

単行ディーゼルカーは終点の山口駅にガクンと停車する。
反対ホームで津和野へと向かう "貴婦人" C57-1号機が汽笛一声、出発して行った。

山口で乗り継ぐのは、やはり旧国鉄時代からの朱を纏った2両編成のディーゼルカー。
部活の高校生やら家族連れで賑やかな2両編成は新山口までの20分ほどを軽快に走る。
山口線は起点新山口(旧小郡)で山陽本線と合流してその旅を終える。
駅前ではこの地に「其中庵」を結んだ山頭火が迎えてくれた。

山口線 益田~新山口 93.9km 完乗

 

Saturday Night Fever / The Bee Gees 1977



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。