’79年のフロントブレーキマスターシリンダーです。
リザーバータンクを開けてみるとパッキンがご覧の通りですが、中央の半浸透膜はどうにか形を保っているので、グリコール系のフルードは使われていないようです。
パッキンも外して、リザーバータンクの中をチェックしてみると、かなり堆積物があります。
この様子だと、シリンダーの中も危ないですね。
このマスターシリンダーの裏側を見ると意外に複雑になっていますが、レバーのピンを外すだけでそっくり取れます。
レバーを外せば、このようにピストンと止めているサークリップが見えますので、ピストンを長い棒状のもので押しながらサークリップを外せば、ピストンが出てきます。
インナーパーツはこのようにヘドロのような堆積物にマミレていました。
シリンダーの内壁も汚れがこびり付いています。
シリンダーの内壁を磨くのには、写真のような専用のブラシをボール盤につけて回転させて磨きます。
ブラシの先端は球状になっていて、深い傷を作らないようになっています。
シリンダーの奥までブラシを差し込んで、浸透潤滑剤などを吹きかけ、シリンダーボディをしっかり押さえてから、ボール盤を回転させます。
写真は磨いた後です。このようにピカピカになります。
ピストンを止めるサークリップですが、裏表に注意します。
写真は上側になっているほうに「丸み」が付いています。
こちらが裏になります。
端面が角ばっているほうが、外側になるように組み立てると外れにくいと言う事です。
組み立てるときも、ピストンを押しながら、サークリップをセットします。
サークリップをセットしたら、キチンと溝に入っているか確認します。
後はレバーを取り付けるだけです。
このマスタシリンダーには2本のレバーの上のほうのメッキパワーレバーが付いていましたが、カッコ悪いので下のほうの純正のものを使います。
*ブレーキ部品は重要保安部品です。上記の写真と記事を参考に作業されてもワタシは責任は負いません。