白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―デコポンと伊予柑 タンゴールとは?―

2016年12月13日 | 日記

先のブログで温州みかんの話を取り上げましたが、実は外房に菜園を作った折りに、東京の自宅庭にあった温州みかんの若木と新たに購入した柑橘の苗木等、合わせて10数本程を植えたのです。

それが大部分が根付かずに枯れてしまい、生き残ったのがタンゴールと呼ばれるデコポン、伊予柑、それに温州みかんの「興津早生」と「青島」の合わせて4本だけでありました。

 

―今年も実を付けた外房菜園のデコポンと伊予柑―

その原因、菜園のロケーションにあり、冷たい冬の北東海風に依るのですが、海岸までは直線距離で僅か約150メートルと大変海に近く、もとは外房の荒波の打ち寄せる地元漁師さんの自宅脇の耕作放棄地であります。

その周囲の北東側は、竹藪と高い古木となった常緑樹の屋敷林に囲まれているのですが、もとより厳しい海風の吹き抜ける地形であり、丁度先日発表された、2020年の東京オリンピックの競技種目のサーフイン会場の「釣ケ先海岸」が徒歩圏になって居て、其処からが太東港を経て、太東岬の断崖に面した海岸線へ繋がる道のりが続く所です。

 

上総国一宮の玉前神社の浜降り神事の鳥居が立つ釣ケ先海岸―

そんな地形の土地ですから、考えてみれば柑橘類が簡単には育たない条件の厳しい場所であり、果樹栽培等は無理と半ば諦めて居たのですが、それが上手く生き残って実を付け始めた貴重なデコポン、伊予柑、温州ミカンであり、それで柑橘類の話を再度を取り上げて見たくなった次第です。

その中のデコポンですが、1949年(昭和24年)に 「宮川早生(温州ミカン)」と「トロビタオレンジ」の交雑で誕生した、日本の最初のタンゴールと言われる「清美」と「ポンカン」との交配で、1972年に長崎県にある農林水産省果樹試験場で育成された品種であります。

その生産を最初に手がけた熊本県の地域にちなんで 「不知火(しらぬひ」)」と命名されてのですが、その中でも、特に糖度13度以上である事やクエン酸1.0以下など、唯一全国統一された基準 「全国統一糖酸品質基準」を満たさなければ 「デコポン」の名では出荷する事が出来ないようにする為に、その名称が商標登録されたのです。

 

―デコポンと呼ばれる柑橘のタンゴールーwebImagesより

また、日園連に加盟する全国のJAのみが、この「デコポン」という商標が使用できるのであり、加盟していない農園などでは使えないようにもなっています。

従って、その「デコポン」は商標登録された名称であり、生産者個人で販売することや柑橘関係農協県連合会を経由しないではデコポンの名で販売することは出来ないことになっています。

この柑橘を独自で出荷する農園では 「不知火」として出荷するしか無く、佐賀県にある「吉森果樹園」では 「凸百恵」という独自ブランドでの出荷をしているそうです。

この果実、凸凹しているからデコポンの名前になったみたいですが、口に含むと甘味が強く、さっぱりした味が広がって、酸味が少ないので昨今の柑橘の甘未嗜好にぴったりであり、又、ミカンの様に手軽に皮がむけるのが特徴で大衆受けしているとも言われています。

 

―名前の言われとなった凸の突起―WebImagesより

そこで「デコポン」の名で出荷の出来ない他県では、一般市場に浸透したそのブランド名に何とかあやかりたいと、例えば静岡県ではフジポン愛媛県ではヒメポン、広島県はキヨポン、徳島県ではポンダリンと称して市場出荷されているそうです。

「名は体を表す」とは言いますが、其の産地の独自性を謳える何かもう一寸良いイメージチェンジできる知恵は無いものかと思われます。

 その「デコポン」 日当たりの良い場所で育てるに越した事とはないのですが、関東地方南部以西の温暖な地域の年平均気温が16.5℃以上で、最低気温が-3℃以下にならない地域が適地とされ耐寒性は温州ミカンよりやや低い言います。

特に果実をつけたまま樹上越冬するので温暖な地域での栽培向けとされているのですが、単為結果性があり、1本でも結実するため、受粉樹は不要であり、此処外房の海岸地域の冬には冷たい北東風が吹き抜ける場所でも、立派に育つ事が分かって、我ながら感心しています。 

 

―熊本県は不知火の名の発祥の地であり生産量もNo1―

なお大分県では、通常の2月から3月の収穫時期を4月まで遅らせ熟した状態で収穫し、糖度を通常より2~3度高くなった物を、栽培日数にちなみ「デコ330」というブランドで出荷を始めているそうです。平成22年での約100トンあまりの生産量で、この「デコ330」は僅か10トン程しかまだ達成されていないとあります。

 

―収穫期を迎え支柱でささえる不知火(デコポン)の姿―WebImagesより

尚、1999年(平成11年)には「清見」×「ポンカン(F2432)」の交雑で 「はるみ」が生まれています。さらに清見の孫として、2001年(平成13年)には 「せとかが品種登録されていますし、また、デコポン(不知火)には妹分品種があり、それが静岡県浜名湖生まれの「はるみ(はるみミカン」であります。

当菜園のデコポン、植え付けから数えて6年目から実を付けるようになりました。ただ、全ての実を大きくしてしまうと、株が消耗して翌年実を付けなくなると言います。

それで実が付きはじめたら、7~8月頃までに葉っぱ80枚に対して果実1個の割合で残し、上向きや傷のある実小さい実は全て取り除いています。デコポンの収穫の適期は1月下旬~2月上旬とされていますが、今年は寒さの到来が早いのであり、それまでうまく収穫が待てるか思案しています。

尚、収穫した果実はすぐに食べず、3~4月まで貯蔵すると、糖度がさらに高まって美味しくなると言うのですが、早めの収穫で貯蔵して追熟を試して見るのも良いかと思います。それまで待てるでしょうか一寸心配でもあります。

 

―たわわに実を付けているデコポン(向こう側)と伊予柑(手前側)-

扨て、デコポンの話が長くなりましたが、其の隣でしっかり根付いて、今年も枝もたわわに実を付けているのが伊予柑であります。

その伊予柑、デコポンと同じくタンゴールの一種ではあり、ミカンとオレンジの交配によってできたとされていますが、最近の研究では 「ミカンとブンタンの交配種なのではないか」とも言われています。    

其の名前の言われ、1885年(明治19年)に山口県阿武郡東分村(現:萩市)の蚕業指導員・中村正路氏が発見したそうです。
1888年(明治22年)に中村氏所有の苗木を、愛媛県温泉郡持田村(現:松山市)の養蚕家・果樹園芸家であった三好保徳氏が購入し、それが松山を中心に徐々に栽培が広がったのであり、伊予柑は日本で生産される柑橘類では温州ミカン次ぐ生産量であます。

 

―実付きの良い伊予柑は摘果しないと成り過ぎになる!-

日本の在来種であって、主に愛媛県で生産されていますが、明治時代には、紅みかん穴門みかんあなとみかん)と呼ばれていたそうです。それが1930年(昭和5年)に伊予国(愛媛県の旧令制名)に因んで「伊予柑」の名称となったとあります。

それから1955年(昭和30年)に、松山市平田町の宮内義正氏によって発見された「宮内伊予柑」が、従来種に比べ成熟が早く実付きもよく、また皮が薄く酸が少なくて食べやすいことから普及が更に進み、1970年代以降は、柑橘の主力品種として出荷量を大きく伸ばしたとあります。

その後も「大谷伊予柑」、「勝山伊予柑」といった優れた品種の発見が相次いでいると言い、果汁はジューシーで甘く、香りもよいのですが、皮は温州ミカン等に比べ厚めであり、手でむくことは可能ですが、厚い皮を手でむくわずらわしさからでしょうか、今どきの横着癖も手伝って、敬遠されがちであり、生産量も減っているそうです。

しかし、食べては香りが良くて果汁がたっぷりであり、さわやかな甘酸っぱさが特徴の果実であります。それに大粒の果肉も特徴的で、個人的に申せば、八朔や甘夏ミカンより遥かに食べやすく、2、3月の味ボケした温州ミカンとは、比べものにならないくらい美味しい柑橘である事は確かです。

 

―伊予柑の販売キャンペーンホームページーより

柑橘果樹は育てるのがむずかしいと思われがちであり、特にデコポンなどの関東の庭先では見慣れない果実なら、なおさらでしょうが、実際に育ててみると、案外手間がかからず、簡単に大きくなってくれるのです。

なによりも果樹を育てる醍醐味は、甘くておいしい果実が庭隅や家庭菜園で簡単に収穫できることです。柑橘類は常緑性で、場所さえあれば冬の庭を彩ってくれるのであり、庭園木に変に拘らず、庭木に一本仲間入りさせてはどうでしょうか。

尚、最後になりましたが、タンゴールの意味、柑橘類の雑種の呼称であり、主に「ミカン」と「オレンジ」の交雑種のことを指すそうです。その語源、温州ミカンの英名tangerinetangorangeからのorを取って組み合わせた呼び方であり、日本では「清見」「せとか」などが、その代表的なタンゴールになります。

 

伊予柑は温州ミカンと並ぶ日本産の柑橘の双璧です!ーWebPagesより

尚又、ネット上にあった話ですが、受験シーズンになると 「いい予感との語呂合わせで受験生がよく祈願する神社などで 「伊予柑」の配布が行われる事があるそうです。

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