世耕日記

参議院議員 世耕弘成(せこう ひろしげ)の活動を日記形式と雑感、主張を交えお伝えするブログです!

5月29日(火)【自民党総合エネルギー戦略特命委員会のとりまとめが了承される】

2012年05月29日 | Weblog
 山本一太委員長の下で総合エネルギー政策特命委員会の事務局長を務めているが、このたび特命委員会としての「とりまとめ」が完成。本日10時半からの政策審議会、11時からの総務会で了承され、自民党の方針として承認された。色々ご批判はあると思うが、現時点で真剣に考えた、責任ある答えだと思っている。


自 由 民 主 党 総合エネルギー政策特命委員会とりまとめ

 総合エネルギー政策特命委員会では、わが国のエネルギー政策の在り方について36回にわたる議論を続けてきた。過日とりまとめた「中間報告」をベースとしつつ、わが党としての基本方針、再稼働を含む当面のエネルギー政策および中長期的エネルギー政策について、以下の通りとりまとめた。

1.基本方針

原子力発電について、新規立地は当分の間国民の理解を得難く、現存原発もやがては耐用年数を迎えるということを現実として受け止め、今後のエネルギー政策は以下の基本方針で臨む。

(ア) 安全第一主義の徹底
今後のエネルギー政策の根本に「安全第一主義」(テロ対策を含む)を据え、特に原子力政策に関しては、権限、人事、予算面で独立した規制委員会による判断をいかなる事情よりも優先する。
また規制委員会が政治家の介入や経済政策の影響を受けずに、専門家による純粋かつ高度な技術的判断が行える環境を確保する。

(イ) 全てのエネルギーの可能性の徹底的掘り起こし
再生可能エネルギーの徹底導入、メタンハイドレート等の新たな資源の開発、省エネルギーの徹底推進等あらゆる方策により、早期に原子力に依存しなくても良い経済・社会構造の確立を目指す。

(ウ) 現在および後世の国民生活に責任の持てるエネルギー戦略の確立
いかなる事態・状況においても社会・経済活動を維持するための電力が不足することのないよう、多少の時間は要しても将来の技術動向等を見極めた責任ある戦略を立案する。
また廃棄物問題や核燃料サイクル問題等で後世に負担を残さないようにするとともに、他国における原子力災害の予防策を含め、原子力関連の技術、人材の水準は引き続き維持・向上を図る。


2.当面のエネルギー政策

(ア)再稼働の考え方
現在の政府の再稼働の進め方はあまりに稚拙であり、安全よりも需給対策を優先させたという点で大きな問題がある。また、度重なる方針変更や専門的見識に欠ける閣僚が再稼働判断を行ったことで、政府の原子力政策に対する国民の信頼をさらに大きく損なうこととなった。
わが党は安全第一主義を徹底し、今後は、原発の安全性に関しては専門家を中心とする規制委員会の判断に委ねる。具体的にはテロ対策を含む安全確保に関して、政治介入のない環境下で専門家の英知を結集した検証を実施してもらい、安全と判断されたものについて再稼働を行う。

(イ)当面必要なエネルギーの確保

規制委員会により安全でないと判断された原発分は当面以下の方途で対応する。
・再生可能エネルギーの徹底的導入
・省エネルギーの徹底的推進
・環境負荷の少ないLNG火力発電所の立地推進
・産出国との交渉方法見直し等による化石燃料の調達コスト低減
・国策として新たなガス田等の開発への積極的参画
・既に実用化されているシェールガス等の新エネルギーを外交交渉等により確保
・電力会社間の電力融通


3.中長期的エネルギー政策

将来の国民生活に責任の持てるエネルギー戦略の確立に向け、判断の先送りは避けつつ、遅くとも10年以内には将来にわたって持続可能な「電源構成のベストミックス」を確立する。その判断に当たっては、規制委員会が安全だと判断する新たな技術的対応が可能か否かを見極めることを基本に、以下のポイントも判断基準とする。

・再生可能エネルギーの量、質とコスト
・省エネルギー社会の進展度合い
・火力発電の環境負荷の低減度合い
・化石燃料資源調達コストの低減度合い
・シェールガス、メタンハイドレート等新たな資源の可能性
・核燃料サイクル、安全な廃棄物処理に関する技術動向
・規制委員会による新たな原発技術の動向判断
・安全保障上の観点及び国際的核管理政策の動向
・将来の電力供給体制のあり方
・原発立地自治体(都道府県及び市町村)への配慮
・規制緩和や競争促進による電力料金低減

トラックバック (0) | 

2月12日(日)【第4回G1サミット:頑張る同世代に刺激を受けた週末】

2012年02月14日 | Weblog
 今年もG1サミットの時期がやってきた。G1サミットとは私の同い年の友人であるグロービス代表の堀義人さんの発案で、次世代を担うリーダー層が集い、学び、議論し、日本再生のヴィジョンを描くための場として2009年からスタートしている完全招待制の勉強会で、今年で4回目になる。私はこのサミットの基本方針や招待者を決定する11人のアドバイザリーボードメンバーの一人として、初回の準備段階から参加している。日程は非常に密度高く設定されていて、昼食、夕食、バータイムもすべて議論の場となる。さらに公式日程が終わっても、深夜2時頃までは議論が続くのが常である。毎回非常に濃密な議論が展開され、私はここで同世代のリーダーから刺激を受けて、エネルギーやアイデアを仕入れて1年間頑張っていると言っても過言ではない。毎回いかなる仕事にも優先して、最初から最後まで参加するようにしている。
 俗事を離れて議論に集中するために、東京から遠く離れたリゾート地で開催されてきているが、今年は青森県三沢市の古牧温泉青森屋で開催された。

 10日(金)の早朝に東京を出発、三沢空港に到着。そこからまず六ヶ所村に直行して核燃料再処理工場を見学。私は現在自民党の総合エネルギー政策特命委員会の事務局長を務めているが、百聞は一見にしかずで、参考になる点が多かった。

 六ヶ所村から会場の青森屋へ、車中で昼食弁当を食べながら移動。
 到着直後からセッションがスタート。最初のセッションは全体会で、テーマは「G1サミットのリーダーたちに望むこと」。(財)日本総合研究所会長の野田一夫さんライフネット生命の若き経営者岩瀬大輔さんの対談。年の差50歳近くの二人の認識ギャップは面白かったが、政治に絶望しておられる感じの野田さんの発言は、政治家として針のむしろだった。

 続いて分科会に入った。同時に開催される3つの分科会の中からひとつを選択しなければならない。非常に迷ったが、あえて自分の弱い分野である「女性という社会資本の活用〜ジェンダーギャップからダイバーシティへ」に参加した。パネリストの一人である(株)ノンストレスの坂野尚子さんの「女性の活用には、行政、企業、そして男性の覚悟が必要」との発言が印象に残った。

 さらに次の分科会は「ソーシャルとクラウドの衝撃」を選択。ドリコムブイキューブカヤックアイスタイルという日本を代表するネットベンチャーの社長さんたちのパネルディスカッションだ。ソーシャルネットワークのインパクトについて(株)ドリコム社長の内藤裕紀さんの「第三者が居ることで、購買面でも政治面でも消費者が衝動的に行動するようになるということだ」との指摘と、給料をサイコロで決める?など「面白法人」を目指しているカヤックの柳澤さんの「友人が何をしているのかを見ることは、テレビを観るよりも面白いということに気がついたということ」との指摘が参考になった。

 G1サミットでは夕食もディスカッションの場になる。敷地内の伝統的な南部曲屋に移動して、いろりで焼いた魚などを堪能しながら、議論を続けた。
 さらに本館に戻って二次会。ここでサプライズとしてG1メンバーである経営者がある選挙への出馬を表明。私が即興で応援弁士と本人に成り代った演説を行って、会場を盛り上げた。
 さらに本館内のバーで3次会。深夜2時近くまでそこここで議論が続いた。

 翌朝は6時に起床し、大浴場で入浴。朝食を済ませて、8時半から分科会「成長戦略としての医療改革」に出席。同時に分科会「『ねじれ』国会にどう対応すべきか」があったが、あえて医療の方を選んだ。河北博文河北医療財団理事長、慶応医学外科部教授でもある古川俊治参議院議員ノバルティスファーマ三谷宏幸CEO、(株)ミネケア山本雄士社長ら医療の専門家がパネリスト。「中福祉低負担という国民的幻想を何とかしなくてはならない」などの問題提起が数多く行われた。やはり治療に関するデータをきちんと蓄積、分析し、活用していくことが改革の第一歩だと痛感した。

 続いてワークショップ。議論するだけでなく、具体的に行動につなげていこうという趣旨で昨年からG1サミットに導入された。すでにいくつものプロジェクトが立ち上がり、活動を始めている。今回も私はIT・インターネットのテーブルに着席。慶応の国領教授や、夏野剛さんらとともにブレーンストーミングし、IT企業の合併を進めるためのマッチングプロジェクトや、被災地の高校生にITを使った復興策を考えてもらうこと、ハッカーコンテストの実施、などの行動計画をまとめた。

 昼食は「Beyond Tomorrow」プロジェクトからのプレゼンテーション。このプロジェクトでは被災した高校生の進学支援などを行っている。実際に進学が決まった被災高校3年生3人のスピーチには心を打たれた。

 昼食後は開会式を経て、全体会。テーマは「閉塞感を打破する新たな政治」で、パネリストは石破茂衆議院議員と前原誠司衆議院議員。モデレーターは竹中平蔵氏。続いて全体会「日本経済再生の提言と行動」。パネリストは小松製作所坂根正弘会長武田薬品工業の長谷川閑史社長。モデレーターはボストンコンサルティングの御立尚資代表。豪華メンバーによる内容の濃い議論だった。国際舞台で厳しい競争に直面している坂根会長の農業に対する「一度でも攻めの姿勢を取ったことがあるか?守ってばかりで守り切れた業界はない」との指摘は的確だった。

 さらに分科会が続く。私は「TPP交渉参加〜産業強化と農業改革の二兎を追う」に参加。私の農業政策のブレーンである和郷園の木内博一代表の「『農業』というくくりで議論することは第二次産業を『工業』というくくりで議論しているのと同じ。品目で全然違う」、「TPPで逆に米が輸出できる。海外にマーケットを求めていける」との前向きな発言に勇気をもらった。

 次の分科会は私がモデレーターを務める「iPS細胞が再生医療を実現する日〜チーム・オールジャパン戦略を考える」。私の中学高校時代の友人である京都大学山中伸弥教授は論文執筆のため、急遽大阪からネット中継で出演。もうひとりのパネリストは私の経済政策ブレーンであるコラーキャピタルのパートナー水野弘道さんだ。水野さんはG1サミットをきっかけに、山中教授のサポートを行ってくれており、今春から無給で京都大学iPS研究所の特任教授に就任する。生き馬の目を抜く投資ビジネスの世界で好業績を上げてきた水野さんがようやくビジネス化の端緒が見えてきた日本のiPSの支援に回ってくれていることは心強い。ネット中継も最近は性能が良く、ストレス無く進行できた。山中教授は「世耕が二日酔いなのがよく見て取れる」とジョークを飛ばしていた。山中教授がぶつかっているのは、資金の壁。これから実用化していくにあたっては知財面などで、多くの人材を投入しなければならないが、国の研究費補助では5年の期限付きでしかスタッフを雇用できない。私は会場のビジネスリーダー達に率先して寄付をするように呼びかけた。

 一日中議論しておなかが空いたところで、ディナー「東北の豊穣を楽しむ」。乾杯の後、私とNHKの有働由美子さんとで供されるワインの紹介。G1メンバーである辰巳琢郎さんが被災地東北のワインを中心に15種類用意してくれたが、辰巳さんがドラマ「カーネーション」の撮影が急遽入って大阪へ向かったため、私がピンチヒッターを務めることになった。有働さんの機転の利いたフォローで何とか乗り切ることができた。私がとっさに思いついた「有働さんとマイクを握っていると紅白歌合戦の司会をやっている気分になります。でも今晩は同じ紅白でも赤ワインと白ワインの紹介です」とのコメントは結構うけた。
 ディナーの最後はねぶた祭りの体験。舞台に上がってメンバーが踊りまくった。

 この日の公式プログラムはディナーで終わりではない。9時半からは10のテーマ毎に各部屋に分かれてナイトセッション。私は同志社大学村田晃嗣教授とともに「政界再編はできるか」に関するフリーディスカッションのファシリテーターを務めた。

 さらに旅館内のスナックを舞台に3次会。この日も2時過ぎまで議論が続いた。聞くところによると堀さん達は3時半まで飲んでいたらしい。

 翌朝6時に大浴場に行くと、つい数時間前まで飲んで議論していた人たちが、何もなかったかのような顔をして入浴している。経営者と政治家はタフでなければいけないと痛感した。

 朝食を済ませて、8時から分科会「コンプライアンスと企業成長〜日本からGoogleは生まれるか」に参加。裏の分科会が茂木健一郎さんがスピーカーを務める「知性とは何か」だっただけに、どちらに参加するかぎりぎりまで悩んだ。何かと話題の郷原信郎さん、柴山昌彦衆議院議員、日経新聞の三宅伸吾編集委員と永沢徹弁護士がパネリスト。コンプライアンスで萎縮する日本企業の姿を浮き彫りにした。経営者の保身のためのコンプライアンスから脱却しなくてはならない。

 次の分科会は「ユーロは破綻するか?〜ユーロ危機が世界経済に与える影響とは」。JPモルガンのジェスパー・コール氏、日本総研の翁百合氏、コラーキャピタルの水野氏からそれぞれ分析を聞いた。

 最後の分科会は「被災地に立ち上がる民間の力」。吉里吉里国代表の芳賀さんメッセージが心に響いた。

 ランチタイムは三沢市生まれの格闘家・小比類巻太信さんの杉板割、バット4本折り実演を観ながら。迫力だった。さらに続いて柴田三兄妹の津軽三味線。素晴らし演奏だった。感動した。

 午後は全体会。まずは「日本変革の新たな力〜G1サミットのリーダーたちに望むこと」。鈴木英敬三重県知事、グリー田中良和社長、アルピニストの野口健さんの30代メンバーによるパネルディスカッション。

 さらに最後の全体会は渡部昇一上智大名誉教授と堀義人さんの対談。

 そしてクロージングセッション。私もアドバイザリーボードメンバーとして登壇。「今回は80歳台の講師先生から30歳台のパネリスト、20歳台、高校生の参加者など、年代に大きな開きがあった。また大学出て、会社に入ってという典型的経歴以外の人も増えてきている。過去の成功体験にとらわれないということは、こういう年代や経歴の壁を乗り越えたダイバーシティが重要と言うことではないか」とコメントさせてもらった。

 終了後、ローカル線、青い森鉄道で三沢から八戸へ移動。新幹線で東京へ向かった。

 読んでいただければ分かるように、非常に濃密な2泊3日であった。ここでの議論と体験の成果を政治の世界でしっかり行動につなげていきたい。

 

 
  
トラックバック (0) | 

8月12日(金)【党特命での再生エネ買取法案審議:新たな政策決定プロセスのモデルに】

2011年08月12日 | Weblog
 一昨日の自民党総合エネルギー政策特命委員会で、「再生可能エネルギー買取法案」に対する論点整理が終わり、12項目にわたる党としての基本的考え方がまとまり、民主党との修正協議について事務局に一任を取り付けたことを受けて、民自公3党実務者による修正協議が昨日午前から始まった。民主党側はほぼべた降りの状況で、自民党の言い分がほぼ全部取り入れられて、3党間で修正合意が昨日夕刻に成立した。
 価格決定にあたって関与する第三者委員会を立ち上げさせ、人選には国会の同意が必要とした点、決定の根拠となった数値や利益率の国会報告を求めるなど国会の関与が強まった点、電力多消費産業への料金上乗せ減免措置が盛り込まれた点、安価なパネルでぼろもうけが出ないように、技術基準、安全基準を盛り込んだ点、エネルギー基本計画変更に合わせた見直し、などが主な修正点だ。民主党政権の提案した原案は非常にアバウトな内容だったが、我が党の主張をほとんど全部盛り込んだ修正により、ずいぶんきちっとした法案になった。再生可能エネルギー導入は積極的に進めつつも、価格決定はしっかり国会がウォッチして特定の企業がぼろ儲けすることを排除し、技術レベルの高い国産メーカーの製品が導入されやすい環境も整えた。

 今日は朝から党総合エネルギー政策特命委員会を開催し、修正案について参加者全員から了承を取り付け、その後政策会議、総務会と了承手続きが取られた。事実上再生可能エネルギー買取法案の成立が確実になった。

 ここに至るまで、このブログでも何度も報告してきたが、全体論の自由討議、賛成・慎重双方の専門家からのヒアリング、党のこれまでのエネルギー政策の反省、各再生可能エネルギー分野代表からの実情、技術動向ヒアリング、産業界、電力業界からのヒアリングを重ね、論点整理については4回にわたる自由討議を長時間行い、都合今日まで19回にわたる会議を行った上で、法案修正案の確定に至った。その過程で官僚が関与したのは法案そのものの説明と、自由討議の際に政府の立場を確認するために数回答弁した程度である。電力業界や経団連からはオープンな場でヒアリングを行ったのみで、特定の業界団体の影響も受けることはなかった。
 この再生可能エネルギー買取制度に対しては自民党の中には強力に推進する立場の議員から、非常に慎重な姿勢の議員まで大きく意見の幅が開いており、意見集約は極めて困難と見られていた。しかし山本一太委員長の指揮の下、西村康稔委員長代理、世耕事務局長、斎藤健事務局次長の4議員と、そして事務局スタッフが力を合わせて、発言を求めるすべての議員の意見に耳を傾け、出た意見はきちんと論点整理に反映させる、という作業を地道に続けた結果、意見集約に成功した。終盤では「エネルギー基本計画が白紙の状況の中で買取制度だけ先行させるのはおかしい」との慎重派の意見を尊重し、「法案を時限立法にする」という事務局案を提示したが、自由討議の中で「それでは後ろ向きと取られる」との意見が多かったことを受け、「恒久法とするが、エネルギー基本計画が変更されるたびにきちんと見直す」という変更を行い、全員から支持されるという場面もあった。まさにオープンで透明な議論を行った結果の意見集約成功であった。

 今日の特命委では川口順子議員が「各議員に個別の条項については、まだまだこうして欲しかったという不満は残っているだろうが、きちんとした議論のプロセスは高く評価する」とのコメントがあった。石破政調会長も最後に「今回の再生エネ買取の修正案は、官僚に一切依存せず、丁寧に議論を積み上げて作られた。政治主導の政策決定プロセスのモデルになり得る。今後政権に返り咲いてもこのスタイルを続けなくてはならない」との指摘を行った。今後自民党の他の政策決定にあたっても、今回の特命委員会の手法が取り入れられることを期待したい。

 情けないのは民主党である。法案を作成にあたって党の部門会議はほとんど開かれていない。修正協議が始まる昨日になって慌てて環境部門会議を開いたが、法案の論点について資源エネルギー庁に丸投げしていたことも判明した。政治主導が聞いて呆れる状況である。しかも昨日の3党協議では民主党協議委員である増子輝彦議員が「来客のため」すっぽかすという事態も発生し、法案成立に本来責任を持つべき与党としての振る舞いも出来ない状況であった。
 自民党は特命委員会の議論を19回。そして政策会議、総務会ときちんと議論を積み重ねてやってきた。修正協議に臨む直前まで山本、西村、世耕、斎藤の4人で打ち合わせを行い、特命委で示された意見が修正案にきちんと盛り込まれるよう入念に点検も行った。与党時代の問題点であった官僚依存や業界団体の影響も今回の特命委では排除して議論を行った。
 もはや自民、民主両党間の政策立案の能力の差は歴然としている。一日も早い政権交代が必要である。
トラックバック (0) | 

8月10日(水)【再生エネ買取法:自民党の意見集約完了】

2011年08月10日 | Weblog
 再生可能エネルギー買取法案に対する自民党の基本的考え方が今朝の総合エネルギー政策特命委員会(山本一太委員長、世耕事務局長)でまとまった。ここまで18回の会議を重ね、制度導入に賛成、慎重な立場の有識者や各エネルギー分野の専門家からのヒアリングを行ってきた。方針をまとめるにあたっての自由討議も今日で4回目だ。
 「エネルギー基本計画が白紙の状態なのに、買取制度だけ先行させるのはおかしい」との意見が多かったことを受けて、昨日は「3〜5年間の時限立法とし、その間は全力で再生可能エネルギー促進に全力を注ぎ、3〜5年後に基本計画をベースとして本格的な制度導入を図る」という案を事務局として提示したが、逆に「それでは中途半端だ」、「3年後に廃止されるかもしれない状況では参入する事業者はいない」などの反対が相次いだため、今日は「時限立法」の部分を修正して事務局案を提出した。
 今日もいろんな意見が出されたが、最終的には山本委員長への一任を取り付けることができた。特に推進の立場の議員、慎重な立場の議員双方から18回も議論を重ねて丁寧に議論を集約してきたことについての賛辞が相次いだ。事務局長としてたいへん光栄なことである。
 これからは、政府民主党との修正協議に入ることになる。聞くところによると、民主党では自民党のような丁寧な意見の集約は行われていないようである。党の部門会議で議論したこともないようだ。自民党のように専門家からのヒアリングも行っていないらしい。そんな党の十分な修正協議はできるのだろうか。ちょっと心配だ。

今日まとまった自民党の基本的考え方を以下ご紹介する。

「再生可能エネルギー買取法案」に関する基本的考え方

○ 再生可能エネルギーについてはわが国の国際競争力確保、産業振興及び地域振興の観点から促進を図る。

○ 買取法案は恒久法として立法するが、エネルギー基本計画策定、見直しに連動して抜本的見直しを行うこととする。

○ 施行後3年間は再生可能エネルギー「促進期間」として発電事業者に一定のインセンティブを与える一方、3年後にエネルギー基本計画や3年間の実施状況を踏まえ、抜本的見直しを実施する。

○ 導入にあたっては、既存の発電事業者、発電設備との公平性にも配慮した適正な利益水準での導入を前提とする。

○ 価格決定(フォーミラー策定)の基本的考え方については法律に明記し、中立的な第三者機関等が透明な手続きで行う。

○ 価格決定に際しては、再生可能エネルギー発電設備の所管の大臣(農水大臣、国交大臣)、環境大臣と協議する。

○ 価格決定の根拠数値(建設費、運営費、発電事業者の利潤等)の国会報告を義務付ける。

○ エネルギー種類別、設置形態別等(太陽光3形態、風力2形態)を反映させたきめ細かな価格設定を行い、少なくとも1年ごと(状況によっては半年)に価格の見直しを行う。

○ 中小を含む電力多消費産業のサーチャージの軽減措置を講ずる。

○ 技術基準、安全基準はわが国固有の事情に配慮したものとする。

○ 再生可能エネルギー設備設置に際し障壁となっている各種の権利調整や規制に関する緩和の方向性を法律に盛り込む。

○ 買取による電気料金上昇要因をカバーする観点から、短期・中長期それぞれの電力料金引き下げにつながる政策を検討する。
(発送配電分離、東西周波数統一、石油石炭税の増収分の活用 等)
トラックバック (0) | 

7月28日(木)【蓄電池技術にも注目が必要:電力の地産地消】

2011年07月28日 | Weblog
 総合エネルギー政策特命委員会での再生エネルギー買取法案に関する議論が精力的に進んでいる。一昨日は水力発電、特に小水力発電について専門家を呼んで勉強。そして12回目の会議となる今朝は燃料電池、蓄電池について勉強した。
 太陽光や風力といった形で家庭や企業で発電された電力を電力会社に送電していると、途中の送配電ロスが発生するし送配電設備に投資が必要となる。電力会社に送電する代わりに家庭や企業内に蓄電池を設置して電力を蓄えて、当該家庭や企業で夜間や凪の際に使用するようにすれば、電力ロスは少なくてすむし、送配電設備への投資も必要なくなる。これはいわば「電力の地産地消」かつ「電力のタイムシフト」の発想である。
 気象条件により発電量が激しく上下する太陽光発電や風力発電が盛んになり、売電を通して電力会社の系統電力に大量に入ってくると、電力系統の電圧や周波数が不安定になり、品質が悪化する懸念がある。蓄電池を活用した電力の地産地消を進めれば、電力会社の系統電力に悪影響を与えることはない。一方で家庭や企業が電力会社から購入する電力は減り、電力会社への負荷は低下し、原発の停止等に対応できる余力が生まれる。
 また発電事業者の風力発電所やメガソーラーに蓄電池を設置すれば、気象条件による発電量の変動を出力時に平準化することも可能になる。
 
 また蓄電池の主力であるリチウムイオン電池の今後は日本企業にとっても期待が持てる。残念なことに太陽光パネルの生産量に関しては日本は中国やヨーロッパに大きく水を開けられてしまっている。しかしリチウムイオン電池については、日本は世界のトップシェア(43%)を握っている。リチウムイオン電池は材料メーカはもちろん、金属加工、メッキといった裾野の広い技術であり、リチウムイオン電池を軸とした蓄電システムが日本発で世界に普及していけば、日本の産業へのプラスの影響は大きい。

 しかし明るい話ばかりではない。リチウムイオン電池は韓国から猛追を受けている。2000年には日本94%、韓国3%だった世界シェアは現在日本43%、韓国38%ととなっている。この1〜2年が日本にとっての正念場である。韓国との激しい競争の中で、日本メーカーから人材が引き抜かれ、技術や情報が流出しているという情報もある。日本企業の知財をしっかりと保護する仕組みを構築しなくてはならない。
 また今の政府のように売電事業者の利益のみを優先して全量買取制度ばかりに集中していると、蓄電池を設置した家庭や企業は損になる。何しろ「売電」せずに自家消費するという形だから電力会社への売り上げ収入は期待できない。普及に向けた何らかの補助制度等が必要である。
 リチウムイオン電池特有の規制の見直しも重要だ。消防法では非常用電源として鉛蓄電池やNAS電池は認められているが、リチウムイオン電池は認められていない。また使用している溶解液が危険物に指定されている物質を使っているため、設置場所の規制や設置コストが膨大であるという問題もある。実際には完全に封入されているわけであるから危険度は高くないし、外国でリチウムイオン電池を引火性液体として取り扱っている例はないそうだ。
 
 再生可能エネルギーについては買取法案を中心に「売電事業者から電力会社がいくらで買い取るか」というポイントに議論が集中しがちであるが、リチウムイオン電池を中心とした蓄電技術を持ちた電力の地産地消を進める視点も忘れてはならない。もちろん風力、太陽光、地熱といった技術をしっかり開発、普及させていくことも重要だが、蓄電技術が日本のエネルギー戦略および産業育成につながることを認識しておく必要がある。
トラックバック (0) | 

7月22日(金)【再生エネルギーの議論を集中的に:総合エネルギー政策特命委】

2011年07月22日 | Weblog
 自民党の総合エネルギー政策特命委員会の議論が精力的に進んでいる。
 全体会議だけも今日で10回目。山本一太委員長の下で予断・聖域ののない議論が進められている。

 第1回〜第3回は、過去の自民党のエネルギー政策の総括を含めた全体論を行ってきたが、第4回以降は政府が提出しているいわゆる「再生可能エネルギー買取り法案」について詰めた議論を行っている。

 第4回は、経済産業省の実務者を呼んで「再生可能エネルギー買取り法案」について、詳細なヒアリングと質疑を行った。
 第5回は、再生エネルギー買取り制度に積極的な飯田哲也環境エネルギー政策研究所所長からヒアリングを行った。
 第6回は、産業界と電力業界の意見を聞こうと言うことで経団連、電事連から話を伺った。
 第7回は、風力発電について、日本風力発電協会と日本風力開発株式会社から実情を勉強させてもらった。
 第8回は、太陽光発電ついて太陽光発電協会、シャープ、イーソリューションズからヒアリング。
 第9回は、洋上風力発電について東京大学生産技術研究所の木下健教授から、地熱発電について日本地熱開発企業協議会、奥会津地熱、富士電機から話を伺った。
 また10回目の今日は、飯田環境エネルギー政策研究所長とは逆の立場で発言されることが多い、21世紀政策研究所 澤昭裕研究主幹から、エネルギー戦略の中での再生可能エネルギーの位置づけ等について伺った。

 今後も水力発電、バイオマス発電、蓄電池技術、スマートグリッド等々について専門家の意見をしっかり聞いていきたい。
 併せて、全議員が参加するフリーディスカッションも開催して、論点整理や法案の評価を行い、「再生可能エネルギー買取り法案」に対する自民党のスタンスを決めていきたい。

トラックバック (0) | 

7月15日(金)【再生可能エネ買取り法:民主党は産業界の意見聴かず決定。自民はみっちりヒアリング】

2011年07月15日 | Weblog
 今日も朝から自民党の総合エネルギー政策特命委員会(山本一太委員長、世耕事務局長)の全体会議だった。
 今日は経団連と電気事業連合会からのヒアリング。両団体からの意見をみっちり聴いた後に、多数の議員から意見、質問が出され、いつもながらの活発な会議になった。
 驚いたのは、経団連、電事連ともにこの法案が国会に提出されるにあたって、民主党からヒアリングを受けたことがない。というのだ。他の件でもそうだが、いつも十分な党内議論なしに拙速かついい加減に政策決定する民主党の体制には呆れて物が言えない。やはりこの政党には世の中の多岐にわたる意見を集約して、物事を決めていく能力が決定的に欠けていると言わざるを得ない。やはり政権交代が必要だ。

 翻って自民党はこの総合エネルギー政策特命委員会で充実した党内議論を行っている。再生可能エネルギー買取り法案への自民党としての態度もこの委員会で決定していくことになる。私は事務局長として、バランスの取れた講師を人選し、開かれた議論を行っていく責務を感じている。
 第1回は、多くの議員が参加してのフリーディスカッション。この委員会で議論すべき論点について総ざらえした。
 第2回は、ジャーナリストの田勢康弘さんと日本総合研究所理事長の寺島実郎さんを講師に招いて、エネルギー政策の全体論について踏み込んだ議論を行った。寺島さんは隣に座っている私に対して「自民党の勉強会は早朝なのに出席率がいいね」と驚いておられた。おそらく民主党の勉強会と比較してのことだろう。
 第3回は、過去の自民党のエネルギー政策をリードしてきた野田毅、甘利明、細田博之、川口順子議員達からのヒアリングを行った。ベテラン議員側から率直な分析と反省が示され、議員からは理解を示す声と、厳しく批判する声が交錯した。
 第4回は、経済産業省の実務者を呼んで「再生可能エネルギー買取り法案」について、詳細なヒアリングと質疑を行った。
 第5回は、再生エネルギー買取り制度に積極的な飯田哲也環境エネルギー政策研究所所長からヒアリングを行った。
 そして今日が第6回目。
 今後は、各再生エネルギーごとの技術動向等を集中的にヒアリングするとともに、買取り制度に批判的な有識者の意見も聴く。メガソーラ等の現地視察も行いたい。

 自民党は一つの政策を決めるに当たって、これだけの入念な議論を行う。もちろん議論だけでなく、最終的にはきちんとして党としての結論を導き出していくのである。

 産業界からのヒアリングも行わずに、重要法案を国会に提出してしまった政府・民主党は猛省して見習ってほしい。政権与党がこのていたらくである以上は、我々自民党がしっかり議論して、国会での法案修正を行っていく、責任野党の役割を果たしていく必要がある。
トラックバック (0) |