傍観者の独り言・戯言

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加計学園事案:人間、安定志向で将来不安があれば忖度を受容する弱さを痛感(雑感)

2017-06-13 06:02:11 | 独り言

加計学園事案は、政府は早期沈静化できず、文科省がリーク文書(「総理のご意向文書」)を再調査する事態になっていますね。
リーク文書を元事務次官・前川喜平氏が存在していると明言したことで、加計学園事案は上位権力者への忖度が顕在化していますね。
 当方は、官庁であろうが民間であろうが、上位権力者への忖度は常態化の社会と思っており、問題は順法・公正から逸脱しているかどうかで、逸脱が判明した際に告白するかどうかが問題で、最悪なのは上位権力者が口封じを示唆した際に忖度した人間の生き様ですね。

当方が加計学園事案で触発された記事は、ダイヤモンド・オンラインの横田由美子女史の記事『加計問題で翻弄された“信念の官僚”、前川氏と藤原氏の悲哀』(2017.06.09)で、人間、使命感を持ち責務に精励しても、上位権力者に忖度せざるを得ない事はありますね。
横田由美子女史は記事『加計問題で翻弄された“信念の官僚”、前川氏と藤原氏の悲哀』で、「280926藤原(豊)内閣審議官との打ち合わせ概要」(獣医学部新設)」という題名の添付文書が露見し、文科省が忖度の主役に報道されているが、藤原(豊)内閣審議官は経産省からの出向者で、霞ヶ関では「国家戦略特区」の中心的人物として知られ忖度の主役は内閣府、官邸ではないかと。

戦略特区は、小泉政権時代の規制緩和策として採用された「構造改革特区」が原点で、藤原(豊)内閣審議官特区の中心人物だったが、その後の自民党の凋落とともに、特区ブームも衰退し、特区室メンバーには民間・政界に転職・転出し、残留した藤原(豊)内閣審議官は冷や飯食いになるが、安倍政権の誕生で出番が回ってきたと。

特区が専門の藤原(豊)内閣審議官には追い風になったが、逆に負い目になり、記事では、藤原(豊)内閣審議官と交流のある内閣府の官僚の指摘
“「藤原さんは、前川さんとは別の意味で毀誉褒貶のある人だが、信念の官僚。特区を活用して岩盤規制に斬り込みたいと真剣に思い、実行した。だが、安倍首相主導という政策ゆえに、かかる期待もまた大きかったのだろう。上司から、“血を吐くまでやれ”と檄を飛ばされていたほどだ。加計の獣医学部の背景は別として、藤原さんは、獣医学部の新設は必要と考えていたし、10年近く検討課題にされ続けていた案件を、機に乗じてまとめたいと考えるのは、仕事ができる官僚なら当然のことだ」”(内閣府の官僚)
を紹介し、性急に事を進める藤原(豊)内閣審議官像を記述していますね。

他方で、記者会見をした文部科学省の前川喜平元事務次官については、記事では、小泉政権時の“聖域なき構造改革”をスローガンの「三位一体の改革」で存廃の対象となったのが、文科省の「義務教育国庫負担制度」であり、小泉元首相の意を受けた財務省は、強力な布陣で「財源を地方公共団体に移譲した上での一般財源化」を主張・推進し義務教育国庫負担金は廃止が決定の見込みに、当時、1課長だった前川氏は、省内に理念と志を同一にする「奇兵隊」を組織し、財務省とそのバックにいる小泉、当時の懐刀だった幹事長の安倍(05年より内閣官房長官)に対して徹底抗戦を見せ、霞ヶ関の常識ではあり得ない、現役官僚が時の総理が推進する政策に真っ向から盾突き、一時は「廃止」が確定していた義務教育国庫負担金は、3分の1にまで戻す形で決着し文科省の省益を堅持した功労者と記述していますね、

そして、前川氏の出自について、
“「前川の家がかなりの名家だということは、霞ヶ関内では知る人ぞ知る情報だ。
 出身は奈良県で、前川家は旧家だった。祖父の代に上京し、総合機械製造業の前川製作所を設立。現在は叔父が3代目を継いでいる。もう一人の妹はレストランチェーンを中核事業とする一部上場企業の会長夫人。元文部大臣である弘文の娘は、日本交通の3代目社長に嫁いでいて、前川を「キヘイ叔父」と呼び慕っている。縁戚は、鹿島建設の鹿島家とも繋がる
。」“
で、当方は生活の将来不安が無いことに注視しました。

前川元次官の見解が話題の際中に、突如、読売新聞が前川氏の「出会い系バー」出入りを報道し、菅官房長官は、「さすがに強い違和感を覚えた」「「怪文書みたいな文書」と個人批判し、辞任については、「私の認識とまったく異なっている。前川氏は天下り問題については、再就職等監視委員会の調査に対して、問題を隠蔽した文科省の事務方の責任者で、かつ本人もOB再就職のあっせんに直接関与していた」とし、その上で、「そうした状況にもかかわらず、当初は責任者として自ら辞める意向をまったく示さず、地位に恋々としがみついていた。その後、天下り問題に対する世論からの極めて厳しい批判にさらされて、最終的に辞任された方と承知している」と、前川氏を強い口調で非難したが、前川元次官は反論していましたね。

当方は、前川元次官については無知で次官だから大物と呼ばれてると思っていたが、横田由美子女史の本記事に接して、大物と呼ばれる所以があると思いましたね。
前川元次官は辞任後、社会福祉のボランティア活動しており、将来生活不安が無く過ごしており、加計学園事案で文科省が悪者にされているのが我慢できず意見を発したのでしょうね。

加計事案は、元次官の個人的憶測意見では収束できないでしょうね。
報道によれば、文科省現役官僚に前川親派がいるとあり、正々堂々と第2前川が出現するでしょうね。
官邸は、前川元次官の弱みを握っていると、印象操作で前川発言を抹殺できると思ったのでしょうね。
12日のテレビ朝日の「羽島モーニングショー」で、「今治市開示資料7840ページ徹底検証」で政府見解の矛盾を指摘し、検証すべきは文科省でなく「国家戦略特区」内閣府官邸という方向性と打ち出していましたね。
前川元次官より藤原(豊)内閣審議官が焦点になり、記憶に無いの弁明で許されないでしょうね。

さて、横田由美子女史の本記事で、“信念の官僚”の藤原(豊)内閣審議官と前川喜平元事務次官の悲哀と論じていますが、サラリーマン経験の当方には、別の感想をもちましたね。
官僚であろうが民間人であろうが、組織のため上位権力者に忖度するのが当然であり、問題は自己主張を貫徹できるかです。
当方は、「会社を辞めてやる」という思いは何度もあったが、将来生活不安を思うと決断できず、早く自己安定基盤を構築し、「退職願」を懐に入れ仕事したいと思っていました。
藤原(豊)内閣審議官の出自は知りませんが、前川喜平元事務次官は名家の出身で人生に余裕度があり、信念の仕事に精励でき人望を集め次官まで務めたのでしょうね。
藤原(豊)内閣審議官は冷遇時に、安倍政権で特区が関心事になり、性急に結果をだそうとしたのが加計学園事案で、横田由美子女史の言う「信念の官僚」の悲哀でなく、「人生の悲哀」「人間の悲哀」を感じましたね。




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