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◇新エネルギー◇三菱重工業、エコマンションにリチウム電池を使った定置用蓄電池システムを納入

2011年04月28日 09時41分39秒 | リチウムイオン電池

 三菱重工業は、三井不動産レジデンシャルが東京都国分寺市に建設している環境調和型のエコマンション「パークシティ(Park CITY)国分寺」向けに、リチウム二次電池を使った定置用蓄電池システムを納入する。

 40kWhの大きな蓄電容量を持ち、屋上に設置された太陽光発電設備で発電される電力を蓄電する一方、停電時にはライフライン維持に威力を発揮する。

 同社のリチウム二次電池が集合住宅に採用されるのは初めてのことで、納入は9月の予定。

 パークシティ国分寺は、JR中央線沿線にある約1万3,000m2の敷地に建設されており、延べ床面積は約3万7,000m2で、331戸で構成。三井不動産グループが本格展開していくエコマンションのフラッグシップモデルとして、2012年からの入居開始を目指して分譲が行われている。

 同社が納入するリチウム二次電池による蓄電設備は、太陽が出ている間につくられた電力を蓄え、夜間の各共用部に供給するだけでなく、万一の災害時などに電力会社からの送電が途絶えても、この蓄電機能により最大40kWh相当の電力を緊急性の高い設備に供給することが可能。

 同設備は、コンパクトで高い出力を長時間供給できるのが特長で、双方向コンバータはニチコン社製を採用。

 同社はリチウム二次電池事業への本格参入に向け2010年11月、長崎造船所(長崎市)内に同電池の量産化実証工場を完成・稼働。早期の商業量産本格化に向け製造面の技術実証に取り組む一方、システム開発力を活かした同電池の市場創造にも力を注いでいる。

 同様のシステムとして出力3kW~数千kWの蓄電システムを開発中で、自然エネルギーの蓄電機能のほかに、非常用バックアップ電源機能も装備可能。

 開発中のシステムはマンションだけでなく、ビルや工場、ショッピングモール、ガソリンスタンドなどで幅広く活用できる。
 
 3月に発生した東日本大震災に伴い関東を中心に長期の電力不足が懸念されるなど、節電や災害対応に向け蓄電設備に対する需要が高まっている。

 このため、当初は2012年の発売を予定していたが、前倒しで製品化を進めることにした。