Neverending Cult

「ただのファン」で居続ける為のブログ

僕らの境界/関谷あさみ

2015-02-26 | 成年コミックス
                             






自分は関谷あさみさんの漫画、感情の表現、立体的なキャラクターが大好きなんです
だから7年ぶりに成年コミックが出てそれを買う時も買って家で眺めてるときも凄く感慨深くて
ちょっと想いが溢れて涙が出そうになってしまったくらいです
中身も本当に素晴らしくて、
一面的ではない、「正しい/正しくない」とかそんなちっぽけな基準では計れないリアルな感情「だけ」がひしめいています

背徳・・・と一言で表してしまえば単純かつ明快な表現ではありますが
そういう背徳の中で見せるふとした表情や
迷いの中でスッと生まれる安らぐような気持ち
何とも言えるようで、その実何とも言えない感情の表現
間違ってても、正しくはなくとも、確かに生まれるリアルな、“本当の気持ち”に触れるとその度に胸に来る感覚があって
生々しい行為の描写や背徳を含んだ情事というシチュエーション、クオリティの高い性器の作画など所謂実用性にも長けた本ではありますが
はっきり書くと実用性云々だけでは済まない空気感とドラマを内包した傑作に仕上がってると個人的には思います

またメインキャラだけでなく周囲の人物も良い味だしてたり、
時には物語に複雑な後味を与えたりしてくれるのでその点も注目して欲しいですね
関谷さんは日常描写に関しても長けてる作家さんなので日常描写の面白さ、生々しさも含めて楽しんで欲しい渾身の新作でした
前作であり個人的に今でも相当の思い入れのある「YOUR DOG」に続く7年ぶりの単行本・・・なので
7年間の想いと今作の物語に対する愛情と支持を嗚咽するかのような勢いを込めて綴っていきたいと思います。













☆表紙、折り返し、カラー、口絵など

表紙は帯を付けている状態ならば健全そのものです
(まあ個人的に官能自体がある意味では全然健全だと思ってるからこういう“健全”の使い方は嫌いなんですけど)
でも帯を外すと「おや?」ってなるあたりが中々に上手いですねえ そして、折り返しのヌードカット
この時点でもう「最高です・・・(感涙)」って想いに駆られたんですが(早い
カラーページの女の子の可愛さ、
特に畳の部屋でヤってんだけどちょっと廊下にはみ出しちゃってる女の子が表情含めて堪らないですね
口絵のコンドーム渡されて紅潮している女の子(表紙のれいかちゃん)も流石の生っぽさで素晴らしいです
7年ぶりとあってこういう所からも気合いが伝わって来るのが実にイイな、と思いました。
あ、ちなみに勿論出て来るヒロインは全員スレンダー体型なのでそこは念頭に。



暑い夜

実の兄妹同士、親戚のおじさんの家で密かに情事に勤しむ・・・と言った内容
艶っぽい男根の描写のリアルさが健在でとても良いんですが、実はおじさんに見られていた、という展開
だけど、それが問題に~とかそういう方向に行くんじゃなく、逆にそこはかとなく軽蔑の目線を向けられて
兄が何となくそれに気付いて複雑な表情で空(くう)を見つめる・・・という関谷節がバリバリ効いた展開に唸りました。
説明せずとも「しばらく立ち止まっていたんだろうな」と感じさせるカットと表情が流石、ですね。



走れ!

ロリータアイドルやってる芽依ちゃんがその反動で兄にアプローチしに来る話。
とにかく芽依ちゃん可愛すぎ・・・!と思いつつ、
スク水着させた時のあそこの線だったり質感が生々し過ぎて流石に感じる背徳感も凄いですな(笑
まあ需要があって金も稼げるとは言えこういうのはやっぱり、ねえ?
しかも女流作家がこういう題材ていうのがまた二重に凄い
スク水のカットだけで既に惹かれましたが、
無表情のクーデレキャラに思えて実はめちゃくちゃ素直なお兄ちゃんっ子っていうのがまた堪らないじゃないですか
観てるこっちがドキッとするくらいのロリータ具合、なのにも関わらず素直に感じちゃう姿にキュンキュン
生々しいパンツの描き方と濡れて来た際のねちっこいいじくり行為の描写もまた絶品
さり気に行為中の官能ワードのアウトプットが不発に終わるシーンがあるのもまた生っぽくてイイですよね
ただただひたすらに芽依ちゃんの可愛さに浸っていたくなる珠玉の実妹コミックに仕上がっていますが
終わり際で、ロリータアイドルやらせてる親を振り切って二人で逃亡する~という
大胆な行為に出ます
後先何にも考えてない愚行・・・だけど、
ただ、少しだけ芽依が「安堵している」表情が見られた
この後怒られてもどういう処置を食らっても、一瞬だけでも妹の為に“何か”をする事が出来た
本当に大切なのは、そういうことなのかもしれません。刹那的な幸福だって、確かな幸福なんだ。って
そんな風な雰囲気も感じられるオチもまた良好で印象的な秀作だと思います。
しかしまあ関谷さんの描くロリータは属性的なものがない自分でも素直に「可愛い!」と思えるのが実に素敵ですね。



溺れる夜に


「暑い夜」の続編。
まあ今回は自宅でラブラブ行為に励んでる内容なんですけど、
スレンダーでも胸の描写で興奮を誘える確かな描写力、
指を咥えさせてる姿が官能的だったりと
一筋縄ではいかない内容
ひくついた女性器、ビンビンの男性器の作画表現など見事に実用性に長けた一作に仕上がっております
蕩けた明穂ちゃんの表情の数々や、これが異常だと分かってても感情を抑えられずに懸命に切なそうに腰を振る兄
たった一つの情事を取ってもここまで表情の引き出しやドラマ性を演出出来るのは見事ですね
明穂ちゃんの表情も良いですが兄の直希の表情にも是非注目です

そして、最後には一度軽蔑の目線を向けられたおじさんから
もっともらしい理由を付けて正月の来訪を断られる、というちょっと辛辣なオチが付いてます
そのオチ自体も凄いですが、自分が間違ってても、これが真っ当な事ではないと分かってても
それでも自分は―
っていうそういう感情がそこはかとなく伝わって来る雰囲気や演出が何より凄くて
「正しい/正しくない」では決して計れない作劇の面白味に満ちている傑作だと思います

間違ってる、
多分誰にも認められない、
それでも、明穂の笑顔を見て心からいとしく思えるこの感情だけは紛れもなく“本当のことで―”という
心情がナレーション等でなく何もセリフで伝えなくとも伝わって来るのが実に好きなんですよ。
例え軽蔑の眼差しを向けられようとも、この二人の道に幸があるよう祈ってます。
「本当のこと」だけを探して。



おとなりさんの窓

すっごい分かりやすい中学生ハメまくり漫画です
これはそれ以上でもそれ以下でもないんですけど、
さり気に周りの友達たちの反応がリアルでそれも含めて楽しめる一作ですね
まあ、男子ならば絶対まずは肉体関係の想像から入りますよね(笑
しかもその通りっていうのも滑稽で面白かったです。「もうエッチとか~」って想像した子はきっとむっつりですね(確信)



ラストキング

おじさんの思考と趣向が生々し過ぎて関谷さんは一体何ものなんだ・・・!?ってなりますね(笑
女流作家にも関わらずここまでリアルな男子を描ける才能は素直に凄いと思う
そして、クリいじりからのブルマ切り抜き、
あそこの部分だけ露わになってしまった東子ちゃんが官能的過ぎて思わず滾りました(←バカ)
恥じらいつつも紅潮しつつも自らのエロティックさを否定しながら感じちゃってる東子ちゃんも可愛すぎですが
「立ってるのに」「ナニがね」って春馬さんのスケベオヤジっぷりもまた良かったです
中出し、泡立ち、舐めさせるといった一連の流れのねちっこさやまだ幼いのに安産型の東子ちゃんのおしり等官能描写最後までキレッキレでした
元教え子関係っていうのもロマンがあって実に素敵だな、と(笑
人間性の面白さが光ってる秀作。



LUST KING append ver.

「ラストキング」の続編。
横からズポズポ挿れたり、執拗なクリいじりなどまたも官能に振り切った仕上がり
もっともっと変態になろう、官能的に堕ちよう、っていう自分の好きな類のテーマで良かった。
それもまた純粋と言えば純粋ですからね 笑
しかしまあ怒りつつも何だかんだいって好いてくれる中学生彼女っていいですよねえ(勿論、二次で、ね?)
春馬さんあの顔とあの髭でショーツ購入はヤバいわ。



LUST KING trial

トライアルって・・・。
珍しいオナ見せ、平たく言えばその場でおかずにするっていう話です
「分かりやすいエロが好き」と微笑む春馬さんの色々な意味でのセックスシンボルっぷりが凄い
そういう風にどんどん官能的になっていく流れは正直読んでて興奮しましたね
その後の彼の妄想のスケベ過ぎる濃厚情事の描写も含めて最高でした。
「イっちゃった」とかそういう言葉に目覚めた東子ちゃん・・・悪くないですね(真顔)。



dog's imagination

親父の部屋から自分の学校の同級生とプレイしている裏DVDが見つかった、という話
親父がハメてるのも興奮するとは思いますが、知ってる子がそういうビデオに・・・っていうのもイイですよね
イイですよねっていうかよかないとは思うけど(笑
そういうビデオに出演している同級生を見下しつつも興味から逃れられない様がリアルで実に良かったです。
まーた大人しそうな子だから余計にねえ。しかしこれも男性主人公、関谷さんすごすぎです。






これは・・・一言で“問題作”ですね
愛情も好きな気持ちもあるけど、それ以上にフラストレーションを晴らす為の情事
それは田舎である事の劣等感と楽しいことだらけの都会に対する胸を焦がすほどの羨望・・・
普通ならフラストレーションを晴らす為の情事っていうのは読んでて嫌な気分になりそうなものですが
友人の都会暮らしの報告、都会人の楽しそうなやりとりの描写などで逆に彼に感情移入が出来る仕上がりになってます
ウサ晴らしをする為に彼女とのラブラブさ加減を報告する人間の小ささがむしろ人間くささを引き立てていて素敵ですよね

問題作だと思ったのは、田舎を扱う場合大抵「のどかでいい」とか「喧騒から離れて~」など
ゆったり出来てほのぼの~っていう作品が大勢を占める中
この漫画はずっと田舎で暮らして行かなきゃいけない辛さだったり
イベントもでかい店も何も無くただただ退屈な風景が拡がる日常を悲しむ描写だったり、
所謂“田舎の苦しさ”“田舎のどうしようもなさ”に焦点を絞って描いている作品だという事です
逆に言えばのどかでいい~なんていうのは都会人側の観方であって田舎の人の気持ちはあんまり反映されていないのかもしれない

もっと書けば、「何でもある」「便利」なんて事は“当り前”などではない
それを味わえない人が世の中には沢山いて
よくよく考えないでもお前が適当に触れてるそれは貴重で尊くて憧憬を抱かせるものなんだよ、っていう
こう・・・凄く立ち返らせるというか考えちゃうような作品に仕上がってるなと思いました。
安易な田舎称賛に対してのアンチテーゼという気がするし、
何かを訴えている気もするし。


自分自身は横浜生まれで今は千葉に住んでいるので
きっと彼の気持ちは分からないし、分かれない
だけど、そこで生まれてここで生きている幸福は皮肉な事に感じてしまいました
「田舎という事実にうんざりしている人もいるんだよ。」という現実を教えられた気がする。
最後の彼の子供みたいに泣きじゃくる姿、あれはあれで「本当の気持ち」っていう事なんでしょうね。
どうしようもない空しさが胸を襲いつつも、“男の哀愁”が漂う確かに印象に残る一作です(でも書いてるのは女流作家!やっぱり凄いですよ)

なんか夢に出て来そうっていうか、この先ずっと忘れられなそうな作品ですね。
生まれる親が選べない以上に生まれる場所も自分の望み通りにはならない人がいるって話。
もし自分が関東の人間じゃなかったらまた違う感想を持ったかもしれない。取り敢えず、忘れない。
いつか、彼が心から幸せになれますように。














冒頭でも書きましたが、
他人から見て間違ってる、だけど確かにある喜び
一時だけの逃避、でもその刹那的な幸せもまた確かにそこにある
そしていくら彼女と満たされたフリをしていても、拭い切れない羨望と劣等感・・・
という「本当の気持ち」にフォーカスを当てた一作に仕上がっており、
尚かつラストキングシリーズなど気持ちの良い官能に振り切った作品とストーリーも官能も良いバランスで印象に残る作品集になっていると思います。
ラブラブも、ペーソスも等感覚で楽しめて味わえる一冊、全力でプッシュさせて頂きます。という事で。

最後に言わせて下さい。
大好きです。


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