サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

In Dreams/LOSTAGE

2017-06-13 | アルバム感想









繋がりたいと毎日を怯え 僕は俯いて
打ち鳴らす 叫び出す ポケットの中で (ポケットの中で)












LOSTAGEのニューアルバム「In Dreams」が出た。
出たというか、一般的なお店では売ってない(売らない)アルバムなんですけど、
取り合えず公式通販とライブ会場とボーカル五味兄のやってるお店に行けば購入出来るそうです
つまりは限定的な売り方な訳で、しかもMVも作られてないんで本当に聴くまでどんな作品か分からなかったんですよ。

でも、そういうのぶっちゃけ面白い。面白かったっす。
想像力を搔き立てつつ、でも想像通りではない楽しさもあって・・・
それもまた元来の音楽の聴き方だなあ。って思いました
物を買う楽しさというか、
正直何の情報もない分余計にワクワクしてしまったというのが本音かなあ。

別に誰もが誰も同じやり方でやらなければいけない訳じゃないし、
個人的にはこういう売り方はアリだと思った。
入口は確実に狭くなるとは思うんですが、
逆に言えば知ってる人にとっては物凄い興味を引くアクションを起こせたとも言える。
それはもう一長一短だと思うんだけど、「一長」がある分、どんな結果になろうと「やった意味」はきっと存在するんじゃないかな、と
個人的にはそう感じます。今日日、CDを求めて遠出~、なんて、滅多にないでしょう?笑


アルバムの内容としては、
限定的な・・・尖った売り方と半比例して
過去最高にメロディアスな開かれた作品になっていると思います
前作「GUITAR」も歌モノ中心だったと思うんだけど、あれは同時にいぶし銀な作品でもあって
でも「In Dreams」はよりポップな歌モノというか、ある意味ファーストアルバムってくらい瑞々しい作品になってるんですよね。

元々LOSTAGEのメロディは大好きなんだけど、今回は全曲映画やCMソングに使えそうなくらい、
パッと聴いて「あっ、いいな。」って思える練り込まれた感じのメロディが多いです
バンドアンサンブルの迫力やオルタナ感で推すような楽曲は「戦争」くらいしかなくて、
もっと言っちゃえば雰囲気で聴かせるタイプの楽曲が殆どない
どれも芯の強いメロディとよりクッキリしたボーカルラインが目立っていて、
「LOSTAGEって大体こういうバンド」というパブリックイメージから外れた革新的なアルバムに仕上がってると思います。

今までLOSTAGEの作品はアルバムもミニアルバムも全部聴いてますけど、
正直こういうタイプの作品はなかったと思います
ポップな曲やポップなアルバムはありましたけど、
ここまで徹底的にメロディアスに、練り込み切っているようなアルバムは初めてだと思いますね
今振り返ると、どの曲もある意味シングルっぽいのでMVを作らなかったのにも納得出来てしまいます
そういうクオリティの新作であり、やり方がハードコアになったからって、中身はそこまで尖っている訳じゃなく
むしろ今までで一番ご新規さんの耳を惹きやすい、ある種の最高傑作と呼べる内容の作品だと感じるんですよね
少なくとも、単純に・・・純粋な意味合いで“最もメロディが良いアルバム”って評価は大体異論もない(と、思う。多分)かと



借りてきた借り物は
いつの間にか壊れてる
同じように揺れている
同じように目を逸らしている
私のもの
私の心 (さよならおもいでよ)




決死の想いをストレートに叫ぶ疾走感溢れる「さよならおもいでよ」の背水の陣的な空気から始まり、
オルタナ感溢れるメロディに心地良さを感じる「ガス」、
口ずさめるほどに軽快な「窓」、
そしてアルバム随一の美メロが際立つ「ポケットの中で」は今すぐCMソングにして欲しいくらいの名曲
更に情感溢れるバラッド「REM」や淡々としつつも滑らかな聴き心地が素晴らしい「泡沫の」、
アルバム唯一のシャウトナンバー「戦争」もまた握り拳を作りたくなるくらい熱い一曲
更にここに来てまたも主題歌レベルの名曲「I told.」と勢いは途切れず、
今作一ディープなバラッド「僕のものになれ」も案外聴きやすく、
最後の「Shoeshine Man」がまたさり気なくもグッと来る名曲に仕上がっていて基本的に外れなしの傑作である

・・・と、こんな事を書いてたら「ファンだからそう思うんだろう。」と思われるかもしれない
実際このアルバムの売り方って明らかにファン以外には広がらなさそうなものなんですよね
だから、こういうレビューも必然的にファンのものばっかになっちゃうと思う
まあ、それ自体に関しては性質が性質なんで仕方のない部分もあるけど
それでも敢えて書かせて欲しい
このアルバムは、
過去最高に開かれたアルバムで
過去最高にメロディが良くて、
過去最高に生活感を(聴いてて)受けられる、限りなくオリジナルな大傑作である、と。

本音を言っちゃえば、知名度を無視すれば本来オリコントップ10に入ってても可笑しくない「種類」のアルバムだと思う
自信を持って断言するが、聴いてもらえれば、すぐ分かると思う。特に「ポケットの中で」「I told.」はズバ抜けた名曲かと
今までのLOSTAGEファンが聴いても、ここまでメロディがクッキリしていて練り込まれてる作風に衝撃を受けるはず。
歌詞に関しても今まで以上に胸に来て考えさせられるフレーズが多いので、是非じっくりと聴き込んで欲しい。
そうするだけの価値は間違いなくあるし、逆に言えば、
こういう売り方だからこそ、
そういう作風のアルバムに仕上がったのかな?とも思います
今作を引っ提げてのツアーも来月から早速始まるので、色々と楽しみです。
長年掛けて伝わっていく、じっくりと浸透していく・・・そんな豊かなアルバムになって欲しい、とも感じてます。
そしてそうなるだけのクオリティとパワーはきちんとあると思う。それが個人的な感想及び結論ですね。












今回は、超久々に全曲レビューを敢行したいと考えてます
LOSTAGEファン及び今作大好きな方はお付き合い頂けると嬉しいです。