骨で聴く異世界

耳を使わずに「聴く」世界を旅します。耳をふさいでいても聴こえる世界です。

成田山新勝寺を骨で聴く

2013-10-23 10:16:18 | 骨で聴く巡礼旅
また台風が近づいていますが、10月15日から16日に関東を襲った台風26号では、千葉県の京成成田駅で、線路脇斜面の土砂が崩れる悲劇を齎しました。電柱が倒れ、線路内の架線を切断するという激しいものでした。

その成田市は国際空港を持つという顔とは別に、成田山新勝寺の門前町として栄えてきた歴史があります。

成田山新勝寺は、真言宗智山派の大本山のひとつです。
関東では有数の参詣人を集める著名寺院です。

歴史は古く、しかも今でも語り継がれる平将門に関連した寺院です。
対比されるのは東京の神田明神でしょうか。
成田山新勝寺は将門の調伏、神田明神は供養から相殿神とされに至ったという間逆な関係が興味深いといえます。

     → 神田明神を骨で聴く

さて、新勝寺の起源ですが、平安時代中期、平将門の乱の際に朱雀天皇の密勅により寛朝大僧正を東国へ遣わしたことといわれています。寛朝は弘法大師・空海作の不動明王像を奉じて東国へ下りました。
その目的こそが平将門の調伏でした。

寛朝は下総国公津ヶ原で不動護摩の儀式を行ったことで、新勝寺はこの年を開山の年としています。

歌舞伎との縁が深く、歌舞伎役者の市川團十郎が成田不動に帰依し、「成田屋」の屋号を名乗るようになると、江戸の庶民の信仰を集めるようになりました。

総門から仁王門と進み、右手に三重塔、正面に大本堂と続きます。この参拝へ向かう道程がなかなか素晴らしいといえます。
荘厳な真言密教の雰囲気というより、庶民に親しまれた大寺院という風格です。
大本堂の周囲から裏手も見所はたくさんあります。



釈迦堂もお勧めです。
安政5年(1858年)に建立された重要文化財になっています。かつての本堂でした。
釈迦如来と、普賢菩薩、文殊菩薩、弥勅菩薩、千手観音菩薩の四菩薩が奉安されていますが、注目すべきは釈迦堂の建物の周囲です。
五百羅漢や二十四孝の彫刻がほどこされています。総欅づくりの御堂で、彫刻を見ながら一周するだけで功徳がありそうです。

荘厳さは光明堂が一番で、大日如来、愛染明王、不動明王が奉安 されています。
光明堂の後方には奥之院の洞窟がありますが、開扉されるのは祇園会の時だけです。

台風の被害を受けた成田市ですが、弘法大師・空海作の不動明王の力で、早く京成線の全面復旧を願いたいと思います。

最先端の骨伝導ヘッドセットとともにここを訪れ、静かに合掌しつつ東京へと戻ることにします。


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