謎の施設と謎の著者
Retraction Watch / 2010.12.08 10:00 / 推薦数 : 1
この論文は、online で発表されましたが、印刷論文になる前に撤回されました。タイトルは
Modulation of microRNA processing by p53
京都大学のDepartment of Cancer Biologyに所属する2名の著者が執筆しています。
撤回の理由は明らかにされていませんが、ひとつ明らかなことは、 京都大学にはDepartment of Cancer Biologyは存在しないということです。すなわち架空の施設からの論文です。2名の著者の名前も架空ではないかと、私は思っています。
全く同じタイトルの論文がNatureに掲載されています。 これは東京大学からの発表です。
さて問題の論文はBBRC(Biochem Biophys Res Commun)に投稿されたのですが、抄録のみ読むことは可能です。Nature論文とタイトルは同じである上に、抄録の内容もほぼ一字一句同じです。
不思議なことに、Nature 論文が投稿されたのが、2009年4月17日となっていますが、BBRC論文は、Nature論文より先に投稿されているようなのです。
この謎をどなたか、解明できるでしょうか?