秀策発!! 囲碁新時代

 「囲碁は日本の文化である」と胸を張って言えるよう、囲碁普及などへの提言をします。

囲碁普及の現状その4(囲碁指導・保護者向け)

2011年12月19日 | 囲碁の話題
  
秀甫の功績


 明治時代初頭、産業による国力強化を目指していた政府は、将来を担う青年を指導するため、アメリカやヨーロッパから有能な学者を招聘していました。
 そのうちの一人、オスカー・コルセルト。帝国大学(現在の東京大学)で教鞭をとっていた彼は、日本文化の一つである囲碁に興味を持ち、教えを乞うために指導者を探しますが、なかなか見つかりません。察する所、これまで外国人と接した事がない人が多く、外国人からの指導依頼には困ったものと考えられます。
 そんな折、彼の指導を引き受ける人がありました。後に本因坊家の家元となる、村瀬秀甫です。村瀬は囲碁を知らない外国人にゼロから熱心に教えました。村瀬の教えを受けた彼は、囲碁に関する論文をまとめ、ヨーロッパの学会にて発表。ここから、ヨーロッパの囲碁の歴史が始まったのです。以来、例えばアインシュタイン博士も囲碁ファンでした。

 囲碁を知らない人が囲碁サークルなどに来た時、そこで一番弱い人が囲碁指導する、という風潮が一部であります。
 「弱い人と囲碁を打つと、筋が悪くなる」
 と考える人が多いようです。
 しかし、囲碁入門を希望している人にこそ出来る限りトップセールスをするべきだと、たとえば女性プロの梅沢由香里さんや万波佳奈さんなどが熱心に普及活動をされています。
 「有名でとっても強い先生に、囲碁を教えてもらえた」
 とすれば、その人にとっていい思い出になりますから。

 それにしても、当時の第一人者・村瀬先生に囲碁を教えてもらうとは、大変な好運ですね。


 ※ブログの更新はお休みさせて頂きます。ご了承ください。

囲碁普及の現状その3(囲碁と教育・保護者向け)

2011年12月12日 | 囲碁の話題
 
動き出した名人!!
 


 江戸時代以降、多くの先人によって育まれ来た日本の囲碁文化。それがなぜ、衰退してきているのでしょうか。
 中国や韓国で囲碁指導されている方々からは、
 「10代の囲碁ファンが減少している為ではないか」
 というご進言を頂いています。

 それは全くおっしゃる通り。例えば日本の囲碁イベントに参加する方は、大抵が70歳以上の男性の方。10代の子供は、10人集まれば多い方というのが現実です。一方、ここ数年世界タイトル戦で優勝争いをしているのは、中国や韓国の若いトッププロ。その二つの国内で開かれるイベントには、大勢の子どもが参加するそうです。強くなる機会があると知れば、親子共々駆けつける程だそうです。

 そんな現況を危惧し、「普及や入門指導が急務」と、子供教室を主宰するプロ棋士も増えてきています。その中には、名人のタイトルを連覇した事のある依田紀基先生もいらっしゃるのです

囲碁普及の現状その2 (囲碁と教育・保護者向け)

2011年12月05日 | 囲碁の話題
 
教える事は難しい


 囲碁未経験者が碁会所などに行きますと、どなたかが入門指導をして下さいます。碁席秀策(当店)でも、数年前より入門指導をしております。
 しかし、囲碁指導が得意という人は決して多くはありません。その為、「囲碁未経験者お断り」という所もあるのだとか。また、古くからの碁会所や囲碁サークルで入門指導をする人は、そこで一番弱い方。
「弱い人と打つと腕が落ちるから」
「弱い人に理屈は通じないから」
 として、入門指導を嫌う人が、囲碁の強い方に多いのです。こうして、囲碁を教える人が段々と少なくなっていったのだと、私は考えます。

 この様な事も、囲碁人口が減少する要因。今までは自分自身が強くなる勉強を主にしていた人が多かったのですが、これからは囲碁の入門指導も合わせて学ばねばなりません。せめて、これ以上囲碁ファンを減らさない事が、私たち既存の囲碁ファンに託された使命なのではないでしょうか。