秀策発!! 囲碁新時代

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総括!! 第28期  女流本因坊戦

2009年11月08日 | 囲碁の話題
 本年10月28日(水)の第四局を以って、謝依旻さんが女流本因坊位・三連覇を果たしました。

『女流本因坊戦』


 本棋戦開始以来、三連覇を果たしたのは楠光子さん、知念かおりさん、小林泉美さんのお三方。代表的女流棋士の記録に並んだのです。そして次は、吉田美香さんが持つ四連覇の挑戦。さらに期待を弾ませれば、史上初の名誉女流本因坊(五連覇が条件!!)が実現するかどうか。それは来年秋以降の楽しみとしましょう。


 今期の五番勝負、私が注目しましたのは、第1局目と第4局目。その感想を少しばかり。

 『第1局目』

A;黒09手目を一度手抜きし、局面を広げようとした謝の工夫。
B;白28手目以降、予想を裏切る一手を打ち、さらにリードを奪い返した青木の腕力。
C;白48手目以降、乱戦に次ぐ乱戦、逆転に次ぐ逆転、そしてご自身初の五番勝負第1局目を制した青木の実力。


 『第4局目』

A;ケンカ小目で始まった雷雨の気配感じる布石から、大斜定石(最近は珍しい)以降の激戦。
B;もしや新手? 白36のツケ。かつて、大斜定石の研究の第一人者といわれていたのは幻庵因碩、その幻庵師を思わせるその一手は、今後語り継がれる『伝説の一手』になるのではないか。
C;黒55は66の所に打つべきだったという。大斜側の、隅の黒石を捨て気味に打てば挽回可能であった……と。

 それにしても、謝さんは大変な実力者ばかりを迎え、タイトル防衛を果たしています。
 今回の青木喜久代さんや、(今年三月に行われた)女流名人戦挑戦者の知念かおりさんなどは、国内での実績はもちろん、女流棋士の国際試合である正官庄杯でそれぞれ三連勝の好結果を出されている。
 また昨年の女流本因坊戦での鈴木歩さんは、女流最強位を二度獲得された上、『世界最強の女流棋士』と評されている芮乃偉(ゼイ・ノイ)先生に公式手合で勝たれている。
 日本の女流棋士の実力が急激に上がっている今、抜群の読みと脅威の逆転力を持つ謝さんにとっても、タイトル防衛は容易なことではないはずです。


 来年二月まで、女流のタイトル戦はありませんが、番碁は今も進行中。

 王座戦五番勝負は、張栩王座VS山田規三生九段は、王座の1勝で幕開け。「関西の虎」こと山田九段、王座に対しどんな猛攻を仕掛けるのか。井山新名人に続く活躍、特に関西地方の方は楽しみでしょう。


 また、もう間もなく、11月12日には天元戦五番勝負が始まります。
 張栩天元(全四冠)…現代日本の最強棋士としての意地を見せるか。
 山下敬吾(棋聖)… 冬の棋戦に強い『冬将軍』のジンクスと、棋聖戦四連覇中の実力をいかに発揮できるか。

 楽しみなタイトル戦は、まだまだ続きそうです。