ねもじゅんの壁面四分儀座

「雨曝しなら濡れるがいいさ だって、どうせ傘など持って無いんだ」 by イースタンユース 

シューマン 暁の歌 作品133

2012年05月18日 00時08分56秒 | ドイツ・ロマン派
なんか5月も中旬になってしまいました。元日に「これから毎日書こう!」なんて宣言したのに。

びっくりしたCDを見つけたので書いてみます。

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ROBERT SCHUMANN
Gesaenge der Fruehe op.133
Maurizio Pollini(pf)
(Deutsche Grammophon 471 370-2)

暁の歌という作品は、自分で弾くなんて怖くてできない。シューマンの作品は客観視できないんですよね… そんな中でもこの曲は特別。

いろんな演奏家のものを聴いてきましたが、どれもまったくピンとこない。シューマンの後期という意識が強すぎるのか、音に意味を求めるというか、音符自身に重さを与えすぎて音楽の流れが滞ってしまっている。

ポリーニの演奏は、ひんやりと冷たくて、だけど音に色があって、曲の終わりまでの流れ・勢いがすごくある。

1曲目はまあそれなりにみんな弾けるけど、2曲目以降で他の演奏家はことごとく失敗する。ポリーニは本当にうまい。この曲の理想的な演奏だと思う。5曲目なんてここまで音楽にできるのは、彼だけだと思う。

一緒に入っているクライスレリアーナも素晴らしいな。初版を使っているのもすごいポイント。聴く前は、いまさらこの曲を録音する気が知れない…と思ってたけど、聴いてみてびっくり。ひょっとしてシューマンって(過剰な)意味付けを嫌う作品を作っていたのかも。

それにしてもこの録音って10年も前なんだなぁ。それ以降、シューマンの演奏って変化してるのかな。