つれづれ さくら日和

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「風林火山」第11回 「信虎追放」

2007-03-20 17:31:40 | TV・ ドラマ・映画・音楽

天文10年(1541)6月、信虎は遂に甲斐を追放されます。
「ミツにそんな力があるわけない。
甲斐の土になったミツの思いが、そうさせたんだ。」
ミツの兄・伝兵衛の言葉が心に響きました。

謀反に関して、蚊帳の外だった小山田、晴信の弟・信繁、信繁よりの重臣・諸角らをどんな風に説得するかと思いきや、小山田は雪斎から既に知らされており(抜かりないわね)、信繁も、兄がいつか父に背く決意をすることを、密かに願っていたようです。

何事も順序が違うということは居心地の悪いことのようで、兄を疎ましく思う分まで父から愛情を注がれていた弟も、決してそれを喜んでいたわけではないようです。
父に嫌われたくないと、うつけを演じてきた晴信のように、弟もまた、器量は及ばずとも兄を差し置いて武田を継ぐ者、というものを演じていこうと思っていたようです。

そんな風に子らが自分の真意を内に秘めなくてはならなかったこと、家臣の苦悩や領民たちの辛苦を感じ取る気持ちがなかったことが、信虎の罪。
こうなるまでにそれに気付いていれば良かったのに・・・って、それが出来るならこの世に謀反なんて起こりませんよね。
全ての人がそうではないでしょうが、偉すぎる「過ぎる」ということは、やはりあまりいいことではないようですね。

駿河と甲斐の国境で、息子たちから追放を言い渡される信虎。
自分の名前の「虎」の文字を与えた重臣たち(タイガーズとか、タイガーレンジャーとか、呼びたくなっちゃいました。板垣の「信」は信虎とは関係ないんですね?)に声をかけようと、誰一人信虎に返事をするものはいませんでした。
無理やりにでも国境を越えようとすると、弓や槍を向けて阻まれます。

そこへ、今川の使いとして勘助がやってきます。
勘助だけでなく、庵原之政他、飛び入りの青木大膳も。
ちょっと待って。
死んでも惜しくない人物、というのがこの使いの条件ではなかったですか?
庵原嫡男もそれに入ってるの?
それから、美に関してうるさい義元が、皮製(?)の新しい眼帯を与え身なりを整えて、ってわざわざ言ったのに、勘助は~
眼帯こそ着用してはいるけれど、相変わらずのぼさぼさ頭じゃないですか!
後れ毛が、って書こうとしたけど無理。
そんなだから、義元に酷い事言われちゃうんだよ。

信虎が国境越えを断念し、馬に乗り背を向けて歩き出すと、とうとうあのミツの眼帯を取り出し付け直す勘助。
武田側で槍を持っていた伝兵衛に
「勘助、まさか殺すつもりじゃ・・・」
って、言われてしまうくらい、分りすぎの行動。

伊達に武田の領主をしてきた信虎ではありません。
流石、背後の勘助の殺気を感じ取っていたようで、自ら勘助の気持ちを煽る様に、勘助に刃を向け、袖を斬ります。

かつてミツの死の後、板垣に斬りかかった時と同じように、押さえ切れなくなった感情のままに信虎に向かう勘助。
信虎は、勘助自身に恨みがあるわけではないものの、やはり今の押さえ切れない感情を、今川の人物である勘助にぶつけているかのようでした。

周りが見えなくなってしまっている二人を現実に引き戻したのが、私利私欲で信虎に斬りかかった青木大膳の行動。
落馬した信虎は、言います。

「今川め。儂を斬ったところで何になる。
 甲斐には儂が育てた晴信がおる。
 儂が厳しく育てた、猛々しい武将・・・。
 いずれ駿河を切り取り、天下に号令をかけるのは我が武田家嫡男、
 武田晴信じゃ。覚えておけ!」

ちゃうやろ
って、きっとここで多くの方のツッコミがあったような・・・。

信虎が晴信のためを思って厳しく育てた、なんてこと、誰も認めませんよ。
謀反の後涙を流していた晴信も、これを聞いたらずっこけて落馬してしまうのでは。
強気で威厳があり有無を言わせないところは流石、と思いますが、自分の都合のいいように言ってしまう、そういうところがあるうちは駄目駄目。
行き場を失った子供のような信虎の表情には、ちょっと可哀相かな?とも思いましたけどね。
駿府でその後すぐに出家したとのこと。
きっと心落ち着けば、自分の所業を冷静に見つめ直し考えることも出来たことでしょう。

今川館での連歌の会で、晴信のことを詠んだ、と思いきや、自分のことだった、と信虎が愕然としてしまった、義元の歌。

自分の死後の北条家を思い、遺言として残した北条氏綱の御書置。

謀反の場面と重なるように画面に流れたこの二つ。
ここに書き留めておきたいと思います。

 
  連歌
 
 見る人の 心のそこにすむ月や
  ちりもくもらぬ 老いし身の程
   世をうつし 思い捨てぬる 心もて
    晴れし心に 戻る甲斐なし

 
  北条氏綱公御書置

 一、大将によらず諸侯とも 義を専らに守るべし
   義に違いては たとい一国二国切り取りたいというとも
   後代の恥辱いかがわ 天運つきはて滅亡を致すとも
   義理違えまじきと心得なば
   末世にうしろ指ささせる恥辱にあるまじく候

   古き物語を聞くとも 義を守りての滅亡と
   義を捨てての栄華とは 天地格別にて候
   大将の心底 慥かにかくのごときにおいては
   諸侍義理を思わん
   その上無道の働きにして利を得たる者
   天罰 終に遁れたし



  ご参考にどうぞ。
     「風林火山」公式HP
















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27 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは♪ (ミチ)
2007-03-20 20:16:59
今回もステキな演出がありましたよね。
連歌の部分と、北条氏の書置が映像に重なって読まれた所です。
耳で聞いても分かりにくいのを、テロップを出してくれたのでとても分かりやすかったです。
信虎の最後の言葉、たくさんのツッコミがはいったことでしょう~(笑)
負け惜しみにも聞こえましたがね(笑)
あれを晴信に聞かせたらどういう反応だったでしょうか。
一方父を追放した晴信の目には涙が・・・。ココは感動しました。
今回は (なぎさ美緒)
2007-03-20 21:49:51
さくらこさんこんばんわ~♪
今回もめっちゃ面白かったですね~(^^)
追放シーンは思わず食い入るように見てしまいましたよ。
信虎も最後は可哀相でしたけど、それも時代の流れということで・・・。
信虎の最後の台詞が負け惜しみなのか、本心なのか・・・。
受け取り手によっても色々思ったみたいですね。
私は最後の本音だと思いましたけど。

次回はいよいよ武田に仕官ですね!!
すっごい楽しみですね♪
負け惜しみ? (もちきち)
2007-03-20 22:02:17
こんばんは。信虎の最後のセリフ、
これまでの行動を考えると「え~~~?」って
感じでしたね。武士の意地でしょうか。
弱いものに負けたわけではない、と見栄を切った
とか?
来週から勘助は武田に仕官ですが、うまくいくのかな?
見事な演出 (ミチさんへ・さくらこ)
2007-03-20 23:32:39
こんばんは!
連歌と氏綱の言葉が謀反のシーンと共に使われたのは、なかなか見事、憎い演出でしたね。
文字が画面になかったら、今ひとつきちんと把握できなかったかも。
人の言葉って、特に昔言葉などが入っていると聞き取りにくいんですよね。

晴れし心に・・・も初め、荒れし心に・・・って、聞いてしまってました。
それでも意味が通じてしまうから、困るんですよね。

信虎の、負け惜しみとも取れる例の言葉、晴信が聞いたら・・・えーもし私が晴信だったら、喜ぶことは出来ません。
いや、出来るかな、心の奥底ではね。
ま、そう思えば、誰かの反応を意識して言った言葉ではなく、素直な気持ちだったのでしょうから、信虎の言葉としてはいい言葉だったのかな?
複雑です。
見せましたね~ (なぎさ美緒さんへ・さくらこ)
2007-03-20 23:39:30
こんばんは!
追放に至るまでの話は、先週からずっと面白かったですね。
兄弟愛に感動したり、重臣たちの苦悩にこちらまで胸を痛め、冷めた小山田がいいスパイス効かせててやけに面白かったり。

信虎のあの言葉は本音だった、って素直に思うには、私はちょっと時間が必要かなー。
何だか可哀相な感じだったから、何でも許せてしまうようで・・・過去のことを思い出すとやっぱり・・・うーん・・・。
さくらこさん、こんばんわ~ (くう)
2007-03-20 23:40:43
兄弟の場面で涙、父の追放で涙。。。でした。
弟も自分を騙して、父と兄のために耐えてたようですね~。
ホント、偉すぎるとロクな事ないのかも。
「エライ」には中身が伴っている必要がありますね。


全然、関係ないお話で申し訳ないのですが。。。
楽天へのトラバができない、とおっしゃっていたようなので、
もしも、よろしかったらこちら↓をご覧下さい。

http://plaza.rakuten.co.jp/kendoh/diary/200702100000/

もしかしたら、前にも書いたかも知れないんですが、
そうだったらしつこくてスイマセン!
半アルツなので許してね(+_+)
Unknown (おりょう)
2007-03-20 23:41:03
こんばんはー
誰もが予想した通り、虎 暴れましたね。相手は 誰でも良かったんですよね。
私は 最後の言葉は「この人もやっぱり 親だったのね」としみじみ思ってしまいました。
「タイガース」いいですねー ひとりずつ名前を呼ばれた時は 辛かったでしょうねー。
そういう解釈が (もちきちさんへ・さくらこ)
2007-03-20 23:44:51
こんばんは!
弱いものに負けたのではないと見栄を張る、これはすんなりなるほどって思える解釈ですね。
あの信虎だものね。

追放って扱いをされたこと、武田の家臣は元より、ほとんど初対面の今川の使いらにも目撃された、って言うだけでも、信虎にはかなりの屈辱だったでしょうね。
信虎乱心! (琉河岬)
2007-03-21 00:12:49
こんばんは!

>きっとここで多くの方のツッコミがあったような
もちろん、ツッコませて頂きました。
このセリフは単純に負け惜しみかな、とも取れますし、拡大解釈して「晴信の能力を評価していたけれども、その能力に嫉妬して今まで辛く当たっていた」とかいろいろな意味に取れますよね。
信虎の人物像は最後の最後で分からなくなってしまったけれども、青木大膳は空気の読めない人物だということは分かりました(笑)
見納め…。 (あむろ)
2007-03-21 00:17:42
さくらこさん、こんばんは♪

北条親子と武田親子。
あまりにも違いすぎる親子でしたね。
それをまたうま~く見せてくれて。
見せ方がうまいなぁ…と感心して見ていました。

信虎役の仲代さん。
氏綱役の品川さん。

2人の素晴らしい役者さんも、「風林火山」では見納めですね。
品川さんの素晴らしい演技をもっと見たかった…。

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