こんにちは。
新年で、摩訶不思議。
新春早々、不可思議なお話です。
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それは、大学に行こうと思った年の暮れでした。
予備校でもらったテストが散々な成績で、しおれて帰る帰り道でした。
ふと、ビルの屋上を見上げると、女の人が立っています。
「暮れだから、屋上の掃除かな。」
と思った私は、その女の人と目が合いました。とたん、何かが、地面に落ちてきました。
「あぶないなぁ、なんか落とすなんて。」
と思った私は、それを拾ってあげようと近づきました。
・・・・・・その地面に落ちたのは、その女の人だったのです。頭が割れて血が流れています。思わず近寄ってしまった私は、腰が抜けながら、後ろに後ずさりしました。そして、「あっ、あっ。」声にならない声で私は叫びました。
「自殺だ、自殺だったんだ。」「目が合ってしまった。」
私は、誰にも通報せずに、逃げるように電車に乗って帰ってしまったのです。
その晩のことでした。
ふと、目が覚めると、布団の足元に、今日のあの女の人が血まみれで立っています。
「なんだぁ?」と慌てたのですが、女の人はじっと布団の上に乗って、近寄ってきます。
「死んだのは、そっちの勝手じゃないか。」
と私は、声にならない声で、言いました。
「私なんか、今日テストの成績が散々だったんだ。それでも生きているんだ。」
私は恐くて、支離滅裂なことを言い出しました。
「知らん。出てこられても、知らん。」
私は、なんとか近寄ってこないように、しゃべり続けるだけでした。女の人はじいっと恐い顔で、睨み続けてよってきます。
「なんだよ。なんで、出てくるんだよ。私はお間違いだよ。」
と私は半狂乱で叫びました。しかし、彼女はにじり寄って襟首をつかんできました。そのときぷちっとボタンが取れる音がしました。
「げげ、あーもうだめだ、恐すぎる」と思ったとき、私はそういえば、と思い出しました。彼女が落ちたとき、誰にも通報せずに逃げてしまったことを。「悪かった。」と言葉が自然に出てきました。そして、そのまま気絶してしまいました。
翌朝、現場に行って、お花をお供えしました。
そこに、私のパジャマのボタンによく似たボタンが落ちていました。
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この話の補足は、補足21話にて。
この話はこの辺でよろしくお願いします。
tomo
新年で、摩訶不思議。
新春早々、不可思議なお話です。
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それは、大学に行こうと思った年の暮れでした。
予備校でもらったテストが散々な成績で、しおれて帰る帰り道でした。
ふと、ビルの屋上を見上げると、女の人が立っています。
「暮れだから、屋上の掃除かな。」
と思った私は、その女の人と目が合いました。とたん、何かが、地面に落ちてきました。
「あぶないなぁ、なんか落とすなんて。」
と思った私は、それを拾ってあげようと近づきました。
・・・・・・その地面に落ちたのは、その女の人だったのです。頭が割れて血が流れています。思わず近寄ってしまった私は、腰が抜けながら、後ろに後ずさりしました。そして、「あっ、あっ。」声にならない声で私は叫びました。
「自殺だ、自殺だったんだ。」「目が合ってしまった。」
私は、誰にも通報せずに、逃げるように電車に乗って帰ってしまったのです。
その晩のことでした。
ふと、目が覚めると、布団の足元に、今日のあの女の人が血まみれで立っています。
「なんだぁ?」と慌てたのですが、女の人はじっと布団の上に乗って、近寄ってきます。
「死んだのは、そっちの勝手じゃないか。」
と私は、声にならない声で、言いました。
「私なんか、今日テストの成績が散々だったんだ。それでも生きているんだ。」
私は恐くて、支離滅裂なことを言い出しました。
「知らん。出てこられても、知らん。」
私は、なんとか近寄ってこないように、しゃべり続けるだけでした。女の人はじいっと恐い顔で、睨み続けてよってきます。
「なんだよ。なんで、出てくるんだよ。私はお間違いだよ。」
と私は半狂乱で叫びました。しかし、彼女はにじり寄って襟首をつかんできました。そのときぷちっとボタンが取れる音がしました。
「げげ、あーもうだめだ、恐すぎる」と思ったとき、私はそういえば、と思い出しました。彼女が落ちたとき、誰にも通報せずに逃げてしまったことを。「悪かった。」と言葉が自然に出てきました。そして、そのまま気絶してしまいました。
翌朝、現場に行って、お花をお供えしました。
そこに、私のパジャマのボタンによく似たボタンが落ちていました。
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この話の補足は、補足21話にて。
この話はこの辺でよろしくお願いします。
tomo
