いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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御嶽山の教訓。 precepts of mount of ontake

2017-03-28 19:51:35 | 日記
 (1)栃木県那須スキー場で起きた高校山岳部の雪中歩行の訓練講習での雪崩事故は高校生ら8人が亡くなる(負傷40人)という惨事を招いて「御嶽山の教訓」(precepts of mount of ontake)が生かされなかったのは痛恨事であり無念、残念であった。

 高校山岳部の春山登山講習は予定では茶臼岳登山が計画されていたが、悪天候のため付き添い教諭らが中止を決定しスキー場での雪中歩行の訓練に切り替えられて実施していた。

 (2)当日の現場地域は雪崩、大雪注意報が出されて、同講習も茶臼岳登山は中止していた。同スキー場での深雪をかき分けて進む雪中歩行の訓練に切り替えられて起きた雪崩に巻き込まれての惨事となった。

 スポーツ庁はすでに全国の教委に対して高校生らに冬山登山を原則実施しないように通知(報道)しており、同地域には雪崩、大雪注意報が出されていた中での雪崩に巻き込まれての惨事だ。

 (3)14年9月の御嶽山火山噴火事故では、同山では火山性微動が頻発しており観測されていたが小康状態となったことから、特に夏山登山の規制はされずに最も軽い噴火警戒レベル1として休日で多くの日帰り登山客が朝から頂上を目指して頂上付近に集結していた昼直前に火山爆発が起きて、戦後最悪の多くの火山犠牲者を出しいまだに行方不明者が残る惨事を招いた。

 現在、遺族などは国を相手取って安全登山に対する注意、規制措置を怠ったとして訴訟中だ。

 (4)御嶽山火山噴火事故では、事故当時から気象庁観測所の噴火警戒レベル1情報が適切であったのかの論議はあり、火山性微動が頻発していたことから噴火警戒レベルを引き上げて入山を規制しておくべきだったとの専門家の意見も聞かれた。

 こうした山の変動、気象の変化に対しては早めの情報対応が必要との共通認識はあり、今回の那須スキー場での雪中歩行の訓練講習では同地域に雪崩、大雪注意報が出されていたことを考えれば、悪天候による茶臼岳登山中止判断の時点で下山すべき「御嶽山の教訓」だった。

 (5)海上保安庁が海難救助訓練を悪天候を理由に中止するという時に、冗談とも本気ともつかずにそんな時こそ訓練を実施してこその技術力、経験養成だという声を周りから聞くことがあるが(もちろん冗談で安全が第一と知ってのこと)、まさか今回厳しい気象条件の中であえて効果があると雪中歩行訓練を実施したとすれば、また違った意味で「御嶽山の教訓」が生かされていないということだ。

 ①スポーツ庁の高校生冬山登山を実施しない指導通知、②当日の悪天候による同講習の茶臼岳登山中止決定、③同地域の雪崩、大雪注意報と重ね重ねの条件を考えれば、早々の下山が取るべき選択だった。

 (6)惨事がくり返されなければ、安全規律が生まれないということ、過去の教訓が生かされないということは非常に問題で残念だ。

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