いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

死語復活。 revival of dead language

2016-10-21 19:33:46 | 日記
 (1)辺野古移設を巡る現地沖縄米軍基地前での反対派活動家が日本の警備陣の前で米軍関係者により米軍基地内に立ち入ったとかで拘束され、数時間基地内にとどめ置かれた事件は、沖縄が米軍の治外法権化(extraterritoriality)された実情をあらためて知らされた。

 今さらに注目を集めているのが、沖縄米軍北部訓練場のヘリパッド移設工事を巡る住民反対行動だ。大阪府警から警護のために派遣された機動隊員が、反対行動の沖縄住民に対してこれを制御する際に「ぼけ、土人が」(報道)とば声を浴びせたとされて問題視されている。

 (2)現場の映像がニュース報道で流されていたが、双方つかみ合いの騒乱のなかでとても制御された警護などといえない感情あらわな状況のなかでの、若い(20代ー報道)派遣機動隊員が反対行動の沖縄住民に対してまるでケンカ腰で暴言を口走って制御している図であった。

 あまりこれほど生々しい現場映像は見たことがないので、沖縄問題の現場の緊迫した実情がよくわかった。

 (3)と、同時に、何で日本人同士が米軍(基地)のためにこれほど憎しみ合い、いがみ合わなければならないのか、心の中が暗たんとする有り様になった。
 この機動隊員と反対行動住民との間には政府の政策、米軍の意向の副作用以外に何も直接的に対立する憎しみ合う、いがみ合う関係などない、日本人同士なのだ。

 しかもともに自らが主権者として生活する国の日本の中での出来事なのだと思うと、心寒い光景だった。
 政府、安倍首相、沖縄知事の目にこの光景がどう映ったのか、その後のそれぞれの立場からのステレオタイプの声明などでない、本当のところを聞いてみたいところだ。

 (4)そこで大阪府警から警護のために派遣された若い(20代)機動隊員の「ぼけ(あほ、もあったと思うが)、土人が」発言だ。ほとんど今では死語(dead language-土人)になっていた「土人」発言だが、若い(20代)機動隊員からこんな死語となった言葉がよく出たなと変な感想をもってしまったが、これを浴びせられたのがどの年代の反対行動住民だったのかはわからないが、その言葉の持つ差別的意味が伝わったのかこれも聞いてみたい気がする。

 (5)随分こどもの頃に外国の低開発国、地域の原住民族の総称として使われていた(差別用語ではなく)ような記憶が残っているような、いないようなで、定かな使い方はよくわかないのが本当のところだ。

 そんな教育が今、大阪府警内でよもや隊員に行われているのかと勘繰りたくなる気持ちにさせられる時代感覚のあまりの錯誤感だ。

 (6)あの騒乱の中での何の直接的なつながりもない日本人同士が米軍(基地)を巡ってののしり合う、つかみ合う様の中で、反対派住民に意図を持って意識的に差別的発言で対峙した警護とは考えられない、通常でない時間の流れの中での出来事だった。

 (7)もちろん、どんな状況でも差別的発言、用語は許されることではないが、あの騒乱の中で起きたヒトコマを拡大投影(projection)するだけでなく、米軍(基地)のために直接つながりのない日本人同士が日本の中で言い争う、いがみ合う事態こそが問題視されるべきことだ。

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