いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

小池手法。 technical skill of koike metropolitan governor

2016-11-01 19:50:36 | 日記
 (1)小池都知事が先月30日に自らの政治塾を発足させた。自民党の推薦を要請しながら自民党本部の方針が違うと見てとると、自ら取り下げ独自の意思で都知事選に立候補して都議会との対決姿勢を鮮明にして自民、公明党推薦の候補者を大差で破って当選した。

 その後は築地市場の豊洲移転、2020年東京五輪会場問題の追求で話題を集めて関心も高く、4800人超の応募があり約2900人が同政治塾に参加(報道)した。

 (2)同じような構図は当時の橋下大阪市長が立ち上げた地域政党大阪維新の会が全国から公募して候補者を育てる政治塾を発足させた。
 その時も今回の小池ブームと同じように議会との対立構図を自らつくりだしての第3政治勢力としての国民の期待の高さの橋下ブームを背景に話題を集めたが、その後橋下さんの舌禍問題などにより求心力を失っていったが、今回の小池政治塾の参加者は当時としては出色の橋下政治塾以上の参加者の多さとなった。

 (3)小池都知事は自民党員でありながら都知事選で自民党本部の意思に反して自らを応援した都議(自民党の処分対象)を擁護するために自民党本部との対立を続けており、自らの政治塾を立ち上げて将来の小池政党への布石として自民党に圧力をかけているともいわれている。

 小泉政権時代に小泉首相の郵政民営化戦略で対抗勢力への刺客として衆院東京選挙区に送り込まれた経緯もあり、政治手法は同じだ。

 (4)その小泉さんも政界引退後も脱原発主張で自民党への対立を強めている。小池都知事は就任後は豊洲市場の地下盛り土不正の責任追求に2020年東京五輪一部会場見直しで当時の責任者、決定過程の解明に懸命なようだが、処分は組織的な構造問題として処理して、豊洲移転をどうするのか、東京五輪会場の決定も含めて五輪財政規律をどうするのか、前向きな結論に向けて全力を注入し早期の方向性を示す新都知事としての優先(priority)されるべき仕事だ。

 (5)大阪維新の会の政治塾のように地方自治体の首長主導の政治組織の立ち上げは、ムーブメントとしてのブームの時はいいがそれをどう結果として持続可能(sustainability)なものにしていくのかは容易ではない。

 地方自治体首長主導の地方政党ではブームに乗った話題性、ただの数の勢力結集で人材の適材を欠き問題が出て減少している事例もみられて、単なる対抗勢力としての数の誇示だけではなく政治理念、理論、信条、政策、志を共有、共感できる政治勢力、政党としての結集、構築が求められる。その準備はできているのか疑問がある。

 (6)小池新都知事の実績としては、前任者時代の政治的瑕疵(かし)の追求に明け暮れるのではなくて、それを踏まえて新しい合理的で効果的、発展的な行政の方向性を都民に示す政治的責任がある。

 それが都民ファーストを自ら言う小池都政の姿勢だろう。そのためには政治的実績の固まらないうちの小池政治塾の発足は早すぎる懸念はあるが、都知事選で自らを応援してくれた都議への自民党からの処分日程を見ての早期の対応戦略なので、政局がらみで無理をしている感はある。

 (7)かっての小泉手法をまねたような小池都知事の政治手法(technical skill)ではあるが、小泉手法の功罪があきらかになっている今日的社会の中ではこのままでは限界はでてくるだろう。

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