いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

日本の分断ー沖縄。 separation affairs in japan is okinawa

2017-03-27 19:37:24 | 日記
 (1)普天間飛行場の辺野古移設は翁長知事が前知事の埋め立て承認を取り消した行為が違法と判決され、政府は埋め立て工事を再開して事態は政府に追い風となってその後の沖縄選挙でも与党系候補者勝利が続いて、オール沖縄の辺野古移設反対運動にも亀裂が入ってこれで辺野古移設問題は決着したのか。

 政治問題はすっかり豊洲市場問題に森友学園問題が連日取り上げられて注目されて関心が高く、沖縄問題は影が薄くなっている。

 (2)25日の辺野古キャンプシュワブ前で開かれた移設反対集会で翁長知事は「あらゆる手法で撤回を力強く必ずやる」(報道)として、今度は知事権限による埋め立て「撤回」(withdrawal)を宣言した。

 前知事の承認取り消しは、県民の意向に反して前知事の独断で決裁したものとして手続き上瑕疵(かし)があるとして認められないと取り消したものだが、裁判は知事に国の方針に逆らう権限はない(判決要旨)として最高裁はこれを違法と判決し確定した。

 (3)今度は翁長知事が自らの判断、権限で埋め立てを「撤回」するものだが、政府がこれに異議を唱えて裁判に持ち込めば、判例として再び違法と判断されることは確実だ。

 法廷闘争中は埋め立て工事は中止されるが根本解決にはならない。翁長知事の辺野古移設反対闘争は、冒頭のように裁判、選挙で周りから追い詰められてオール沖縄も崩れて厳しい状況にある。

 (4)25日に宣言した翁長知事の埋め立て「撤回」方針の判断も時間稼ぎに過ぎずに、多くの沖縄県民は別にしても国民世論としてはこれまでの取り消しの違法確定の延長線上として理解しにくいものであり、反感を買う恐れもある。

 それでは辺野古移設問題はこれで決着したかとなると、沖縄の過重な米軍基地負担は変わらずに、国民としても到底納得できるものではない。沖縄県民にとっては理不尽(unreasonableness)な政府の政策、方針、対応に不信、反感は強く、「本土」との格差、分断(separation)には強い憤(いきどお)りを増すことは確実だ。

 (5)もうひとつの政治的「分断」が日本においても大いに懸念されることになって捨て置けない事態だ。しかし、日本によほどの革新政権でも誕生しない限りは米政権がいくら変わっても日米合意の辺野古移設方針は変わらない。

 まして与党自民党の支持率は30%台を推移して、野党は軒並み1桁台で問題にならずにそれ(革新政権誕生)も可能性が薄く、東アジア情勢は北朝鮮のミサイル4発日本近海への同時発射、核実験強行で緊張が高まって、米軍の沖縄基地の重要性、存在感は逆に高まっている。

 (6)沖縄は普天間飛行場の辺野古移設と引き換えの米軍基地の将来的県外、国外移設に向けて協議を進めるべきであったし、今からでも遅くはないので米軍基地の県外移設を将来的担保として「実」を取る方針が沖縄の現実的未来展望には必要だ。

 このまま翁長知事の権限行使の辺野古埋め立て撤回による反対行動では、自らの足元をすくうジレンマ(dilemma)の孤立、分断のスパイラル(spiral)に陥る危険性が大きい。

 (7)なにより、米軍基地のために日本の政府と沖縄が非生産的な対立、対決するという理不尽はあってはならないことで、なんとしても双方納得のいく解決に導かなければならない。

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