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G5サヘル〜テロと戦うサハラ5カ国合同軍展開

2017-06-22 12:30:19 | アフリカ情勢
混乱が続くマリ、サヘル。テロとの戦いが続く。

6月21日、国連安全保障理事会は、サヘル5カ国によるアフリカ合同軍(G5 Sahel)に対する対ジハーディスト部隊展開を承認する決議を、理事国15カ国の全会一致で採択した。

サヘル5カ国とはブルキナファソ、マリ、モーリタニア、ニジェール、チャド。これらの国によって構成される対テロ共同作戦部隊が'G5 Sahel'である。決議は'G5 Sahel'に対し、同地域における対テロ特殊任務展開を認めるものだ。

「世界中がテロのリスクにさらされている中、サヘル地域を新たなテロリストたちのエルドラドとしてはならない。」とフランス国連代表大使。「サヘル危機は周辺5カ国の治安問題ではない、我々の安全の問題なのだ。」


'G5 Sahel'は2015年11月、チャドの首都ンジャメナで開催されたサヘル5カ国首脳会議で設立が決定された。マリ情勢の再悪化、ブルキナファソ、ニジェール、モーリタニアなど国境を隔てる国への影響、サヘル地域で大きな軍事的貢献を果たすチャド。ジハード勢力に対するアクションを共同していく目的だ。

(Journal du Maliウェブサイトよ)


以前にも地域での巡回警備や共同作戦のイニシアティブがあった。しかし立場を異にするアルジェリアの存在が、共同歩調を難しくしてきた。ジハーディストの源泉がアルジェリアにあるからだ。このような現状を踏まえ、立場を同じくするサヘルのサブサハラ関係国5カ国が、フランスの支援を受けて'G5 Sahel'を構成することとなった。

'G5 Sahel'は、五カ国共同のアクションとして、またマリ、ブルキナファソ、ニジェールの三カ国構成軍により、サヘル地域への具体的軍事的措置を実施することとした。それが今回の安保理決議の目的だ。


この議案、安保理では全会一致で採択されたが、「国連としてのマンデート」、つまり国連憲章第7章に規定する紛争解決のための強制力の行使については留保している。水面下では大国による駆け引きがあったという。

当初のフランスの原案では、サヘル5カ国軍に対して国連として強制手段の権限を付与し、あらゆる手段での対テロ、麻薬や人身など違法取引の掃討作戦を遂行できるものとされていた。これに反対したのはアメリカであった。決議案の内容が必ずしも明確でなく、理事会決議には値しないとの立場をとった。フランスはアフリカ連合(AU)からの強い要請があることを主張し、安保理決議は不可欠であると主張した。

背景にはどうやら政局とカネの問題が指摘される。欧州連合(EU)は、フランス主導のもと、'G5 Sahel'に対する50百万ユーロの支援を表明。「模範を示し、他の関係国の貢献を促す」目的だ、と述べた。これに慎重な姿勢を見せているのがEUを離脱した英国と、トランプ政権の米国という構図だ。


'G5 Sahel'展開軍の参謀本部は、マリの首都、バマコに置かれる。国連マリ多次元統合ミッション(MINUSMA)、仏軍のサヘル地域対テロ掃討作戦、バルカン作戦との連携を図っていくことが不可欠だ。'G5 Sahel'参謀本部は、3月に軍、警察、文官5,000人からなる部隊展開を決定したが、その後10,000人規模への拡大が検討されているという。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、7月2日に予定されるサヘル5カ国首脳会議に出席する見通しだ。実現すれば、就任後早くも2度目のマリ訪問となる。それだけサヘルの対テロ作戦は、フランスにとって重要命題となっている。

いずれにせよ、国連軍でもなく、フランスでもない'G5 Sahel'共同作戦は、当事国の意思の表れであり、またフランスからすれば当事国に対テロ作戦のマンデートを漸譲していくための一歩、重要なステップであるのだ。

(つづく)
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