ぶらぶら★アフリック

アフリカ・プロモーター、ンボテ★飯村がお送りする100%アフリカ仏族ぶらぶらトーク!

二つのアフリカ会議(1)〜欧州・アフリカサミット

2017-11-16 07:30:08 | アフリカ情勢
11月末、アフリカでは大きな二つの会議が同時に進行する。一時期の超高度成長の影は潜めたものの、依然大きなポテンジャルを持つアフリカ。そして様々な課題を抱える大陸でもある。

ゆえにアフリカ諸国を集めた政治・経済イベント、首脳会議の類はとどまるところを知らず続いている。

11月29日〜30日、当地、西アフリカのコートジボワール、アビジャンで開かれるのは「第5回欧州連合(EU)・アフリカ連合(AU)首脳会議」だ。

アフリカにおけるヨーロッパのプレゼンスは、アジアでのそれと比べると格段に高い。経済的関係も深く、幅が広い。また若年層雇用や移民、テロなどアフリカの課題は、経済のみならず、欧州の安定と安全保障にも直結する。

さらに、EUとAUの類似性が両者の結びつきを強くする。地域機関として課題に直面しつつも域内統合を維持、発展させてきた欧州連合。一方、独立以来、アフリカ統一の夢を追及する中、かけ離れたリアルに向き合ってきたアフリカ連合。地域統合の課題についても共通すべき経験と課題がある。


今回の欧州・アフリカ首脳会議、本会議となる11月29日〜30日の国家元首級会合がメイン。その前に、外相会合、高級実務者会合が開かれる。また数々のサイドイベントが開催され、この間、欧州、アフリカ、域外のオブザーバーを含め、110カ国近くの代表団、総勢1万人がアビジャンに来訪するものとみられている。中でもフランスのマクロン大統領やドイツのメルケル首相などはいち早く出席をコミットしている。

会議のメインテーマは「持続可能な将来に向けた若年層への投資」。キーワードは雇用、移民、投資。そしてアフリカの治安とテロも議題の一部だ。


会議にあたって、一つの「心配事」が提起されていた。それは「サハラ・アラブ民主共和国」、いわゆる西サハラの代表団出席問題だ。

モロッコのAU復帰以降、この手の会議において、西サハラの代表性が大きな問題となっている。ちょうど一年前の11月23日、赤道ギニアの首都マラボーで開催された第四回アラブ・アフリカサミットでは、モロッコを含め6つの代表団が西サハラの出席に抗議し、退席した。
詳しい問題の経緯はこちらの記事に委ねるが、
マラボーの異変〜西サハラをめぐるガチな話
2017年7月、モザンビークのマプトで開催された第六回アフリカ開発会議(TICAV 6)閣僚級フォローアップ会合では、会場入り口においてモロッコ代表団が、西サハラ代表団を物理的に入場させないとして、一悶着となった。

かかる国際会議において、AUは加盟国全てが代表団を出席させるべき方針にあり、西サハラについても例外ではない、としている。他方、モロッコはAUにおける西サハラの代表性を理解しながら、過去自らが席を蹴って退いたAUに復帰したはずである。しかし一度復帰を果たすと、西サハラの出席阻止のための実力行使を強行する。

モロッコにとって、今回のサミットが蜜月の関係にあるコートジボワールで開催されることに期待を抱いていた。しかしコートジボワール政府は、西サハラを招待するAUの方針を受け入れるべきとの結論を表明している。


アフリカの伝統的パートナーであり、依然存在感を持つヨーロッパ。アフリカとの新しい課題とパートナーシップ形成が期待されている。

(会場となるとアビジャン国際会議場)


(つづく)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。