こどもはみんなの宝もの

飛行機への搭乗、スーパーの列、銀行の窓口。その長い列に横入りしようとやってくる人。

「どうぞどうぞ。」
「おーい、前の人、この人先に入れてやってくれー！」

列の前に進んでいったのは・・・こども連れのお母さん。

アフリカではこどもはみんなの宝もの。シルバーシートがなくても、特別な注意書きがなくても、子ども連れのお母さんや妊婦さんがいれば、みんながいたわる。席を譲ってあげる。ベビーカーや荷物を持ってあげる。悪い子供がいれば、みんなが叱りつける。


狭い機内で夜泣きがやまない赤ちゃん。お母さんが必死にあやしても、叱っても、いっこうに収まらない。

「どれどれ、俺に任せてみろ。」

そこにイカつい、見ず知らずのダンナが登場。お母さんの代わりに抱き上げてあやそうとするが、赤ちゃんはさらに激しく泣きわめく。爆笑の機内。

「ムッシュー、あなた怖いんだってさ！」
「お母さんじゃなきゃダメよ。」

子どもががうるさいと怒る人は誰もいない。
「未来をつくるのは子供たちだ。」
「みんなこどもだったんだから。」


アフリカに見習いたい寛容な社会。
こどもはみんなの宝もの。



（おわり）