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カメルーン統一記念日2017〜語学圏の衝突に揺れる記念日

2017-05-20 16:30:57 | アフリカ情勢
きょう5月20日はカメルーンのナショナルデー、統一記念日である。まずもってカメルーンの皆様に、遅ればせながらも祝いの言葉を述べたいと思う。

ポール・ビヤ大統領が君臨して35年。健康問題を抱え、そのほとんどの時間をヨーロッパ、フランスやスイスで過ごしている。

あるアフリカ人コメディアン。
「ニュース速報です。このたびカメルーンのポール・ビヤ大統領が、カメルーンを一週間の日程で公式訪問しました。」


毎年ご紹介していることだが、カメルーンのナショナルデーは独立記念日ではなくこの「統一記念日」となっている。

現在のカメルーンの国土、その大部分は独立前、仏領だった地域。他方、西部の一部は1885年のベルリン植民地再分割会議でドイツ領とされた地域(トーゴと同じ)。第一次世界大戦でドイツが敗戦すると、その領土の東半分が仏、西半分が英領となり、それぞれ信託統治領とされた。

仏領カメルーンは1960年1月1日にいち早く独立を果たす。その後、英信託統治領のカメルーンは住民投票により1961年2月に「西カメルーン」として誕生。同10月には西カメルーンとカメルーン共和国が連邦制を形成、「カメルーン連邦共和国」となる。さらに1972年5月に連邦制を廃止、「一つのカメルーン」としてカメルーン共和国が誕生する。この日、つまり5月20日がカメルーン共和国誕生記念日、ナショナルデーとなった。かくして旧仏領と旧英領、仏語圏と英語圏の共生(cohabitation)が始まる。

しかしその祝うべき統一が今危うくなっている。

カメルーンの場合、仏語圏と英語圏が融合したバイリンガルの国というとイメージが違う。それぞれ語学圏の違う地域が連邦の中にある、という方があっていると思う。よくいえばスイスか、オランダか。

しかしその比率は約8対2、英語圏は少数派だ。そしてその地域、北西州と南西州は開発の遅れた、貧しい地域として取り残されていると言われる。

(英語圏の首都バメンダ、Cameroune-info.comより)



そんな中、昨年の10月頃から、この地域で英語圏と仏語圏の摩擦が激化している。事の起こりは2016年10月16日。同地域の法曹関係者がスト闘争に突入した。カメルーン司法制度における「英語権」を主張。仏語圏民法体系を放棄し、'Common Law'(慣習法)への再帰を訴えている。

11月21日、摩擦はさらに広がりを見せる。英語圏地域の教職員も激しいデモを繰り広げていく。カメルーンにおけるアングロ・サクソン教育体系に対し、仏語圏体系が押し付けられている、と抗議する。

2017年に入った1月17日、英語圏地域のインターネット・ネットワークが突然カットされる。インターネットを返せ。ツイッターでは#Bringbackourinternetのハッシュタグで、域外から抗議と主張が続けられた。


しかしこれらの問題、単に語学圏体系の話だけではない。実際の給与が英語圏では仏語圏のそれを大きく下回っている、という不満が根底にある。若年層の失業は深刻で、中央政府は英語圏地域を見捨て、蔑んでいると。英語圏地域の「首都」バメンダは燃え盛る。


その後、連邦主義擁護派による仲裁や首都ヤウンデにおける交渉などが進められているが、今日まで問題は解決していない。関係者のストやデモも続いている。治安当局との衝突が繰り返され、そして英語圏における主導者などの逮捕が相次いでいる。国連はフランソワ・ルンセニ中部アフリカ特別代表を通じ、問題の早期解決を呼びかけている。


そんな中、きょうカメルーンは45回目の「統一記念日」を迎える。

(おわり)
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