ぶらぶら★アフリック

アフリカ・プロモーター、ンボテ★飯村がお送りする100%アフリカ仏族ぶらぶらトーク!

移民たちのニジェール・アガデス(3)〜悪夢の地、リビア

2017-06-18 13:00:44 | アフリカ情勢
西アフリカから希望の大陸ヨーロッパを目指す移民たちの長い旅路。サハラ砂漠を渡る過酷な旅は、ニジェールのアガデズからスタートする。砂漠の過酷な気候、地中海を渡る危険な航路に加え、中継地点でのマフィアによるゲットー世界、そして案内人の砂漠の真ん中での脅迫など、障害物レースはどこまでも悲惨だ。そのリアルな現実は、過去2回にわたってご紹介して来た。

移民たちのニジェール・アガデス
第一話 希望への扉か、帰らざる門か
第二話 サハラ砂漠で待ち受ける過酷なストーリー


きょうもジャーナリスト、パトリック・フォール氏がAFP通信に寄せたルポルタージュから、保護された移民の語るあまりにシビアな現実を垣間見てみたい。


砂漠を渡る旅は、想像を絶するほどに危険で厳しい。ピックアップの荷台には20-30人の移民たち。荷台のヘリにぶら下げられた水やガソリンを入れたポリタンクの狭間に身を置き、足を外にぶらつかせながら激しい揺れに耐える。

顔には覆面、ゴーグル、灼熱の中でブルゾンを見に待とう。砂漠の太陽の照射と熱、砂から身を守るためだ。アガデズからリビアまでは750キロ、ろくな休憩もないまま2日から3日の行程だ。

(news24.comより)


事故も頻繁、軍による巡回警備のみならず、対抗勢力による襲撃に備えなければならない。車両故障も命取りだ。6月には幼児を含む44人の遺体が発見されたが、そんな例は枚挙にいとまがない。「砂漠は移民たちの屍であふれている」と嘆くニジェールのバズーム内務大臣。


しかしもっと悲惨なのは人間社会だ。リビアの状況は特に危惧される。砂漠を武装勢力やマフィアグループが横行し、実行支配している。サブサハラの黒人は拷問、リンチ、監禁、奴隷、あらゆる暴力の恐怖にさらされている。その現場から保護された移民たちが証言する。


「現在、リビアはとにかく悪く、悪く、悪くなっている。」アガデズで語るのはギニアビサウからやって来たイブラヒム・アリ氏。砂漠の旅で疲れ果てた青年はトラウマと闘っていた。2年間の強制労働ののち、2年間を禁錮で過ごした。

「武器が氾濫している。リビアは最悪の状態。」ガーナ人の石工、エリック・マヌ(36)。数年をリビアで過ごしたが、治安の悪化と報酬の激減から、リビアを後にすることを決意した。「働いても賃金すら支払われなくなった。」

「賊であふれている。金と携帯電話を漁り、簡単に人を撃ち、殺す。」クマシ出身の彼は、お金を地元から送金して払うことができたことから、一文無しのの状態ながらアガデズに帰ってくることができた。しかしその道にも賊が待ち受ける。

2013年にギニアを出発したカンテ・セク(27)。当初ヨーロッパを目指したが、リビアに足止め。苦難の日々を過ごすことになった。「警察は人々を恐喝し、傭兵が殺し合っている」。セク氏は結局他の移民たちと割りの合わないきつい肉体労働に駆り出された。「まるでひどい話だ。1日約15ディナール(約10ユーロ)。食事代で5ディナールだ。でも支払いは行われなかった。三週間も1ヶ月も待たなければならなかった。食事も与えられず、どうしようもなかった。」ちなみに彼は大学で社会コミュニケーションの学士を習得している。

「しょうがなく屠殺場のある村に行かなければならなかった。彼らが好まない残った部位、例えばラクダの脚などを漁った。食えたもんではないが、他にしょうがなかった。」
「ある日、金が届いた。全額もらえたわけではないが、もうここを離れることとした。」セク氏は西部ミスラタに近い街で塗装工として働いていた。

セク氏は、移民たちから身ぐるみ剥がした上、「身代金」を迫る賊から、からがら逃れて来た。「監禁から逃れるためには、走っている車から飛び降りるしかなかった。多くの移民たちが略奪の憂き目に遭っていた。

「金を手にしようものなら、武装した輩が捕まえて、殴られる。そして監禁されることになる。」セネガル出身のイブラヒム・カンデ(26)。「禁錮にされ、300ユーロから750ユーロを払うことを要求される。故郷の親に電話し、金を追ってくれ、さもなくば殺される、と言わされた。」金はアガデズの仲介者に送られる。


「何度もなんども殴られ、蹴られ、刃物で切りつけられた。」額と太ももの傷を見せながら語った。「三度も身ぐるみを剥がされた。夜も眠れず、恐怖に苛まれた。本当に辛い思いをした。」

バラッド・アブバカル・シディキ、ギニア出身。彼も監禁の憂き目にあった。「そこは外見上、普通の家だが、中には牢獄がある。たくさんの人が収監され、それは苦しい日々だった。」散々リンチにも遭った。そして釈放金を払って、ようやく解放された。


リビアから帰還した「移民」たちは口々に同じような堪え難い経験を語っている。しかしヨーロッパを目指すアフリカ人移民たちは留まるところを知らない。「それは危険な旅であるばかりでなく、非常に高いものにつく旅でもある。結局移民が搾り取られて終わることになるのだから。」アガデズの地はその真相を知っている。


(おわり)

移民たちのリアルな現実を描いた映画↓
【お礼】難民映画祭『HOPE』上映&トークにお越しいただきましたみなさま、ありがとうございました
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 移民たちのニジェール・アガ... | トップ | マリ・バマコ郊外でテロ襲撃... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。