ぶらぶら★アフリック

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南の漁場〜荒れる海、ギニア湾

2017-05-12 08:20:49 | アフリカ情勢
「♪北の〜、漁場にゃヨ〜、凍るゥ〜、波しぶきぃ〜」
というのは、ド演歌、おなじみサブちゃんの「北の漁場」。なんで北の海って、演歌なんだろうねぇ?

さて当地コートジボワールの海はギニア湾。南からの湿った風が遠い沖合の香りを運んでくる。「♪ほほに南風〜」とか、なんか売れないアイドルの歌詞っぽい。



なんてどうでもいい話はさておき、ギニア湾の沖合がキナ臭い。

一つ目の問題はギニア湾の海賊問題。ひと昔前、海賊といえばソマリア沖であった。ところが今ではギニア湾が最も海賊出現の多いホットゾーンと化してしまった。狙われるのはナイジェリア沖。商船、中でも貨物船やタンカーが狙われる。

ビアフラ戦争以降、分離独立勢力の周辺には大量の武器供給ルートが確立された。これが海賊行為にもつながっているとされる。他方、ナイジェリアは他国軍を自国に入れないとの強い意志を貫いてきた。そういった事情も海賊行為抑止に有効な手立てが踏み切られない事情の一つとなっている。

海賊行為のエリアは拡大している。賊にしてみれば、当局の手が伸びれば、隣国の水域や公海に移動するだけだ。追ってはやってこない。海賊天国なのだ。


二つ目の問題、それは違法操業。ギニア湾は寒流と暖流が混ざりあう、良漁場であった。マグロやカツオなどを求め、かつては日本の漁船も多く操業した。

しかし今では違法操業船がをたたない。正式には「違法、無規制、無報告操業」(Pêche illegale, non réglementée et non déclarée: INN、英語ではIUU)と呼ばれている。地元の漁師や水産関係者によれば、その多くは中国漁船だという。

あるフランス人の海洋関係者はいう。「沿岸のアフリカ人が保護に努めても、中国漁船が根こそぎに魚をとっていく。稚魚でも小魚でも容赦がない。たった数年で魚は激減してしまった。」「沖で採った魚は沿岸国に陸揚げされることはない。だから実態もわからない。」


ギニア湾北岸には大小合わせて7つの国が並ぶ。これらの国が海岸線を短い距離でわけあっている。しかし海域を国境で分けることはできない。お魚も、海賊も、違法漁船も、パスポートもビザもない水域を、自由に超えながら移動し、当局の監視や統制を逃れる。

またシエラレオネ、リベリア、コートジボワールなどには紛争の歴史があった。陸地が紛争で荒れている間、海は無秩序に荒らされることとなった。その経年の果てに、今の現状がある。




これらの国にとって、大きな災難だ。しかし手をこまねいているだけではない。


昨年2016年10月にはアフリカ連合(AU)主導により、国際海上安全会議が開催された。いったいどんな対策や、共同行動や、国家間協力が可能なのか?アフリカ中の国家元首が集まり、議論が繰り広げられた。またギニア湾岸の漁業資源を保護し、持続的に活用しようとする地域イニシアティブもある。

海賊行為のホットスポット・ギニア湾〜ロメ海上安全サミット・新しい潮流と対応

しかし国境線の断絶と、多数国間の調整、沿岸国の管轄権などたくさんの課題がある。


荒れる海、ギニア湾。トロピカルな風景の向こうにあるものは、あまりにシビアな現実だ。

(おわり)

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