ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第93回」

2009-07-27 |   ビタペクト配布活動
 7月23日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第93回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクト2を10個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2は合計1615個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1320部となりました。
  
 今回で通算103回目のビタペクト2の配布となりました。
 のべ人数になりますが、現時点で1615人分のビタペクト2、そして1320家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト2配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(ビタペクト2を開発、製造、販売しているベルラド研究所のサイトはこちらです。)

http://www.belrad.nsys.by



 今回も2家族がSOS子ども村に来て保養滞在していました。それぞれのご家族にお話を伺いました。


(家族A)

 グロドノ(チェルノブイリ原発から約400キロ)から来た家族。6個のビタペクト2を渡しました。
 この家族は2007年9月にもSOS子ども村に滞在しています。今回が2回目の滞在になります。1回目の滞在のときの様子はこちら(チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第65回」家族B)をご覧ください。

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/2007/no65.html


 また引率してきた子どものうち2人が2008年10月にもSOS子ども村へ滞在しています。
 そのときの様子はこちら(チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第81回」家族Bの双子の兄弟)です。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/6c2428b23895a02787fe67d908faf93a


 それぞれの体内放射能測定結果はこのとおりです。1回目の測定結果の次に矢印で今回の測定結果を表示しています。○印の子どもにビタペクト2を渡しました。

母親(事故発生時23歳)10ベクレル  →  20ベクレル
女子(17歳) 12ベクレル ○ → 26ベクレル ○
姪 (13歳) 19ベクレル ○ → 29ベクレル ○ (ジョルドク村在住。)
男子(11歳) 20ベクレル  (ドロギチン市在住。)
男子 (8歳) 36ベクレル ○
女子(14歳) 19ベクレル  (ドゥブロワ村在住。)
男子(11歳) 22ベクレル ○(ドゥブロワ村在住。)
男子 (7歳) 40ベクレル ○ → 31ベクレル ○
男子 (7歳) 54ベクレル ○ → 35ベクレル ○


 14歳の女の子と11歳の男の子は姉弟です。
 7歳の双子の兄弟は家庭タイプ孤児院の子どもです。(他の家族の養子になっています。)幼いときに母親が21歳で病死。祖父母の家に預けられましたが、祖母が病死。その後祖父がアルコール依存症になったため、養子に出されたそうです。
 前回は高い放射能値が測定されましたが、ビタペクト2を飲んで効果が出たので、うれしかったです。
 逆に17歳の女の子と姪は飲んだのに、2年経過して再び放射能が体内にたまってしまったようで残念でした。グロドノは放射能汚染地域に指定されていませんが、指定されているかどうかは関係ないですね。

 この家族のうち前回17歳だった長男は今回年齢が高くなったため、保養滞在していません。そのとき、持病を抱えているため、前回(測定結果は22ベクレル。)ビタペクト2を渡したとき、医師に相談してから、飲むかどうか決める、ということでした。
 実際には医師から許可が下りたため、ビタペクト2を飲んだそうです。すると、それまでよく鼻血が出てなかなか止まらなかったのが、ビタペクト2を飲んでからは鼻血が出なくなったそうです。しかし時間が経つと、ビタペクト2の効能(薬ではないですが・・・。)も薄れてきて、また鼻血が出るようになってしまったので、お母さんは
「息子がSOS子ども村に今回来られなくて残念。またビタペクト2をもらいたかった。」
と話していました。
 今では本人が(もう子どもではなくなって、自分で自分の体調が分かるようになったため)鼻血が出たら、大量のミカンを食べて治しているそうです。ビタミンCで粘膜を強くしているわけですね。
 ビタペクト2が鼻血に効くというのは初めて聞きました。(いいこと聞きました。)

 また発熱には生のニンニクをかじって治しているそうです。抗生物質を飲んでも効かない体質だそうですが、確かにニンニクは体にいいです。とは言うものの、ニンニクを生で食べ過ぎると胃に悪いので、たくさんは食べられません。
 医者のリリヤ先生は
「ニンニクエキスの入ったカプセルがあるので、それを飲むほうがいい。」
と話していました。

 17歳の女の子は生まれつき心臓に欠陥があります。手術しなければなりませんが、ベラルーシではその手術をする技術が今のところないため、放置されている状態が続いています。
 とても痩せていて顔色が悪く、表情もほとんど動かず、体の具合がとても悪そうでした。
 13歳の姪は胃が悪く、食が細いと言うことでした。8歳の男の子はよく風邪をひくそうです。
 このほかの子どもは比較的健康、ということでした。


(家族B)

 ミンスク(チェルノブイリ原発から約350キロ)から来た家族。お母さんが6人の子どもを連れてきていました。
 この家族には4個のビタペクト2を渡しました。

 この家族は放射能の測定をしていない子どももいます。まず末っ子の四男が生後1ヶ月で、もちろんお座りもできないし、測定は不可能です。それでお母さんもベルラド研究所へ行かず、SOS子ども村に残ることになりました。
 2歳の次女もまだ小さいので、もし測定をして放射能値が高かったとしてもビタペクト2が飲めるわけではないため、SOS子ども村で留守番することになりました。(お母さんと片時も離れているのも無理な様子でした。)
 そのため子ども4人しか測定をしていません。それぞれの体内放射能値の結果はこのとおりです。

長男(14歳)31ベクレル ○
長女(12歳)30ベクレル ○
次男 (8歳)28ベクレル ○
三男 (5歳)47ベクレル ○

 首都のミンスク市民でこの放射能値は平均より高いほうです。しかし繰り返しになりますが、放射能汚染地域に指定されているかどうかは関係ないです。
 お母さんの話によると、14歳の長男は慢性胃炎だそうです。
 他の子どもは元気にしていますが、思っていた以上に高い測定結果が出たので、心配だ、とお母さんは話していました。
 必要となればこの家族はミンスクに住んでいますから、ビタペクト2をベルラド研究所まで買いに行こうと思えば行けるのですが、問題は値段です。
 子どもが6人もいると、個人の家庭で価格を負担するのは難しい、という保護者がほとんどでしょう。 
 
 今回もいつものように子ども達に折り紙、ポチ袋、子供向けのお話が載っている雑誌(これはベラルーシの出版)などをプレゼントしました。

 最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。

 今回子どもたちに渡した5個のビタペクト2を購入するために、CD「月と日」の売上金5枚分を充てました。
 ベラルーシ語で歌う日本の歌が収録されたCD「月と日」を1枚購入すると、その売上金の一部がビタペクト2を1個の購入する費用としてチロ基金に還元されます。
 CD1枚の売り上げが、ビタペクト1個分、つまりべラルーシのチェルノブイリ原発事故の被災児1人に無料で渡すというこの活動につながっています。
 CD「月と日」について詳しくはこちらです。(HP「ベラルーシの部屋」内)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/songs/index.html


 京都にあるヨーロッパ輸入雑貨店「Vesna!」店頭やそのネットショッピングで購入できます。ご希望の方、詳しくはこちらをご覧ください。

http://vesna-ltd.com/shop/b_music.html

 どうか皆様のご協力をお願いいたします。

 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。


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