ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

オシミャヌィへ出張講演会&新美南吉童話朗読会

2013-12-12 |   新美南吉
 ベラルーシ西部、リトアニアとの国境近くにある古い街オシミャヌィにある市立図書館に出張公演に行ってきました。
 オシミャヌィの市会議員をしていらっしゃる方と6月のシンポジウムでお会いしたのですが、そのときに新美南吉の「去年の木」を朗読したのを聴いていただいたのです。その後オシミャヌィの図書館でも新美南吉の童話の紹介をしてほしいと頼まれ、朗読会をすることになりました。
 オシミャヌィはミンスクから車で片道1時間半ほどのところにあります。初めて行くベラルーシの街ですが、古い歴史があって、道々話を聞いたところ、オシミャヌィのすぐそばで貴族として生まれたソフィヤ・ガリシャンスカヤがポーランド国王ヤガイロと結婚して、ポーランド王室の継承者を生み、さらにその子孫がヨーロッパ各地の王族と結婚したので、今のヨーロッパの王室にソフィヤ・ガリシャンスカヤの血(つまりベラルーシ人の血)が流れているのだそうです。
 このようにオシミャヌイには歴史があり、さらに第二次世界大戦中、破壊を免れたので、古い建造物も他のベラルーシの街と比べると残っているそうで、とても趣きのある街に感じられました。

 今回の朗読会は市立中央図書館で行われましたが、この図書館の中に司書や学校の先生の有志が集まるサロンがあり、毎週木曜日集まっては、いろいろなテーマの話をしたり、ゲストを招いて、話を聞いたりしているそうです。それに私が呼ばれていきました。日本人は初めて来た、ということで、新美南吉だけではなく、日本の話もしました。学校の先生が多かったので、日本の教育制度について質問が多く出されました。約40名の方が集まっていたのですが、今回は子どもはいませんでした。
 新美南吉童話の朗読ですが今回は「でんでんむしのかなしみ」「あめ玉」「去年の木」「手袋を買いに」を朗読しました。
 図書館関係の人も多かったので、皇后陛下の国際児童図書評議会第26回世界大会の講演もロシア語で紹介しました。

 実際の朗読会では話が一つが終わるたびに会場が静まり返る・・・(汗) 反応がないので、かなりあせりました。しかしこれは新美南吉の童話がつまらなかった、とかそういうわけではなく、驚いてしまったからなのでした。
 日本の子供向けの話だと思っていたら、意外と深い内容でびっくりしてしまったようなのです。その後アンケートで、感想を募りましたが、気に入った作品は「でんでんむしのかなしみ」と「手袋を買いに」にほぼ二分されました。結果はこのとおりです。(複数回答可)

「手袋を買いに」14人
「でんでんむしのかなしみ」12人
「あめ玉」4人
「去年の木」4人

 
 今回聞きに来て下さった皆さんは全員女性でした。年齢は20代から60代までさまざま。
でも女性ということで、お母さん狐が登場する「手袋を買いに」に感情移入しやすかったようです。
 もっと詳しい感想をいただきましたので、翻訳して後日ご紹介いたします。
 オシミャヌィ市立中央図書館には、日本のことを紹介するロシア語の雑誌や立体折り紙で作ったふくろうを寄贈しました。(このふくろうを見せると、みんなびっくりするのですが、毎回プレゼントとして重宝しています。)

 他にも近辺にある図書館や博物館を見学してもらい、たった1日でしたが、とても充実した日になりました。
オシミャヌィにはまた気候のいいときに改めて旅行で行きたいなあと思いました。近くに古城もあるそうです。

 画像の中で手に持っている雑誌は「ライブラリー・ワールド」です。
 

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