雪の朝ぼくは突然歌いたくなった

2005年1月26日。雪の朝、突然歌いたくなった。「題詠マラソン」に参加。3月6日に完走。六十路の未知の旅が始まった…。

髭彦閑話 27 「『坂の上の雲』放送を考える全国ネットワーク」にリンク・掲載

2010-06-28 18:34:37 | 髭彦閑話

<髭彦閑話23―浅い現実主義と深い理想主義>に、「坂雲管理人」というなにやら怪しげなハンドルネームのコメントが来た。
一瞬、時おりあるエロ・サイトからのコメントかとも思って躊躇したが、思い切ってコメントを開いてみると「『坂の上の雲』放送を考える全国ネットワーク」とある。
なるほど、坂雲=坂の上の雲かと納得はしたものの、それにしても「『坂の上の雲』放送を考える全国ネットワーク」などという「全国ネットワーク」が僕のような弱小・軟弱なブログに何用かといぶかりながら、コメントを読んだ。
そこには、まったく予期しない申し出が書いてあった。

                              *

私『坂の上の雲』放送を考える全国ネットワーク の管理人です。
特に4.オルタナティブ=もうひとつの選択肢の視点ーーーの部分は当会の目的意識と重なるところが多いものですから
http://kakaue.web.fc2.com/
に紹介させていただきたいと思います。
できれば
4.オルタナティブ..以降の所を転載したいのですが?。
よろしくお願いします。

                              *

僕は、「明るい明治と暗い昭和」、「日本は日露戦争まではよかった」式のいわゆる「司馬史観」にはまったく同意できないし、藤沢周平を読むようになってからはなおのこと、司馬遼太郎の英雄物語風のものは鼻について読めなくなった。
それにNHKの大河ドラマを見る習慣が元々ないので(NHKの大河ドラマに限ったことではないが)、『坂の上の雲』のドラマなどは余計見る気がしなかった。
俗耳に入りやすい「司馬史観」が、これでいっそう国民の中に刷り込まれていくのかというイヤな感じはしたものの、それ以上、特になにをするでもなしにこれまで過ごしてきた。
そこに、「『坂の上の雲』放送を考える全国ネットワーク」の「坂雲管理人」という方からのこのお申し出である。
そこで、すぐ「『坂の上の雲』放送を考える全国ネットワーク」のサイトを見てから、下のような返事のコメントを載せた。

                         *

実は、去年、出版されたばかりの中村正則さんの『「坂の上の雲」と司馬史観』(岩波書店)を本屋でたまたま手にしたところ、朝鮮「永世中立化」の道に関する僕の議論が紹介され、それを踏まえて日清戦争の不可避性と、帝国主義的侵略の道か半植民地化の道しか当時の日本になかったのかどうかが、検討されているのを見て驚きました。
今回のお申し出は、それに続く驚きです。
引退した社会科の一教師の経験と試行錯誤に基づく、しかも何年も前の議論です。
もしなんらかのお役に立つのであれば、どうぞ遠慮なくお使いください。
むしろ、光栄です。
安川寿之輔さんをはじめ、どうぞ諸先生方によろしくお伝えください。
会のご健闘をお祈りします。

                              *

安川寿之輔さんの名を出したのは、かつて安川さんが僕の福沢諭吉に関する授業実践などに著書の中で触れてくださって以来のおつきあいがあり、「『坂の上の雲』放送を考える全国ネットワーク」のサイトに安川さんの講演の予告があったからである。

HPには「参考サイト」という新設のジャンルがあり、覗いてみると、一番トップに歴史教育に関する実践記録などが3つリンクされていた。
最初の<主題学習「19世紀後半、日本人のアジア観」>というのは、東京学芸大学附属高等学校大泉校舎の田中暁龍さんという方が1997年に発表された実践記録であった。
驚いたことに、これに次の僕の文章が2つも引用されていたのである。
「福沢諭吉の視点から柳宗悦の視点へ-日朝関係史のバクロ型授業を乗り越える試み-」(『歴史地理教育』465号、1990年12月)
「日清戦争をめぐる歴史の選択肢と歴史学・歴史教育」(比較史・比較歴史教育研究会編『黒船と日清戦争 歴史認識をめぐる対話』未来社、1996年)
3番目の<いま,なぜ,世界史か>は、戦後世界史教育の吉田悟郎さんと並ぶもう一人の巨人であった故・鈴木亮さんのHPに掲載されている、1998年の鈴木さん最晩年の文章であった。
僕はかつて「比較史・比較歴史教育研究会」という小さな研究会で、晩年の鈴木亮さんと知り合い、多くのことを学んだ。
井上ひさしさんが亡くなって、「むずかしいことをやさしく/やさしいことをふかく/ふかいことをゆかいに/ゆかいなことをまじめに書くこと」という彼のモットーが広く共感を呼んだが、今にして思えばまさにこの精神を歴史教育の分野で実行して文章を書いたのが鈴木亮さんだった。
その鈴木亮さんがなぜか僕の拙い実践を評価して、時おり彼の文章に引いてくださったのである。
この「いま,なぜ,世界史か」にも、1997年に東京で開かれた「日韓歴史教育東京シンポジウム」で僕が「日韓関係の近代史を問い直す」という報告をしたときのことが書かれている。

さらに、HPの「参考サイト」にはさまざまなサイトなどがリンクされていたのだが、<書評『「坂の上の雲」と司馬史観』~『思想運動』新年号>という表題が目に入って驚いた。
これは、この数年来、オフ会で親しく行き来している畏友<酔流亭>さんのブログに載っているもので、僕が<坂雲管理人>さんに書いた返事のコメントに挙げた中村正則さんの『「坂の上の雲」と司馬史観』の書評ではないか。

さらに<坂雲管理人>さんから、アドレスをどこで知られたのかメールが届き、「福沢諭吉の視点から柳宗悦の視点へ-日朝関係史のバクロ型授業を乗り越える試み-」(『歴史地理教育』465号)の掲載許可を求めてこられた。
これも光栄であれこそお断りする理由はないのでOKのご返事をしたところ、『歴史地理教育』を発行している民間教育団体「歴史教育者協議会」のOKも取られて、HPに掲載した旨のご連絡があった。

こうして、意外な展開で一引退社会科教師にすぎない僕のブログに載せた6年前に書いた文章と、20年も前に書いた文章が、「『坂の上の雲』放送を考える全国ネットワーク」のHPに各々リンク、掲載されることになった。
現役の社会科歴史教育関係者はもちろんのことだが、それ以上にマスコミや一般の国民の皆さんの眼に触れ、問題意識を少しでも共有していただけるきっかけにでもなれば、これに過ぎる喜びはない。
<坂雲管理人>さん、ありがとうございました。


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8 コメント

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驚きました (酔流亭)
2010-06-29 15:31:48
髭彦さん、こんにちは。
そのサイトに拙ブログの記事もリンクされていたとは知りませんでした。
前回の『閑話』が面白くて、続きを読もうと来たところです。
驚いたり、ちょっと喜んだり、です。
酔流亭さん、こんにちは (髭彦)
2010-06-30 11:41:31
ご存知かなと思ったりしたのですが、そうでしたか。
すぐにお知らせすればよかったですね。
それにしても、偶然、同じサイトにリンクされるなんて、光栄です。
例の話の後日談は、今日アップするつもりです。
こちらこそ光栄 (酔流亭)
2010-06-30 17:21:19
髭彦さん、こんばんは。
光栄なのはこちらのほうです。
拙ブログへのTBもありがとうございました。
ところで渡辺京二氏が先週、朝日の夕刊に書いていたコラムに教えられるところ大でした。
酔流亭さん、こんばんは (髭彦)
2010-06-30 22:49:08
我が家は、僕が『東京』で吾妹が『朝日』。
相互乗り入れはありますが、どうしても見落とすものは出てしまいます。
<渡辺京二氏が先週、朝日の夕刊に書いていたコラム>は、見落としていました。
探して読んで見たいと思います。
ありがとうございました。
安川寿之輔さん (酔流亭)
2011-08-02 16:09:46
ご無沙汰しております。
つい最近、さるセミナーで安川寿之輔さんの講義を聴く機会に恵まれました。朝食のとき(泊り込みのセミナーでしたので)向かい合わせになりましたから、髭彦さんの名を出したら「よく知ってますよ。私が教えられています」とのこと。名前が厳めしいので怖い人かなと事前には思っていたのですが、気さくな方ですね。
なお講義のテーマはやはり福沢諭吉。一度質問したら「勉強してますね」と誉めてくださいました。
酔流亭さん、こちらこそごぶさたしました (髭彦)
2011-08-03 10:17:44
安川さんにお会いになったとか。
未だに安川さんが僕のことを覚えてくださっているのは、光栄です。
酔流亭さん、それはともかく、ご多忙でしょうがそのうち一杯やりませんか。
積もる話もありそうです、お互いに。
是非 (酔流亭)
2011-08-03 17:19:45
安川さんは交通費さえ出してくれるなら後は無料でどこにでも話に行かれるそうです。アジアと日本の歴史認識の亀裂をすこしでも埋めるための活動だと思っていると。
しばらくブログ仲間とご無沙汰していましたが、一杯、是非やりたいですね。
では夏の間に… (髭彦)
2011-08-03 23:00:57
一杯やりましょう。
明日から3日ほど、友人と安曇野・白馬方面を旅しますが、帰ったらご連絡します。

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