移ろいゆく日々

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気にとめたことを忘れぬうちに

市場経済の形

2017-05-14 10:40:43 | Weblog
 東アジアでは、中国のその経済規模による世界的な存在感により、その均衡のなかで日本をどう位置づけていくか、そこが大きな課題になっています。デフレ脱却の先にあるこれからの日本のあるべき姿を見据えていく必要があると思います。
 市場経済は、計画経済と比べてコストを下げたり適正な利益分配を行うためには、やはり合理性が高い仕組みです。ここで注意すべきは、市場経済=自由主義経済ではないこと。自由な経済活動を保証する社会構造が、必ずしも適正な市場経済を維持できる要因ではないこと、です。つまり、適正な競争を促す市場経済の形成には、適切な法整備と政府・行政の介入、そして社会的成熟が必要ということです。
 中国は、共産党一党独裁の国です。国営企業の幹部は全て共産党の幹部が兼ねており、地方政府(省単位ですから、国と同義でしょう。)の幹部もまた共産党の幹部が兼ねている構造です。一見すると危うい組織ですが、一方で中国は二千年以上に渡って、強力な官僚制と中央集権制の中で世界文明の一角を築いてきた国ですから、今も腐敗汚職の防止のための仕組み、人材作りも強力で、現時点では成功裡に進んでいるように見えます。共産党一党独裁がうまく人民解放軍支配と中央集権国家の形成に機能しているように見えます。この是非はともかくとして、中国は共産党一党独裁、中央集権国家と強力な官僚機構の中で、この二十年にわかって市場経済制度を導入、法整備を進めてきたわけです。もちろん様々な軋轢や犠牲がでているのですが、そこは独裁体制で乗り切りながら、全体として国民の不満を解消しながら国力の増進につとめたきた、経済規模による世界的な存在感を充分に活用した経済活動をすすめているということです。
 その中国を巧みに利用してきたのがEU、なかでもメルケル首相が率いるドイツです。東西ドイツの統合、EUの発足の中で、ドイツは自由民主主義ではない中国の政治体制には目をつぶり、その経済活動の発展と自国の利益を優先して取り組んできました。ドイツは二つの世界大戦で植民地は全て失いましたので、東西ドイツの統合という窮状の中で、自国の発展には中国との取引は是が非でも必要だったともいえます。
 中国も、冷戦後の米国一強の時期にあって、米国との二極化を目指すには、米国以外の極であるEU、その中でも政治体制に目をつぶるドイツとの協力関係は必要だったと思います。
 中国は、世界の趨勢として、「自由市場経済国」として認知されつつあります。まだ主要先進国で承認はされていませんが、その経済規模を取引交渉材料として、多くの国からFTAなどを勝ち取ってきています。主要産業は国営企業が握っていて、その幹部は共産党幹部と兼ねているおり、様々な政府補助金を利用できるにもかかわらず、世界的には市場経済国家として認められつつあるのです。EUではドイツが真っ先に承認する方向にあるでしょうし、米国もまた「為替操作国」の認定を見送りそうです。日本に対しては「為替操作国」の認定をちらつかせながら、であるのにです。
 適正な市場経済を維持、発展させるには、自由市場を維持させるために様々な法整備や行政介入が不可欠です。その点では、日本ももっともっといろいろな交渉カードをもって世界の国々との対峙をしていく必要があります。
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