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高齢ドライバーに「免許返納せよ」大論争 ネットで展開される極論

2016-11-26 06:29:19 | ニュースまとめ・総合
高齢ドライバーに「免許返納せよ」大論争 ネットで展開される極論



2016年11月25日 17時12分

ZAKZAK(夕刊フジ)


 全国で高齢ドライバーによる交通死亡事故が相次いで報じられている。犠牲者や遺族らの無念は察するにあまりあるが、インターネットなどでは「高齢者の運転免許没収」といった極論まで出ており、肩身の狭い人もいるはずだ。本当に“危ない”ドライバーを見分けて事故を防ぎつつ、高齢者が快適に運転できる方策はないものか。

 兵庫県の中国自動車道上り線で20日、70代の男性が運転する乗用車が約20キロ逆走した。福岡県では、77歳の女性が運転する軽乗用車が病院玄関に突っ込む事故も起きた。

 警察庁によると、昨年発生した交通死亡事故のうち、75歳以上が過失の重い「第1当事者」となったのは458件。この10年で全体の事故件数が減少傾向にある中、75歳以上が占める割合は7・4%から12・8%に上昇している。

 ただ、高齢ドライバーの名誉のためにも強調したいのは、2005年12月末の75歳以上の運転免許保有者数が236万5533人だったのに対し、15年には477万9968人とほぼ倍増している点だ。必ずしも高齢ドライバー1人当たりの「死亡事故率」が急上昇しているわけではない。

 とはいえ、高齢ドライバーが増えれば、認知症や老化を背景とした事故のリスクが高くなるのも避けられない。ネット上では「70歳以上は免許証を取り上げるべきだ」といった残酷な意見も散見される。

 「一定年齢に達したら免許は没収するといったやり方には反対だ」と憤るのは、50年以上にわたり活動する現役のモータージャーナリストで「いまも年間4万キロを運転する」という青木英夫氏(83)。「100歳になっても運転できる人もいるし、地方に住む人にとっては、車は必需品だ」と指摘する。

 事故の被害者側は言うまでもないが、人の命を奪った身として最晩年を送るドライバーも悲惨だ。どうすれば悲劇を食い止められるのか。

 NPO法人「高齢者安全運転支援研究会」の中村拓司事務局次長は「65歳になった時点で一度、『関所』を設けてはどうか」と提案する。

 「免許を取得するには『卒業検定』を通過する必要があるが、同じ試験を一定年齢に達したときに義務付ける。長年、公道を走るうちに身についた自己流の悪いクセを矯正することが目的だ」(中村氏)

 一方、現行の免許制度に関して、青木氏が「形式的だ」、中村氏が「甘いという声もある」と口をそろえるのが「高齢者講習」だ。70歳以上のドライバーは免許更新の際に受講が義務付けられているが、中村氏は「講習はシミュレーターや教習所内での運転のみだ。日本老年精神医学会は路上での実車テストで判断すべきだという提言を出している」と話す。

 75歳以上の高齢者には、免許の更新時に記憶力や判断力の測定が実施されている。来年3月からは、特定の違反があった場合にも行われることになるが、中村氏は「認知症については、警察とは別の機関が調査するべきだろう。客観的なデータを取り入れるべきだ」としている。

 ドライバーの心構えも重要になってくる。前出の青木氏は「サンデードライバーのような人は、自分の衰えに気付きにくいかもしれない」とし、自分の体力を自覚することが大切だと説いた上で、こう提案する。

 「車線を外れると警告音が鳴ったり、自動ブレーキが作動したりという、運転をアシストする車両であれば乗ってもよいという高齢者向けの『限定免許』の制度を作るのも一つの考えかもしれない」

 新たな事故を防ぐために、知恵が求められている。
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