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イオン甲子園店、稼ぎ時に「突如閉店」のナゾ

2017-05-15 11:42:07 | ニュースまとめ・総合

イオン甲子園店、稼ぎ時に「突如閉店」のナゾ


東洋経済オンライン 5/15(月) 10:00配信


 プロ野球公式戦開幕を3日後に控えた今年3月28日、甲子園球場から阪神高速道路1本を隔てて、徒歩わずか1分の距離にあるイオン甲子園店が、2カ月後の5月末で閉店する予定だと、毎日新聞が大阪版で報じた。実は、このニュースにショックを受けた野球ファンが少なからずいた。

 毎日新聞の記事は、前日に共同通信が配信したニュースを転載したものだった。記事によると閉店の理由は業績不振としており、この物件の賃料を得たり、使い方を決めたりできる信託受益権を三菱地所が取得しているが、閉店後の施設の活用法は未定という内容である。

 その後、三菱地所には問い合わせが殺到。三菱地所は今年2月28日に信託受益権を取得したことと併せて、具体的なスケジュールや計画の詳細は未定ながら、今後この施設を一時閉館し、リニューアル工事を実施したうえで、新たな商業施設として再オープンする計画であることを公表した。

■イオン甲子園店と野球ファンの関係

 なぜ野球ファンはイオン甲子園店が閉店するということを知って、驚いたのか。それは、イオン甲子園店は甲子園球場に訪れる観客に、観戦中に食べる「観戦フード」と駐車場という2つの重要なアイテムを供給し、野球ファンに広く親しまれてきた店だからである。

 球場の最寄り駅の阪神電鉄甲子園駅から球場までの道の右側に位置し、電車で来る人も車を使う人も問わず、多くの観戦客が立ち寄る。もともとはダイエーの店舗であり、かつてはダイエー全店の中で売上高トップを誇ってもいた。

 甲子園で試合が開催される日となれば、地下2階の広大な食料品売り場が観戦フードを仕込む野球ファンでごった返す。店内には18台もレジがあるが、その全てに売り場の端にまで達する長蛇の列ができる。筆者の実体験では、精算までにおよそ40分程度、場合によっては1時間近くかかることも珍しくない。
ファンの不満が爆発する可能性も

 これだけの需要を吸収していた店が閉店すると、どうなるだろうか。観戦フードをここで買えなくなった人々が、球場内のショップに向かうとすると、現在の体制のままでは到底、客をさばききれるとは思えない。そうなればファンの不満が爆発する可能性もある。

 甲子園球場を所有する球団親会社の阪神電鉄にとって、とてもではないが「ビジネスチャンスが増える」などと言っていられる状況ではないのだ。

 乗用車で観戦に訪れる客にも影響は大きい。イオン甲子園店が入居するビルの4階から6階までと屋上はタイムズが運営する駐車場スペースになっており、最大収容台数は1000台。関係者によれば、ゲーム開催日でも満車になることはないが、それでも少ない日で300~400台、多い日だと600台の利用があるという。

 駐車場からの人の出入り口は店内にしかなく、店舗を閉鎖すれば駐車場も閉鎖せざるを得ない。既に5月末日をもって「契約期間満了に伴い営業を終了」する告知を出しているが、近隣にこれだけの台数を収容できる駐車場はない。球場の南東側にある「ららぽーと甲子園」の駐車場は3000台の収容能力がある。だが、野球観戦客の駐車を禁じていて、発覚すれば、ららぽーとで買い物をしたかどうかにかかわらず、通常の駐車料金に加えて6000円のペナルティを課される。

 閉店まで3週間を切ったというのに、イオン、三菱地所ともに、なぜか閉店が5月末であることを認めず、「正式な閉店時期は未定」としている。しかし、実は店内に入居する専門店にはすでに4月13日付の書面で、かなり具体的な指示が出されているのだ。

■閉店で「甲子園駅」にも対応が必要か

 在庫処分セールをするのであれば、第1弾は4月28日から30日の3日間、最終弾は5月26日から31日までの6日間。そして、顧客に対する閉店の告知は4月28日からとし、あくまで各店舗ごとの閉店や閉鎖・移転の案内という形を取る、つまり、対外的には、イオンが閉店になるから退去を求められているとは、言わない形を取るよう求めている。

 また、什器・備品の搬出も6月1日から7日までの7日間を指定。搬出スケジュールは後日調査用紙を配り、調整したうえで4月30日までに確定、ゴミについても計画的な廃棄を求めている。

 阪神電鉄甲子園駅はここ数年の改装で、乗客の収容規模を見違えるほど増強してきた。現在も観戦には電車の利用を呼びかけており、イオン甲子園店の閉店で駐車スペースを失う人には、引き続き、電車での利用が勧められることになるだろう。

 電車で甲子園球場に訪れる人が増えるだろうから、誘導にあたる駅員の体制も見直しを進めているかと思いきや、阪神電鉄はイオン甲子園店の閉店に対して「どういう影響が出るのかわからないので、現時点では特に対策は立てていない。影響を見てから考える」とするにとどまる。


もともと甲陽学院高校の校舎が建っていた

 イオン甲子園店の敷地には、もともと甲陽学院高校の校舎が建っていたが、騒音の悪化を理由に移転。跡地を1978年に取得したのが、旧三和銀行系デベロッパーの東洋不動産であり、起工までに10年以上の年月をかけて地元住民と交渉して上物の建設にこぎ着けた。

 テナントにはダイエーグループの百貨店業態である「プランタン」が入居し、1993年6月にオープンした。テナントがスーパー業態のダイエーに代わったのは1995年9月のことで、昨年3月からはイオンに衣替えしている。

 一方、土地建物の所有権はやや複雑な変遷を辿っている。プランタンオープンの翌月から、東洋不動産が全体の9分の2を不動産の小口化商品「TIPS-3」として販売を開始。翌年2月に200口全てが完売している。

 投資家には13年後に物件を売却して償還するというスキームで、実際に売却に至ったのは、当初の予定から半年ほど遅れた2007年4月。買い手は不動産ファンド運営大手のセキュアード・キャピタル系のファンドで、当時の報道によれば、約400億円で売却されたようだ。

 売却の2年前にUFJ信託銀行を受託者とする信託が設定されたが、信託受益権についてセキュアード系ファンドが取得した形をとり、同時に信託の受託者もみずほ信託銀行に変更されている。信託受益権の売買とすることで、不動産の取得にかかる税金の節税を図ったのだろう。

 今回、三菱地所が取得したのは、このセキュアード系ファンドが持っていた信託受益権である。

■改装後、再オープンするがテナントは「まったく未定」

 三菱地所は今後改装を実施し、新たな商業施設として再オープンさせることを計画しているが、再オープン時のテナントは「(イオン側が)再入居を希望するのかどうかも含めて、改装後のテナントはまったく未定という状況。いずれにしても、当社が提示する賃貸条件での交渉になる」(三菱地所)という。

 それにしても、なぜ書き入れ時であるプロ野球のシーズン中に閉鎖するのか。プロ野球だけでなく、高校野球ファンが大挙する「夏の甲子園」も控えているタイミングである。今回の閉店報道について、イオンが唯一回答したのは、「共同通信が業績不振を理由に閉店と報道したが、業績不振が理由ではない」ということについてだけだ。


では閉店をした理由は?

 業績不振ではないのに、稼ぎ時の野球シーズン中に閉鎖する――。このことに合理的な理由を見いだそうとすると、三菱地所から退去を求められたから、という答えにならざるを得ない。イオンとの賃貸契約がどうなっているかについては、イオン、三菱地所ともに「守秘義務があり公表できない」としている。

 このため賃貸期間のほか、賃料設定が固定方式なのか、それとも売上に応じてスライドする方式なのか、あるいは、固定方式とスライド方式の併用なのかも定かではないが、通常、賃貸契約期間中に大家が店子に退去を求めるということは考えにくい。

 従って、今年5月、もしくは6月、7月に契約期限が到来する契約になっている可能性が考えられるが、そうであっても、せめてシーズン終了まで短期間の期間延長を認める方法もあったはずだ。

 また、建て替えではなく改装なので、1年以上の工期を必要とするとも考えにくい。シーズン終了までは賃料収入を得て、その間に計画を立て、シーズン終了とともに改装に着手しても損はないだろうに、なぜシーズン中のこのタイミングで閉店するのか。

 甲子園球場では、タイガース戦が年間60日開催され、その都度1日平均4万人の観客が集まる。そして、イオン甲子園店は、まさに甲子園駅から球場へ向かう通り道にあるのだ。中には、必ず立ち寄るという人もいるだろう。閉店によって、今後はそれがどう変わるのだろうか。

■付近に「ららぽーと甲子園」もあるが…

 前述したように、球場の南東側には、三菱地所の永遠のライバルである三井不動産が展開するららぽーと甲子園がある。イオン甲子園店がなくなっても、こちらに行けば良いようにも思える。

 ただ、ららぽーと甲子園のアクセスガイドを見ると、甲子園駅東口から徒歩5分とあるが、それは最も甲子園駅に近い出入り口までの所要時間。しかも、駅から球場の脇を通り過ぎた先にあり、食料品売り場があるイトーヨーカドーは駅から最も遠い南東の端に位置する。そのために、現在は観戦客にとっては「わざわざ行かなければならない」立地ではあるが、イオン甲子園店の閉店とともに客が流れる可能性はある。

 それでも、イオン甲子園店の立地は、駅から甲子園球場に向かう道のすぐ右側にあり、観戦客にとっての利便性は、ららぽーと甲子園に比べて圧倒的に高い。どのような店舗が入るにせよ、改装終了後の再オープン後の店舗にとっても、甲子園球場に来る観客は主要顧客になるはずだ。

 タイガースは5月23日から28日までの甲子園6連戦の後、5月30日から6月1日までの3日間、ロッテ戦をZOZOマリンスタジアムで戦い、6月2日には甲子園に戻ってくる。このままではタイガース不在の間に、ファン御用達の店があいさつもなく閉まっていたということになりかねない。

 これまでこの店を支えてきた顧客は、将来もこの場所の店舗を支える顧客である。しかるべき説明が望まれることは言うまでもない。
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