自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

ホタルブクロ

2017年07月16日 | 玉川上水
 ホタルブクロを続けます。この花はまちがいなく大きくて、花序としてこのくらいのものはよくありますが、ひとつの花でこれだけ大きいのは少ないと思います。そのたおやかな感じが好ましく思います。ガクがそりかえったところとか、葉のきちんとしたようすも好ましいと思います。
 きのうの記述でCampanulaが学名だといいました。そしてキリスト教会の鐘という意味だとも。まちがいではないのですが、私は調べもしないでこれが宮沢賢治のカンパネルラそのものだと思っていました。学名はラテン語ですが、カンパネルラはイタリア語、どちらもラテン系だから方言くらいの違いでしょうが、Campanellaで、スペルも少し違います。パガニーニにラ・カンパネルラというバイオリンの名曲がありますが、これもイタリア語です。
 鐘も、きっと古い中国からヨーロッパにもたらされたのでしょうが、アジアではお寺の鐘のように大きくなってゴーーーンと腹にしみるような音になり、ヨーロッパではカランコロンと平和を示すようなのどかな感じになったのはおもしろいことです。どちらも静かな集落や町に響いて住民がみんなさまざまな思いで聞いたのだと思います。みんながいっしょにしかし別々の場所で聞くということが一種の心理効果をもたらすのだと思います。そういう意味では今は録音で学校のチャイムが流れたりしますが、よく音程がよくなくて下がったりします。人の耳というのは不思議なもので、とてもすぐれた再生音でも、本物と違うということはわかるものです。でも現代社会ではほとんどの音楽が再生音になっています。それがあたりまえのようになっているのですが、ときどき駅などでナマの演奏を聴くと、遠くからでもホンモノだとわかります。逆にいうと、こどものときからホンモノでない再生音の、それも音程の悪いのを聞かせ続けるというのはいかがなものかなとも思います。
 カンパヌラが長くなりましたが、津田塾大学のグランドのわきに、まとまったホタルブクロの群落があり、玉川上水のが白い花なのに対して淡紅色で、背景もグランドなのでなかなかきれいでした。


津田塾大学のホタルブクロ(2017年6月12日)
コメント
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