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参議院先議法案とは

現在開会中の第193回国会の内閣提出(予定)法案は64件です。
うち参議院先議法案は5法案になるということが、先日、与野党間で合意しました。

参議院先議法案とは何か、またこれまでどの程度の割合で参議院先議となっているのかについて、改めて紹介したいと思います。

現在、衆議院で審議中の予算案は、憲法第60条の規定により衆議院から先に審議しなければなりませんが、法律案に関しては、衆議院から先に審議して参議院に送付しても、参議院から先に審議して衆議院に送付しても良いことになっています。

よって、参議院で先に審議する法案のことを、「参議院先議法案」と呼んでいます。

ただ、やはり衆議院から先に審議して参議院に送付される法案が圧倒的に多く、参議院先議法案は割合としてごく一部に留まっています。

なぜ、参議院先議法案があるのでしょうか。

それは、国会の会期末になると衆議院から参議院に送付される法律案が次々と出てくるのですが、常任委員会の定例日は決まっており、会期末が近付けば近付くほど、どうしても審議日程は窮屈になってきます。

よって、予算案審議が終わった後、参議院の委員会日程に比較的余裕がある4~5月頃に衆議院と日程をすみ分けながら参議院先議法案の審議を行っているのです。

第193回国会では、内閣提出(予定)64法案のうち、先議は5法案であり、先議率は7.8%です。

では、これまでの国会ではどうだったのか、について見てみます。
以前、平成以降で先議率が高かった常会を概観したことがありますが、今回は昭和を含めてみたいと思います。

[参議院先議率が高かった常会]
第10回国会(昭和25年) 27.6%
第7回国会(昭和24年) 24.5%
第136回国会(平成8年)23.2%
第46回国会(昭和38年) 21.8%


ちなみに、平成以降で参議院先議率が20%を超えた常会は、7国会あり、直近の例は平成16年の20.5%でした。

[第193回国会における参議院先議法案]
○総務委員会
地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律案
〇厚生労働委員会
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案
○農林水産委員会
農林物資の規格化等に関する法律及び独立行政法人農林水産消費安全技術センター法の一部を改正する法律案
○経済産業委員会
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案
○国土交通委員会
不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案
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