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ヤングアダルトとはなにか (1ページ目)

2017年10月02日 | ヤングアダルトとはなにか

『ヤングアダルトとはなにか』 梨屋アリエ

もくじ

  1. はじめに
  2. ヤングアダルトという言葉について  9/6 修正
  3. 歴史・時代背景について アメリカ 9/6 修正
  4. 歴史・時代背景について イギリス 9/6 修正
  5. 歴史・時代背景について 日本 9/6 修正
  6. 図書館の状況   10/1 微修正
  7. 図書館の状況2 8/11 一部更新
  8. 出版社の状況
  9. 作者の意識・読者の意識
  10. 戦時下の読書について
  11. 選書について
  12. ヤングアダルトに携わる人へ  

   参考文献・資料


1、はじめに

YA、ヤングアダルト小説、ヤングアダルト文学、呼び方はいろいろありますが、ヤングアダルトについておやっと思う曖昧な情報がTwitterなどで飛び交っているのを見かけるので、単行本デビューの2009年からYA作家を自称している梨屋アリエがこれまで調べてきたものと経験したことをもとに、少しブログに書いておきます。これは2014年に公開したものの修正版です。いずれは無料の電子書籍にします。

参考文献は最後に示します。YAについてあちこちに書かれている情報をひとまとめにしたいと考え、資料をうつしている箇所があります。後日、引用等の整理をさせていただきます。

※いったんブログに書いた文章がパソコンの不調ですぱっと消えてしまったため、くじけました。少しづつ更新します。途中まででごめんなさい。



 

2、ヤングアダルトという言葉について

ヤングアダルトという言葉は、日本で突然できたものではありません。

アメリカで使われ始めた言葉です。
young Adult 「若い大人」という意味です。
もう子どもではないと自認しはじめていても社会からは大人とは認められない、そんな十代の若い人たちを指すための言葉です。

「大きい子ども」ではなく、「少年少女」でもなく、「ティーン」でもなく、「若い大人」なのです。読者を「大人」の一員として扱っている。これは重要なことです。

そして「若い大人」は、はっきりくっきり大人を自覚し、自己像を確立した「ベテランの大人」とも違うということです。

さて、アダルトという言葉をみてポルノを連想し、ドキドキする人や嫌悪感を持つ人がいるようですが、ヤングアダルトにポルノの意味は含まれていません。誤解しないでくださいね。「若い大人」ですから、性の問題が描かれることはありますが、ポルノではありません。

ヤングアダルトという言葉のアダルトが恥ずかしいので言いかえろと主張する人がいるのですが、アダルトは大人と言う意味で恥ずかしい言葉ではありません。公共の乗り物の料金表示でも入館料でも大人は英語でAdultって書いてありますよ。ですから、いわゆるアダルトビデオのほうをポルノビデオとはっきり言うべきではないでしょうか。すべてのアダルトがポルノを見たいわけではありません。大人にとっても失礼な話です。

ヤングアダルトをYAと表記するのは、アメリカでもそのように使われているのですが、アダルトという言葉にドキドキする人がいるため、わざとヤングアダルトとカタカナを使わない、配慮の意味もあります。二文字ですむからとか、かっこいいから、という理由もあります。

YAは、ワイエーと読みます。ヤーではありません。

 

誤解と言えば、

学校の先生の中に誤解をされているかたが多いのですが、ヤングアダルトは中学生向け限定という意味ではありません。

「高校生だからヤングアダルトは読ませない」とおっしゃっている高校の先生や「うちは学力が高い中学だからヤングアダルトは読ませない」とおっしゃっている私立中学の先生にお会いしたことがあり、誤解されているなあと感じます。

ヤングアダルトは、むしろ、義務教育を卒業した年齢の若い人に読んでもらうために、アメリカの高校の先生が工夫して読んでほしい本のブックリストを作ったことが始まりなのです。

特定の内容やジャンルやレーベルを指すものではなく、図書館や学校教育の現場から「若い人に本を」という思いで出てきた言葉です。(詳しくは後述します。)

 

ヤングアダルトの読者対象を12歳から19歳、13歳から18歳など、年齢で表記される機会が現在は増えていますが、これは対象をわかりやすくするためのおおよそのものです。現在は中学生や高校生の時期を指すために使われることが多いので、その国の教育制度によって年齢にずれがあります。また、ヤングアダルトを思春期の文学としてとらえる場合、思春期の前期が始まる年齢を含めることがあるので、第二次性徴が始まる小学高学年を含めるケースもあります。わたしとしては、小学校の図書館に売るためにヤングアダルトの年齢を下げることには憂いを持っております。児童文学には「小学高学年向け」と言うグレードがあるのですが、少子化の影響か人手不足か「小学高学年向け」とヤングアダルトが同じもののように大ざっぱに扱われてきています。でもね、小学生には大人と言うより「子ども」としてのプライドがあると思うんです。小6は「最高学年」と言われて子どもの代表みたいな感覚がありそうだな、と。中学生から少し大人という感覚なのではないかと。もちろん人それぞれですが……。

しかし、文学は、学力や年齢で読むものではありません。ひとりの人格をもって生きてきた読者が、それまでに培われた知見や想像力を足掛かりとして読むのです。

〇歳になったらヤングアダルトを読ませる、〇歳になったらヤングアダルトを読ませない、と誰かが決めるものではありません。「若い大人」であれば、なにを読むか、だれの意見を参考にするかは本人が決めることです。

 

ヤングアダルトの説明をすると、「でも、12歳は子どもだよ」と笑う大人がいます。その時わたしはその人のことを「なんて理解力の低い大人だろう」と思います。でもその人本人に「自分は理解力が低い大人だ」という自認はないでしょう。他人を評価・批判することはだれにもできますが、「自認」は他人が勝手にするものではありません。

そして若い大人の自認も、「子どもではない」「大人でもない」「もう大人だ」「自分はなんなんだろう」と日々揺れ動くことはあるでしょう。だからこそ、「若い」大人、ヤングアダルトなのです。

さて、

好きな本に、ヤングアダルトという枠組みをつけられることに反発を感じる読者もいるかもしれません。

でも、ちょっと考えてみて下さい。幼児向けの本を、幼児以外の人が読んではいけないという決まりはありません。とはいえ、幼児向けの本を心底楽しめるのは、幼児とそれを読み聞かせている大人だろうと思います。だれにでも問題なく読める本だとしても、読者にとって、どう読むか、その読書からなにを得るかは違うのです。

一般の文芸に関しても、限られた読者にしか楽しめないような小説はあります。装丁やレーベル名やジャンル表記を手掛かりとして、「こういう人には楽しめるよ」と言う暗黙の了解を発信しているわけですが、それを楽しめない読者が読んではいけないわけではありません。

本の読者の対象とは、そういうゆるやかな枠組みだと思います。

若い大人の読者に向けて作られた本、若い大人の読者に読んでほしい本の目印として、ヤングアダルトという言葉があるだけです。読者を区別する目的で使っているわけではありません。

ご参考に (同ブログ内の記事)

YAの自己意識について。「あなたの心の大人の割合はどれくらい?」調査

ライトノベルとヤングアダルトの違いについて

児童文学の児童やYAの若者は何歳までなのか問題と各法令の年齢区分

 

 長くなったのでページをわけます。続きはこちら

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